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前の記事で紹介しました、明報のサイトにあった「トラム新路線・歴代の車両を走らせる計画」の図。

ふと思いついたことを下の記事のコメントにも書いたのですが、なんかあり得ないことでもないんじゃないかと、再度ここで記事として書き記しておきます。トラム現路線廃止の陰謀!

当たるかも。イヤだけど。

上の写真のトラムの新路線、なんでトラムなんでしょうか。土地の使用のことを考えたらモノレールだっていいじゃないですか。こんなところに線路なんか敷いたらまた他の交通と干渉してしまいますよ。

トラムの経営権を半分握ったVeolia Transportationの陰謀、いやその後ろにいるかもしれない香港政府の計画というか構想はこうです。

香港のトラムはもういくらなんでも古い。バスやクルマの交通のジャマにもなっている。

しかし観光資源としての香港の街のシンボルでもあるトラムを廃止するのは冒険だ。痛手が大きすぎる。

新路線を上の写真のように中環のスターフェリー乗り場から灣仔の会議展覧中心の間に作る。
(スターフェリーの中環の乗り場が移転して不便になった庶民や観光客の不満も解消できる。)

この路線には歴代のトラムを再現した車両を走らせる。もちろん現在の車両もこの路線で走らせる。
ここが観光スポットのアトラクションとなり、一応、庶民の足としての公共交通機関ともなる。

で、こんなふうになる。つまり、
みなさん、新路線でトラムに乗れるんだから、これでイイじゃありませんか、現路線は廃止しますよ!
これを聞いて、香港市民も観光客も思った。
「まあ、これも時代の流れかなあ。新路線でトラムが残るんだから、まあ、いいか

現路線廃止!

こういうシナリオです。

新路線は、現路線に比べて比較にならぬほど短いですので、普通のトラムを走らせるだけじゃ貧相。そこで、歴代のトラムを走らせるという寸法。

なんか、現路線に新しい車両を導入するとかいう計画もあるようですが、それは本筋ではないのではないか。最終目標はあくまで現路線の廃止。

根拠のない妄想ですが、思いついたから書いておきます。将来万が一当たったら、拍手してください。現路線がなくなることはゼッタイいやですけど。

でも、実際問題として、現在のトラムがなくなることは観光の面から見てかなりダメージとなります。あるときを境に香港島の目抜き通りからトラムがなくなる。それはものすごい喪失感があります。

だから代用となるものを新たに設けて、でもやはりトラムだから時代遅れの乗り物であることは否めないから、歴代の車両なんかを走らせて観光としての側面を強く押し出して、でも、もちろん足としても使える、そんな役割を持たせて、その代用品をもって現路線は廃止というカタチをとる。

これはこれで現実的な、ソフトランディングというか考えられ得る着地点では?

このままだと香港のトラムは行き場をなくしてしまいます。街なかを走ることは望めないけどトラム自体が走る場を新たな場所に設けてあげよう、これが観光資源として考えられた新路線計画の本当の狙いかも。

だいたい、なんでここにトラムが走るのでしょうか。モノレールだっていいじゃないですか。わざわざ効率の悪いトラムにするのは、やはり観光スポットとしての狙いではないのか。でも、そうなら、いまだってすでに観光スポットとなっている現路線のトラムがある。なのに、なぜ新路線を設けるのでしょうか。

確信した。やっぱり、新路線の敷設は、現路線廃止へのステップだ。十年計画の。

ただ、100年を超えて内外を問わず皆に親しまれてきた香港トラムの廃止を、民族資本の九龍倉集団がやるのは重すぎる。そこでフランス資本のVeolia Transportationが乗り込んでバッサリ。悪役、謹んで引き受けます。日産自動車のリストラをやったフランスのルノーから来たカルロス・ゴーンさんのようなものか。本人はブラジル人らしいけど。

ところで、もし新路線が実現して歴代のトラムが海沿いを走ったら、九龍の尖沙咀のプロムナードやスターフェリーの船上から眺めた中環~灣仔の景色は、遊園地のようになってしまうかもしれません。

私としては、新路線も実現して楽しめて、現路線もずっと今のままの電車が相も変わらずこれからも走り続けることが理想です。

追記:息子に「ご飯だよ」と言われ夕飯食べたあとこの記事見直して恥ずかしくなりましたが、このまま載せときます(笑)。