家に帰ったら、香港の黄夏柏(Wong Ha Pak)さんから、本が届いてました。

 ここのところ、なぜか本のネタが続きます。

 1か月ほど前、黄さんからメールが来ました。

 黄さんとは、以前からの知り合いです。といっても会ったことはありません。

 私が自分のサイトにアップした香港の古い映画館の写真が縁で、ネット上で知り合いました。

 黄さんが私のサイトを見つけたときの様子(→黄さんのブログ「戲院誌」での記事)。

 知り合って1年ほどして彼が香港の映画館の本を出すことになり、ついては私の撮った古い映画館の写真を使わせてもらえないかというので、喜んで応じました。

 その本「憶記戲院記憶」は、私の宝物となっています。

 詳細はこちら→その1その2

 その後も、黄夏柏さんは新しい本を出すたびに私に送ってくれます。

 で、1か月前のメールで、「新しい本ができたので船便で送ります」というので楽しみにしていました。

 それがやっと届きました。やっぱり船便は1か月かかるのか。
  
macau_teatro_book001.jpg 今度はマカオ(澳門)の映画館のことをつづった「澳門戲院誌」という本です。

 もともと黄さんはマカオの出身。今回は生まれ故郷のマカオの映画館を出したというわけです。

 これが裏表紙。ここに載っている映画「審死官」は1948年の作品。1992年に周星馳が主演した同名作品のオリジナル版です。主演は馬師曾。

macau_teatro_book_cover.jpg  ページを開くと、マカオの映画館に関することが写真とともにつづられています。
 
macau_teatro_book02.jpgmacau_teatro_book03.jpgmacau_teatro_book04.jpgmacau_teatro_book05.jpg 中文はさっぱりな私。でも、気楽に拾い読みして楽しもうと思っています。

 黄さんのブログ 「戲院誌」

 私が初めてマカオに行ったのは、1989年だったか1991年。

 香港からフェリーに乗ってマカオに上陸。そこから街の中心部に行こうと思ったが、どのバスに乗ればいいのか探すのが面倒くさくて、とにかく港をあとにして歩き出した。

 あてもなくズンズン歩いていって、無事なんとか街の中心部に来たが、探検グセがある私はさらにそれを越えてズンズンズンズン歩いて歩いて歩いていったら、結局、はしっこの「国境」に来てしまいました。向こうは中国本土です。もう先はありません。

 すでに夜の8時ころだったと思いますが、出入境處の係官に聞いたら、まだ門は開いているというので、よし、それならと手続きをしてマカオを出て中国本土に入りました。あとで知りましたが、そこは珠海という町でした。

 当時の珠海は再開発前。マカオに比べ街灯が少なくて大変暗く、しかしたくさんの人がうごめいていて何人も私に声をかけてきてちょっと恐怖を感じ、少しだけ街中を歩き小さなショッピングセンターに入ってぶらぶら見学したりしたものの、もういいや、と30分もしないうちにマカオに「入国」し直して戻ってきました。

 マカオに戻ってみたら、最初に来たときには気づかなかったが、出入境處の前のバスターミナルの近くに映画館がありました。

 さっきの暗い本土の町とは対照的な明るく輝く映画館のたたずまいに、私はすごくほっとした気持ちになりました。

 劇場を示す「TEATRO」と書かれたネオンサインを見て、私はマカオがポルトガル領なんだということをあらためて実感しました。

 その映画館の壁面には、映画「英雄本色2」の大看板がかかっていました。手描きで描かれた主演の周潤發の顔は、全然似ていませんでした。

 その映画館の近くでドッグレースをやっていたので入場料を払って入り、しかし馬券ならぬ犬券は買わずに何レースか見学のみに徹し、「うさぎの人形を追わせて犬を走らせるのか、へー」と感心したりしてそうこうしているうちに「あっ、そういえばここはマカオだった、こんな時間から香港に戻れるのか?」と焦り走ってバスターミナルに行ったら、さすが、港行きのバスはすぐに見つかり飛び乗って、港に着いてキップを買ってなんとかフェリーに滑り込んで香港に戻れたのでした。

 その日1日で香港-マカオ-中国の往復で出境と入境を繰り返したので、パスポートにはやたらとハンコが増えました。