さっき、馮克安(フォン・ハックオン)氏が、食道がんのため3月2日に亡くなったということを知った。享年65歳。

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(写真引用元 http://lamchingying.forumotion.net/t74-lam-s-peking-opera-buddies)

そのアクの強い風貌による名悪役ぶりは、彼の名前を知らなくても多くの香港映画ファンの印象に残っていると思います。

私にとってはフォン・ハックオンといえば、

なんといっても『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(1985年)です。

ジャッキー・チェンとのガラスを使った闘いのシークエンスは、香港のアクション映画史に残るものです。

これです。(彼の登場は1:08あたりから。白のスーツ姿。ただし、これはベストな編集といわれる日本劇場公開版ではありません)


あらためて見てみたら、冒頭の写真は、ヘアスタイルや着ている衣装が同じなので、この映画のときのものらしい。

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私は、初めての香港旅行で、九龍に当時あったゴールデンハーベストのスタジオに行きました。1986年3月のことです。

スタジオでは、ジャッキー・チェンの『サンダーアーム/龍兄虎弟の撮影をしていました。

スタジオにはジャッキー・チェンはじめスクリーンで見る俳優がたくさんいました。その中にフォン・ハックオンがいました。

この写真はそのときに撮影したものです。

写真真ん中がフォン・ハックオン。左にいるのは火星(マース)です。

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この写真は、この映画の一番の見せ場であるクライマックスの、敵のアジトの洞窟でのアクションシーンのリハーサル風景です(あとで日本でこの映画を見て、これがクライマックスだったこと知った)。

フォン・ハックオンが周りの人に立ち回りのアクション指導をしています。

享年からさかのぼって数えると、当時の彼は30代のなかばだったということになります。

私はスタジオで彼を見たとき、彼の名前を知りませんでした。けれども、いつも香港映画で悪役として見てきたその顔は、「あ、あの人だ!」と私が心のなかで叫ぶほど、よく知っていました。

私が見学したとき、彼は俳優ではなくスタッフとして、そしてアクション指導として仕事をしていました。

香港映画の撮影は、俳優が裏方の仕事にもどんどん参加しているということを、私はこのとき知りました。

皆で手分けして、機材を運んだり、ライトの調整をしたり、ワイヤーアクションに使うワイヤーにスプレーを吹き付けて黒くして見えにくくしたりしていました。

ゴールデンハーベストのスタジオは、皆で協力し合ってひとつの作品を作っていく、活気ある、まさに工房といった感じでした。

そんななかで、彼もそのひとりとして、ものすごく熱心に真剣に仕事に取り組んでいました。

私には彼のそのときの姿が強く印象に残っています。

ご冥福を祈ります。

 

蘋果日報の記事(記事中の享年に誤りがあるように思います)

ウィキペディア

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