この記事のつづき(こちら)。

先週の土曜日に続き、また今日も丸の内のKITTEで開催されている「香港ミニチュア展」に行ってきた。

到着はお昼過ぎ。先週よりも混んでいるように思われた。

先週は急きょ私一人で行ってきたのだが、今日はカミさんと行った。

カミさんは香港ファンにしてミニチュアが好きなので、「香港ミニチュア展」はまさに直球ストライクど真ん中のイベント。

私は今回は2回目なので、気ままにアトランダムに作品を見ていった。

見ていくと気づくのだが、来場者の人々が特に感心して見入っている作品というものがある。

来場者が歓声を上げるのは、多くは食べ物のミニチュア。だが、それとは別に、皆、この作品の前で感嘆の声を上げていた。

 

「摩星嶺木屋區〈摩星嶺の木造小屋群〉」(50分の1スケール/作:黎熾明 画像をクリックすると拡大して見られます)

無計画で複雑に入り組んで建てられた住居をリアルに作り込んでいる。パンフレットの解説によれば、アルミ箔のケーキ皿を使って外壁に見立てたという。錆びて朽ちた感じもよく表現されている。確かに渾身の一作。カミさんも感心していた。

 

会場で私の隣にいた人が、この作品を見ながら「これってジャッキー・チェンの映画に出てきたやつみたいだ!」と連れの人に言っていた。

「ジャッキー・チェンの映画に出てきたやつ」とは、すなわち、「香港国際警察」(1985年)のこの場面のことか。

https://youtu.be/dzpWMAcYgzw?#t=9m15s

この映画に出てくるバラックの住宅は、撮影用にセットを組んだのではなく、立ち退きで廃墟となった実際の住居跡を使ったのか。でないとヤケにリアルだし、当時の香港映画がここまで凝ったセットを撮影所の外に作っただろうか。いくらジャッキーの映画だとしても。ただ、これが本当の住居の廃墟だとした場合、クルマが頂上から建物を壊しながら下って走行するというようなことが、はたしてできるものなのか? クルマが走れるようにバラックの中を貫通させて空洞にして道を作っておいた? 昔から謎のまま。

 

話は戻ってミニチュア作品「摩星嶺木屋」。

この作品は、私は今回初めて見た。前回の池袋では展示されていなかった。

今回のパンフレットでは、日本で初めてのお披露目となる作品には「日本初公開作品」との表示が付されている。しかし、この作品にはそれが付いていない。

そこで調べてみた。

するとどうやら大阪会場で初お披露目されていたらしいことが分かった。

こちらのブログを拝見すると、3年前の池袋と同じ年に、大阪でこの作品が展示されたようだ。
https://4travel.jp/travelogue/10868163

 

もう香港には、この作品のようなバラックの住宅は存在しないのではないか。

 

これは私が撮った写真。

山の斜面に張り付くようにびっしりと建っているバラックの住宅。

1986年3月に、私の記念すべき初めての海外旅行で行った、香港旅行のときに撮影したもの。

場所は九龍の郊外なのだが、九龍のどこかが不明。

MTR荃湾(ツェンワン)線の終点の荃湾駅の周辺か、あるいは観塘(クントン)線の鑽石山(ダイヤモンドヒル)駅の周辺のどちらかだ。

今となってはどちらか分からない。

周辺といっても駅から結構歩いたと思われる。

荃湾駅の周辺だったのであれば、それは当時書いた旅日誌によれば3月6日に「地下鉄(MTR)の終点には何があるのだろう」と思って行ってみた結果。

鑽石山駅の周辺だったのであれば、それは同じく日誌によれば明くる日の3月7日に、斧山道に当時あったゴールデンハーベスト・スタジオに行くために最寄りのMTR鑽石山駅で下りて、駅周辺を歩いたときに目に入って撮ったもの、ということになる。

もとのネガフィルムを見れば撮影した順番でいつ撮ったのか分かるのだろうが、ネガをスキャンして順不同にファイルにしてあり、ネガフィルム自体はどっかにしまい込んでいて、撮影の順番が不明。

いずれにしても、こういう住宅はさすがに今の香港には残っていないのだろうな。

2017年10月8日18時30分 追記:本記事をご覧になったツイッターのフォロワーさんから、この写真に写っているバラック住宅の場所を教えていただきました。追って別記事でお伝えします。(追記:記事をアップしました。こちら