スモール九龍城砦

| コメント(4) | トラックバック(0)
smallplanet_01.jpg ひとつ前の記事で書いた「E都市」を見てある本を思い出しました。街を見下ろす、というただ単にそれだけのつながりですが、ふとこれを思い出したのです。

 「small planet」 という写真家本城直季氏の写真集(上写真)。

 すべて本物の実景なのに、箱庭のようなミニチュアに見えてしまうという写真です。

 箱庭とかジオラマや、リンゴとか昆虫とか小さなものにカメラを近づけて接写で撮ると、被写界深度が浅くなって、ピントの合う範囲が狭くなり、ピントを合わせたポイントの手前と奧がボヤけます。(極端な例でいくとこういう写真がそうです。)

 逆に、こういう小さな物ではなく、普通の遠景を(絞りを絞って)普通に撮ると被写界深度が深くなります。

 で、ここからは私はよく知らないのですが、普通の景色をわざとアオリという技法で被写界深度を浅くして撮ることができるみたいです。

 で、ピントを浅くすると、本物の風景があたかもミニチュアのように撮れてしまう、という寸法です。


 その写真が、コレだ! ワン・ツー・スリー!(ザ・ベストハウス123)

smallplanet_02.jpg この写真集で本城直季氏は、木村伊兵衛写真賞を取りました。また、一時期かなり人気が出て広告などでも彼の撮影による写真が使われました。TVのCMにも、彼の手によるものか不明ですがミニチュア化した映像がでてきたのを覚えています。


 この写真集はもう何年も前に出たものです。出た当初、ポスターを見て「すごいな」と思って書店で平積みになっていたので手に取ってページをめくっていったら、香港の写真が載っていました。


 そのうちの1枚が、 コレだ! ワン・ツー・スリー!

smallplanet_03.jpg 銅鑼湾のリーガル香港ホテルのところ。トラムが幅5ミリくらいの模型に見えます。実際の写真集はもっとミニチュアに見えます。

 私はこの写真集を買おうかどうか迷いました。でも結局香港の写真は2、3点だけだったので買うのはやめました。


 で、これら写真は、上に書いたアオリという技法で撮っているらしいですが、私はこれをパソコンの画像編集ソフトでできないかなと思いました。

 そこでこれまでに私が撮った写真から、遠景でしかも上から俯瞰で撮った写真がないか探しました。俯瞰で見下ろした写真が一番「ミニチュア化」には適していると思ったので。

 ところが、これがまったくありませんでした。

 そこで、ちょっと後ろめたいですが、ネット上にある写真で、香港の街を上から見たものはないかGoogle香港に行って探しました。ところが、ネットにもなかなかありませんでした。ビクトリアピークから街を撮ったものはたくさんありました。でも、斜めから見下ろした風景だと中途半端に思えました。


 そんななか、一枚だけ、今はなきあの九龍城砦を上空から撮った写真がありました。(クリックすると拡大します)。

smallplanet_04_kowloonwallc.jpg 

 ということで、この写真を手持ちの画像編集ソフトPhotoshop Elementsを使って色とピントをいじってみました。

 その結果が、コレだ! ワン・ツー・スリー!

smallplanet_05.jpg どうですか。少しはミニチュアっぽく見えますか。やっぱりできあがってる写真に加工するのは限界があるのかもしれないですが。


 なんか、私とおんなじことを考えている人がたくさんいて、「small planet」とか「本城直季」で画像検索すると、この写真集や本城氏以外にも皆さんが自分で撮った風景をソフトで加工してミニチュア化している写真がたくさんヒットしました。

 そして、Googleに「ミニチュア」と入れると「ミニチュア写真」というワードが勝手にメニューに出てきて、それで検索すると、すごい数の自作のミニチュア写真が出るわ出るわ!(コレ

 こちらではPhotoshopを使った具体的な作りかたが解説されています。(コチラ

 こんなに流行っていたとは知りませんでした。

 そしてなんと、自動で画像を加工して風景をミニチュア化してくれるサイトを発見。

 そのサイトが、コレだ! ワン・ツー・スリー!

 「TILT SHIFT MKER」 
 http://tiltshiftmaker.com/

 ......こんなものがあるのを最初に知ってたら、自分で加工しなくても済んだのに。

 お手元に俯瞰で撮った香港の写真があったら、このサイトでミニチュアの香港を作ってみては?

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://kengshow.com/mt/mt-tb.cgi/556

コメント(4)

銅鑼灣のこの場所、とても好きな景色の一つです。トラムが回るのを眺めたくて富豪香港酒店に泊まったほどでした。
ティルトによる視覚効果では、UNIQLOのBlog部品「UNIQLO Calendar」が結構成功しているのではないでしょうか(ただしこちらの写真は本城氏のものではないそうです。音楽も秀逸)

http://www.uniqlo.com/calendar/

PENTAXのK-7に類似の機能(ミニチュア)が搭載されていますが、ティルトと呼べるほどではありません。

阿郎さん

富豪香港酒店、トラムを眺められる部屋とは、なかなかいいですね。

ユニクロのサイト、すごいですね。
こんなのがあったんですね。
動きを早くしているのが
余計小さく見える助けになって効果的ですね。

>PENTAXのK-7に類似の機能(ミニチュア)が搭載されています

なんと、そんな機能が付いたカメラがあったんですか。


思い出しました。かなり前の話です。
私の知人で、今は故人の方なのですが
立体写真のビュアーを
骨董屋さんで手に入れた人がいました。

スライド写真を左右2枚入れて、
双眼鏡のようなのぞき窓から
その写真を左右の目で見て立体になるという例のやつです。

しかし立体写真を撮るカメラを持ってませんでした。
そこで、彼は普通のカメラで、
2回に分けて微妙に左右をずらして撮影しました。

彼はその方法で香港の街を撮ってきました。

彼は九龍城砦もそうやって撮ってきました。
その写真を見せてもらったことがあるのですが、
これが結構立体に見えたので驚きました。


普通のカメラで2回に分けて撮るので、時差があります。
その間に壁から突き出た干した洗濯物が風で揺れてしまいます。
だから2枚の写真は洗濯物が違う形に撮れてしまってました。

その洗濯物が、だから立体写真のビュアーで見ると
ぶれて見えるのですが、それがまた
実際に揺れているようでなかなか面白かったです。

そのスライドを見せてくれたとき、彼は
「カメラを2回に分けて撮るとき、
その1回目と2回目でカメラの距離を離せば、
人間でいけば目の位置が離れて巨人の視点になるから
写ったものをビュアーで見たら
小さく見えるはず」
と、言ってました。

私は、なるほど! と思いましたが、
果たして実際はどうなのか?

彼がそれを実行したのか
その後の話は聞かずじまいでした。

ミニチュア写真、好きなんですよ。私はジオラマ風って言ってましたが、元々ジオラマとかが大好きなんです。
で、私も画像加工ソフトで自分で撮った香港の写真を加工して
今使ってるのが香港西榮盤正街の写真をヘッダーにしています。そろそろ別のにしようと思っていたのですが、学芸員Kさんのブログ記事を読んで、しばらくこのままにしておこうと思ってます(笑)

亜美さん

亜美さんもミニチュアの写真がお好きだったんですね。
そうか、ヘッダー画像もそうだし、
しかもブログの右には、
阿郎さんも紹介してくださった
ユニクロのブログパーツのミニチュア映像が
入っているではありませんか!

私も、ジオラマとか箱庭とか見るのが好きなのですよ。
自己分析として、私のこういう小さくまとまったものが好きな嗜好が、
香港好きにも通じているような気がしています。

コメントする

my desk
このブログは
アジアの片すみの小さな家の
地下室のデスクから
    香港迷同志へ発信しています    

Tsume Houdai  Slide Show
photo by Gakugeiin-K    

Keng Show Do  CM
※ブラウザのJavaScriptをONにして、Flash Player9以上をインストールしてください。
Get Adobe Flash Player

嗚呼、いまはなき香港の大映画館たちよ! by 学芸員Kさん

下の「コマーシャライザー」を
クリックすると
大きな画面で見られます。
ボリュームに注意!


カンタンCM作成サイト コマーシャライザー


ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261
プロフィール
香港なんでもケンショウ堂

この記事について

このページは、学芸員Kが2010年2月 8日 00:00に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「CGの香港 「E都市」見つけた」です。

次のブログ記事は「14日は春節ですよ~」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。


BLADERUNNER
1982年 Ladd Company

香港クレージー作戦
1963年 東宝映画

得閒飲茶 ill call you
2006年 Focus Films