2007年7月アーカイブ

 中環に所在する歴史ある映画館、皇后戯院がついに閉館されるそうです。私がよく行く水田菜穂さんのブログ「HongKong Addict Blog」の記事で知りました。

 1980年代の香港映画黄金時代を謳歌した映画館はそのほとんどが閉館され、現在その姿を見ることはできません。そんななかで、皇后戯院は中身こそリニューアルされミニシアターになりましたが、館名と場所、そして館名の看板だけは同じまま存続していた数少ない映画館です。

 同館の閉館は、仕方ないですがこれも時代の流れなのでしょう。香港では、かつての従来型映画館が続々と後を追うようにして潰されていった 「90年代閉館ラッシュ」 自体が、もうすでに記憶の中での過去のものとなり、歴史の一部となりかかっています。むしろ皇后戯院はその波に飲み込まれずによくここまで持ちこたえたものだと思います。

 「香港なんでもケンショウ堂」では皇后戯院のことについて紹介していますので
 よければご覧ください。
 皇后戯院 1986年当時の香港映画黄金時代の様子
 皇后戯院 1986年当時の周辺の様子
 皇后戯院 1986年当時の看板の拡大
 皇后戯院 その歴史をひも解く

 植民地時代の香港の名残りともいえる、
 その名も 「クイーンズシアター・皇后戯院」 。
 ついに閉館。 合掌。

 14日土曜日に水田菜穂さんが講師を務めた「亜細亜娯楽講座」に出席して、返還後10年の香港の変化をあらためて認識しました。

 そんなこともあり、この講座のあとも昔の香港の変遷をあれこれ考え巡らせました。で、あらためてふと思い出しました。さらに時代をさかのぼり、私が最初に香港に行った1986年、つまりもう20年前のことですが、初めての香港で、日本と違うな、と思ったことがあります。 それは子どもが働いていたことです。街の夜の風景の中に、子どもたちの働いている姿があったのです。

 初めて香港に行ったのは1986年。初めての海外旅行でした。20日間の香港滞在で街のあちこちをそれこそ当てもなくさまよいました。そのとき私が行った先々の茶餐廰や屋台で、小学生くらいの子どもがお茶や料理を運んだりしていたのを私は記憶しています。廟街の今はなき大道芸でも、子どもたちがお父さん(?)の指示のもとアクロバット演技をしていました。これは特別な例だとしても、1986年当時、屋台や食堂では子どもたちの働く姿がたしかにあったと記憶しています。しかし、今、私が見る限りにおいては香港の街で子どもが働いている風景には遭遇しません。

 子どもを労働力として使うかどうかは、もちろん経済の状況の如何によると思いますが、それに加えて、その国(地域)の世間の習慣や働き手に対する考え方にもおおいに依存すると思います。要するに、当時の香港では、まだ 「子どもを働かせて良し。子どもを働き手として数に数えて良し」 という認識が容認されていたのではないかと思います。労働力というには大げさか…。要は、当時の香港では、夜、「大人の時間」に、自分の経営しているお店で「手伝い」として働かせる、という習慣があったのではないか。だから夜の街で子どもの働く姿をあちこちで見かけたのだと勝手に推測しています。

 昔の香港を思い出したらまた書きます。

 

 産経新聞のSankeiWebに、福島香織さんという方の署名記事 「【外信コラム】北京春秋 パンダvsミッキーマウス」 が7月11日付けで載っていました。

 http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070711/chn070711002.htm

 以下、全文を引用します。

cnemart.jpg

 きょう、シネマート六本木で開かれた「シネマート塾 亜細亜娯楽講座」に初めて行ってみました。

 講師は水田菜穂さん。テーマは「返還から10年、香港取材レポート」です。イギリスから中国に返還された香港がこの10年でどう変わったかを水田さんが講義されました。

 水田さんの口跡の良い講義が軽快で大変面白く、香港の変遷に関心のある私にとって、非常に興味深い内容でした。

 ●イギリス植民地時代の陰というかノスタルジー意識は香港人にはまったくない
 ●香港人口1000万人計画によるあちこちの再開発ラッシュ
 ●香港映画の半分がいまは中国資本による合作に
 ●あのトイレがキレイになった(SARSの影響)
 ●お店の商売相手は日本人から中国人観光客へ

 など、大局的なものから些細な街角の変化まで、つまりマクロからミクロまで、7月1日をはさんで14日間香港に滞在した水田さんの目でみた香港が語られました。
 
 香港が返還後に変わったかどうかは、香港のどこを見るかにもよるけれども、私は、香港は返還後、基本的には変わっていないと思っていました。
 しかし。 きょうの水田さんの講義を聞いてみて、そういえば変化はたくさんあるなと再認識した次第。

 ところで、私なりに香港のここ10年の変化を挙げてみると、大映画館や屋台がなくなったほかには…
 ●クルマのクラクションの音が街から劇的に減った
 です(笑)。ドライバーのマナーがかなり良くなった。

シネマート塾 亜細亜娯楽講座
同ブログ
水田菜穂さんのブログ「HongKong Addict Blog」

 今から10年前の香港返還のときに行われたイベントのことが書かれたブログがあります。あの谷垣健治さんのブログです。

谷垣健治のアクションバカ万歳!

 私は、先日書いたようにこのイベントのチケットを事前に日本で手配しておいて香港で手に入れました。しかし、悩んだ末、返還の瞬間は街の中の群集といっしょに過ごしたいと思い、結局チケットは使わずにお蔵入りにしました。

 ということで、私はのちの妻とともに、香港の人々に混じって銅鑼灣のタイムズスクエア前の広場で香港返還のカウントダウンをやりました。そのあとは香港の街をあちこちふらつきました。

 そして明け方。空が白み始めた7月1日の早朝。私たちは、中環にいました。ランドマーク横の歩道に無造作に置かれていた、各スタンドに配布する前の朝刊の束を覗き込みました。そこには「香港回帰」という特大見出しが躍っていました。道端に詰まれた新聞の束のその一面記事によって、私たちは香港がイギリスから中国に返還されたことを改めて認識しました。そしてホテルに帰りました。

 ホテルに戻ったそのとき(7月1日早朝)だったか、あるいはあくる日の深夜になってからだったか忘れましたが、テレビでは私たちの行かなかった返還イベントの映像を何回も延々と放送していました。

 夜空のもと、街の中で群集に混じって香港返還の瞬間を迎えたことは正解だったな、と今でも思います。でも、身体が二つあればこのイベントにも参加したかったです。

 ちなみに、7月1日、徹夜明けで遅く起き出して疲労の身体を引きずってホテル周辺のスタンドで買った各新聞の一面はこれです。
 http://homepage2.nifty.com/hongkong/michibata-paper-top.html

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 先日からお知らせしていました 『現代の香港を知るKEYWORD888』 を買ってきました。神保町にある東方書店で。さすがに中国関連書籍の専門店だけあって、レジの前にこの本が平積みで置かれていました。

 「魅力尽きない香港のすべてをキーワードで読み解く!」 と帯にありますが、家に帰ってよく見たら、これは帯ではなく最初からカバーに「帯風に」デザインされたものでした。帯を巻いたようなデザインを施して、帯自体は省略。つまりコストを考えた装丁というか体裁です。少しチープな感じもしますが、まあ気になりません。帯って邪魔なことが多いから。

 この本の前身とも言える同じ編者(小柳淳氏)による 『新 香港1000事典』 と比べると、今回の 『KEYWORD888』 が格段に良くなっていることがあります。それは読みやすい紙質の本文ページ。めくりやすいのです。 『1000事典』は紙が硬くて非常に読みづらかった。本文ページに厚い紙を使って分厚い本にして、書籍としての商品性アップを図るのは、本の体裁としては理解できますが、でも、前回の『1000』は、「事典」を謳っているのに、極めて読みづらかった。厚くても柔らかい紙を使ってほしかった。でも、今回の『888』は柔らかい紙なので読みやすい。嬉しい。単純に、ペラペラとめくって読もうという気分になります。

 内容についての紹介を書こうと思いましたが、巻末に専用のホームページのURLが載ってましたので、こちらを見たほうが早いです。ご覧あれ。
 http://www5f.biglobe.ne.jp/~hongkong/888.html
 888すべてのキーワードも載ってます。
 http://www5f.biglobe.ne.jp/~hongkong/888-02.html

 この本を通読すれば、香港について結構な量の知識を得られると思います。短い解説文の集大成という構成なので、通学や通勤の電車の中で少しずつ読む、というのもいいかも。
 税込み2,940円は書籍としては少々値が張る部類に入りますが、相当な情報量があるので決して高くはないと思います。

 12名からなる執筆陣により手分けして書かれたそれぞれの項目の解説は、主観や個人の経験を述べたものも多いので、一部に真剣にツッコミを入れたくなる部分もありますが、だからこそ、香港ファンには楽しいオススメの一冊ではあります。

 最近出た2冊目の『香港歴史漫郵記』のほうは、まだ買おうか迷ってます。店頭でペラペラめくってみましたが、家に同じ著者の似た内容の『切手が語る香港の歴史』があるので、買うかどうかいまだ検討中。

 3冊目の『香港雀仔街』は、まだ店頭で見かけません。実は、今回の新刊3冊のうち、この写真集『香港雀仔街』にいちばん期待しているのです。かつてこの写真集の舞台であるバードストリートと同じエリアにあったグランドタワーホテルを定宿にしていたので、雀仔街はすごく親しみがあるのです。

 追記。ところで上の写真、カバーの写真はいったい何? どこかのビルのトイレの「男」「女」の表示なんでしょうか?

 さらに追記。写真の解説、カバー見返しに載ってました。「新しいスターフェリー埠頭のトイレサイン」だそうです。そうなんだ。でも、私は、スターフェリーの乗り場が新しくなってからは行ったことがないから知らんよ(涙)……。しかし、こんなある意味「瑣末な風景」のよくわからん写真をカバーにもってくるというのは、本を売ることを考えたらかなり冒険なんでは……。この写真は編者の小柳氏の選択のようにも思えるのですが、これを許した版元の編集者の心意気(?)を買いたい。

6月25日に紹介した香港関連の書籍が書店に並んでいました。場所は紀伊國屋書店の南新宿店です。

『香港歴史漫郵記』を書店で手にとって中身を少し見て、はたと気が付いたのですが、似た構成の本が家にありました。家に帰って見てみたら、同じ内藤陽介氏の著書で『切手が語る香港の歴史』というタイトルでした。出版社は異なりますが、今回はこれの改訂版という感じなのかもしれません。

もうひとつの新刊書、小柳淳氏の『現代の香港を知る888』。これはすでになんとなく予想していましたが同じ小柳淳氏によるかつての『新 香港1000事典』の改訂版に近いもののようです。これも版元は前回とは異なります。

まだ書店で見ただけで購入していませんが、店頭から消えないうちに買いたいと思います。

3冊目の『香港雀仔街』。これはまだ店頭で見ていません。発行元の新風舎は、「共同出版」という商売のやり方で訴訟沙汰になったりして相当な物議をよんでいるようですが、私としては版元の事情はともかくこの写真集の中身をとにかく見てみたいです。

この3冊は配本される書店が大型店などに限られていると思われますが、店頭で見かけたらチェックを!

 きょう7月1日は香港返還10周年。
 香港では様々なイベントが行われているようですが、日本にはあまりその情報は入ってこないです。
 
 10年前のこの日、私はのちの妻と香港にいました。7月1日をはさんで10日ほどいました。

 香港返還の瞬間をどこで迎えようか、迷っていました。もちろん返還式典会場に入るためのツテは持ってない。そこで香港に行く前に、一般人が参加できるイベントはないかと調べました。で、一番メインと思われるイベントと、その次にメジャーと思われる、テレビ局主催のイベントのふたつのチケットを日本から事前に手配しておき現地入りしてすぐに入手。

 しかし、考えあぐねたすえ、結局、街の中で過ごすほうがいいということなになり、ふたつのイベントのチケットはお蔵入りにして街の中で香港返還の瞬間を迎えることに。

 返還前日の香港は街を歩くたびに各国のテレビ報道のリポート風景に行き会いましたが、一番すごかったのが日本チーム。中継ではなく単に録画の場合、見ていると他国はキャスター、カメラマン、ディレクターという役割のシンプルな3人体制というのが多かったと思うのですが、日本の各局のクルーの人数はどれもその倍はあったなあ。

 日本ではNHK教育を除き在京局すべてが香港返還式典を衛星生中継放送しましたが、私は日本にいないので、家にあるビデオデッキはもちろん、友人、会社の同僚、実家、そしてのちの妻の、ビデオデッキをフル稼働で連日の香港返還関連の番組をほとんどすべて予約録画しました。式典中継に関してはBSを含め、全チャンネルの番組を制覇(笑)。ついでに香港人の友人にもたのんで香港TVBの式典中継番組も録画してもらいました。

 あとで日本に帰ってすべての局の式典中継番組を見比べてみたら、NHK総合テレビのその名もズバリ 『香港返還』 (さすがNHK、無味乾燥なタイトル(笑))のなかに私たちの姿が……。式典中継のあと、香港の街の風景の映像が出てきたのですが、そこに私たちがけっこうでかく写ってました。

 私たちはコーズウェイベイのタイムズスクエアで群集に混じって香港返還の瞬間の7月1日午前0時を迎えようとしていました。そこでたまたま香港人の男女数人の若者グループと言葉を交わしたことがキッカケで、いっしょにカウントダウンしました。彼らと一緒に香港返還の瞬間を迎えたところをNHKのカメラに捉えられたのでした。彼らがワイン(シャンパン?)を持っていたので、それが絵柄としてテレビ向きだったのでしょう。

 番組を録画したのはVHSのビデオテープ。いまやVHSは過去のメディア。はやくDVDへのダビング保存をしなければ。

 追記。思い出しました。タイムズスクエアではこのとき、俳優の小林薫さんを見かけました。香港ファンなのかな?

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