いつも行く神保町の三省堂書店本店では、ときどき店内の大きな模様替えをする。棚を移動して大幅なレイアウト変更をしたりする。

1階の旅行ガイドブック・旅行関連本の売り場でも少し前に模様替えがあって、それと同時に、それまであった台湾本コーナーがなくなったのだが、先日、いつのまにか復活していた。

それもパワーアップして規模を拡大して。

これはおとといの9月15日の様子。

旅行ガイドブック・旅行関連本の売り場の中でいちばん目立ついい所に、台湾本が平積みで25タイトル、そして背後に面陳列で10タイトル。

合計35タイトルの台湾本(台湾特集の雑誌含む)。

三省堂書店本店のここの売り場で、1つの国(地域、都市)の本をこんなにたくさん集めたコーナーはここ最近なかったはず。

20年前の香港返還直前のころの香港ブームのときでも、こんなコーナーはなかったのになあ。

そんなにも売れ筋なのか台湾本? そんなにもブームなのか台湾?

 

そしてこちらは通常の棚差し。ここでも圧倒的な台湾本。

対する香港本は、これまで私がここの売り場をウォッチングしてきた中で最低の、なんと、たったの4冊(写真をクリックすると拡大して見られます)。

いったい、4冊って……。タイトル数じゃなく、全冊数がたったの4冊。おもわず目をこすったよ。

 

そして一方、こちらはその下にある平積みコーナー。

こちらも半分以上が台湾本。

冒頭に書いたように、独立した台湾本コーナーが別に設置されている。なのに、何でここでもさらに台湾本?

 

ここまでの状況を確認した私は「そうか、台湾本相変わらず頑張ってるな」とニヒルな笑いを残してその場を立ち去ろうとしたのだが、ふと見ると、平積みの前列右に「香港本」が。

「香港行ったらこれ食べよう!」という本が置かれていた。

これまでに「台湾行ったらこれ食べよう!」「台湾行ったらこれ食べよう! 甘味編」という本が出ていたが、うっかりそれと見間違えるところであった。

「台湾行ったらこれ食べよう!」の評判が良かったから香港編を出したのかな。

ともかく、私は香港応援のため、勢いで衝動的に1冊を手に取りレジに持っていった。

 

「香港言ったらこれ食べよう!」(清水真理子・著/誠文堂新光社/1400円+税)。

久々に買った(買えた)香港本。

B級グルメを中心としたメニューの数々がすごくキレイな写真で紹介されている。「香港のB級グルメ写真集」といった感じで、いままでもこういう本はたくさん出ているが、私がこの本で気に入ったのは、それぞれのメニューの紹介の中に、「現地の人はこう食べる。」というタイトルの小さな解説コーナーがあって、箇条書きで食べ方が書かれていること。

例えば「煲仔飯(ボウジャイファン)〈写真〉」であればこうだ。

現地の人はこう食べる。
★定番メニューの牛肉飯の、プラス3ドルで生卵をトッピングするのが一般的。
★煲仔飯用の醤油をかけ、生卵を落としてからふたをして、5~6分待ち、卵がほんのり固まってから食べる。
★メニューに「併煲仔飯」と書いてあれば具が1種類、「併煲仔飯」なら2種類選べる。
★レンゲで鍋肌についたおこげをこそげ取って食べる。

こういう「食べ方解説」があると、初めてチャレンジする外国人にとってはかなりハードルが低くなるんじゃないかと思う。

気になる方は、書店に行って見てみてください。

「香港行ったらこれ食べよう!」amazon

 

ところで、敵ながら(いつから敵?)台湾本には面白そうな本がたくさんあるのは悔しいけど事実。現に私も、2年前に台北に行った後これまで、台湾本をいくつか買っている。

出版社や編集プロダクションの企画のパワーが、それだけ売れ筋の台湾本に集中しているからなんだろう。

何かいい切り口の企画を考えついたら、まずは台湾でやってみようか、というのは当然の流れだ。

いや、逆か。先に台湾ありきで、とにかく台湾本出すのに何かいい切り口の企画がないかと知恵を絞っているということなのか、やっぱり。

 

<当ブログでのこれまでの関連記事「香港本 vs. 台湾本」>
http://kengshow.com/2016/03/05/book_taipei_hongkong01/
http://kengshow.com/2016/03/20/book_taipei_hongkong02/
http://kengshow.com/2016/08/07/book_taipei_hongkong03/
http://kengshow.com/2017/01/19/book_taipei_hongkong03-2/
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