これは今もなお熱狂的なファンを持つ、1982年のアメリカ映画 『ブレードランナー』です。製作資本出資は香港のショウブラザース、監督はリドリー・スコットです。

 公開時点からいくと37年後の2019年という設定、近未来のロサンゼルスが舞台となっています。

 世の中には、この映画 『ブレードランナー』 の、特に冒頭の未来都市のシーンを、香港と重ね合わせてしまう人が存在します。

 尖沙咀から中環に向かうスターフェリーに乗り、香港島の摩天楼を見ながら ヴァンゲリス作曲のブレードランナーのサントラを ひとりイヤホンで聴き 鳥肌立てて感動していた私もそのひとりですが、YouTubeに、同じ発想で投稿している人がいました。


 自分のオープニングクレジットまで入れてちょっとオタクっぽい映像。目のアップが出てきて薄気味悪いですが、ブレードランナーの冒頭でも同じシーンが出てきます。

 この映像の投稿者は、プロフィールどおりならばロンドン在住らしいです。この人が香港旅行したときの映像だと思います。

 古く落ち着いた街並みのロンドンに住む人の目から見たら、香港は、日本に住む私が感じた以上にブレードランナーの世界だったのかもしれません。

 もちろん、私がイメージしているものと、この映像の雰囲気とは違いがあります。でも、香港をブレードランナーの世界に見立てているという点は同じです。

 ただ、私の場合は、この投稿者のようにブレードランナーの音楽を香港のビデオ映像に合わせて見たりなどということはまったくなく、あくまで現地の香港にブレードランナーの音楽を持ち込むという形です。

 目の前にある香港の実像と、耳から入るブレードランナーの音楽を頭の中で重ね、近未来のロサンゼルスを現代の香港に置き換えて映画冒頭のシーンを頭の中で再構築、そして恍惚とするという寸法(苦笑)。

 YouTubeで 「hong kong bladerunner」 で検索すると、いくつかヒットします。

  ヒットした中には、ブレードランナーのようだと解説の入っている(らしい 英語に自信ありません)、単に2階建てバスの2階最前列の席から前方の高架道路を撮っただけのものもあります。


 これで思い出したのが、旧ソビエトの映画 『惑星ソラリス』 (1972年)です。

 この映画に未来都市が出てきます。この未来都市の風景というのが、単に東京の首都高をクルマで走りながら前方を撮影しただけのものなのです。

 YouTubeにありました。


 0分55秒あたりから。この部分の映像だけ見たら、ただ単に東京に行ってきた、というシーンにしか見えません。

 そういえば、かなり前、もう大昔のことですが、NHKの子ども番組で、東京を紹介するイギリスBBCのテレビ番組をやってました。

 羽田空港から都心へ向かうモノレールに乗って、窓に映る景色を紹介していました。モノレールや首都高などの映像が、珍しい物を見るような視点で映し出されていました。

 で、そのときBGMとして使われた音楽が『燃えよドラゴン』のメインテーマでした!(笑)

 追記:私は昨年 こういう物も買ってしまいました。しかしブルーレイのデッキがないので2月に届いたまま未だ観ていません……。