2011年11月アーカイブ


 香港のテレビ番組で、私の写真が使われることになりました。


 初めての香港旅行に行ったときに撮影した、銅鑼湾の今はなき映画館、「碧麗宮戲院/Palace Theatre」の写真。1986年3月の撮影。

 この写真です。

palace_theatre.jpg
 先週の金曜日11日、「憶記戲院記憶」の著者、Wongさんからメールが来ました。

 「憶記戲院記憶」には、私が撮った9つの今はなき大映画館の写真が載っています。


 RTHK(香港電台/Radio Television Hong Kong)のスタッフから、「憶記戲院記憶」に載っている「碧麗宮戲院」の写真を番組で使いたいという依頼が、Wongさんのところに来たとのこと。

 RTHK制作/ATV(亞洲電視)放送のもので、銅鑼湾の街を扱った番組らしい。

RTHK.jpg RTHKのスタッフがWongさんに「番組に写真を使いたい」と打診したところ、Wongさんが「その写真は私ではなく日本の知人が撮ったものだから、彼に聞いてみましょう」となったらしい。

 放送は12月12日(星期一)の夜7時だそうです。


 香港のテレビ番組に私の写真を使ってもらえるとは光栄です。

 もちろん私は「どうぞ使ってくださいとお伝えください」とWongさんに返信しました。

 

 推測するに、番組の内容は、銅鑼湾の街の変遷などを紹介しながら

 「かつてここには碧麗宮戲院という映画館がありました」

 みたいな感じのナレーションとともに、この写真が数秒出てくる......という感じなのか。

 あるいは、銅鑼湾の風景を撮った各時代の写真が一瞬フラッシュバックのようにたくさん登場する、そんな中の1枚なのかもしれない。

 そんなわずかな時間の登場だとしても、たいへん嬉しいです。


 12月12日の月曜夜7時。

 香港の各家庭のテレビの画面に、私の撮った写真が一瞬映る。

 茶餐庁に置かれたテレビにも映って、テレビを見ながら鴛鴦茶を飲んだり、咖哩飯を食べたりしている客の目になんとなく入る。
 
 そんな光景を想像すると、少し心がときめきます。


 初めての海外旅行の香港で、街を歩いていて軽い気持ちで撮った、普通の写真です。

 本に載せたいと依頼が来たときも驚きましたが、今度はテレビです。こんな展開になるとは写真を撮影したときには思ってもみませんでした。


 RTHKのスタッフから私に、「番組を録画したものを送ります」とメールが来ました。たのしみです。


 RTHKは香港の公営放送局ですが、自前では放送せずにTVBやATVに番組を供給しています。RTHK制作で私がよくホテルの部屋のテレビで目にしてきたのは、警察の活動をリポートした「警訊」という番組です。

 ●RTHK/香港電台 http://rthk.hk/

 ●ATV/亞洲電視 http://www.hkatv.com/v5/index.html

 ●私の撮った写真が世に出ることになったきっかけのページ
  http://homepage2.nifty.com/hongkong/cinema.html

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 香港の朋友Wong Ha Pak先生のブログ、「戲院誌」の新しい記事で、「1970年代の大角咀・旺角界隈の映画館分布」を地図で紹介しています。

 「戲院誌」 70s旺角及大角咀戲院

 おそらくこの地図に載っている映画館の多くが1000席以上の大劇場だったのではないでしょうか。

 かつての香港では、映画館というのは、1000席以上をもってしてスタンダード、「標準」でした。

 手元にある「香港影視業百年」という本に、1968年、1985年当時の香港の各映画館のデータがリストになって載っています。

 これを見ると、当時の香港のほとんどの映画館が、例えば1289席とか1454席とか1788席とか、そんな数字の大劇場です。(中には「麗宮戲院」の、なんと3000席というのまであります)

 Wong先生がブログで挙げた映画館のうち、旺角にあった「南華戲院」「文華戲院」などは、1990年代に、私も深夜上映の新作先行ロードショーで行ったことが何度もあります。


 試しにネットで「南華戲院」「文華戲院」の写真を検索しましたが、見つかったのはひとつだけ(下写真)。

 「南華戲院」です。もう晩年の姿。

nang_hwa05.jpg 撮影は2000年前後から以降か。

 壁面を見ると、「南華」の看板が はがされた跡が付いているのがわかります。

 1階はお店になっているが、本来はこんな雑居の状態ではなかったとも推測されます。

 1階席フロアをつぶしてお店にしたのかもしれない。2000年に入ってから私が久しぶりにこの劇場に行ったとき、そんな状態の感じだったような記憶が、うっすらとあります。

 ということで上の写真は南華戲院の最晩年のものか、あるいはすでに閉館後の姿か。

 写真右下に「蘋果日報」のクレジットが入ってますが、どっかからの引用の可能性も大きい。なぜかといえば私が1986年に撮って私のサイトにアップした映画館の写真も、蘋果日報が引用して勝手に自社のクレジットを入れて使用していますから。



 一方、下の写真は私が2006年はじめに撮った「南華戲院」(の跡)。

 建物はそのままですが、改築のためにカバーがかかっていて、もう映画館じゃなくなってます。

nang_wa.jpg かつての姿を知る者には、さびしい光景です。


 Googleのストリートビューではこんな感じに写ってます。画像をポインタでドラッグして動かしてみてください。


檢視較大的地圖
 
 なんだか訳のわからないビルになってしまいました。
 
 この「南華戲院」もかつては大映画館でした。「香港影視業百年」に載っているデータによれば、1985年のデータで「南華戲院」の座席数は1278席となっています。

 そんな大きな映画館でしたが、1990年代に入って、ほかの映画館と同じように、1階席と2階席が分断されました。

 元の1階席、2階席が独立してそれぞれ「南華1」「南華2」という簡易シネコン状態になり、そして結局は消滅するという、香港の大映画館がたどる典型的なパターンとなりました。


 で、かつての「南華戲院」の中がどうなっていたかというと......。

nang_hwa2.jpg こんな大劇場でした。

 天井が高くて立派な映画館だったことが分かります。

 ただしいかにも昔ながらの劇場でイスが小さくてクッションが貧弱そうですが。

 この写真は、私が香港のアンティークショップで80香港ドルで手に入れた、映画のパンフレットに載っていたものです。

 日清戦争を描いた「甲午風雲」という中国本土から来た映画の、香港での劇場公開時のパンフレットに載っていた、「南華戲院」の広告。

 これがその広告。写真をクリックすると拡大して見られます。

nang_hwa3.jpg 調べてみたら、この「甲午風雲」という映画は1962年制作の作品なので、このパンフレットも同年かそれに近い年ものだと思われます。いまから50年ほど前の南華戲院の姿です。

 私が初めて香港に行った1980年代に入っても、まだまだこのような古い映画館は街のあちこちにたくさん残っていました。

 こういう一戸建ての大映画館がたくさんあったのが、かつての香港でした。

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hk_tsushin_02.jpg
 「香港通信」の創刊第2号の表紙です。1992年4月号。

 特集は「近代都市を支配する 風水」。

 中身のページはまた追ってアップします。
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 以前つくった、サイトのCMです。

 つくってからずっとこのブログの左側に小さく貼り付けてありましたが、久しぶりに大きな画面で載せます。

 画面左下の再生ボタンを押してみてください。

 このCMに出てくる映画館の写真はぜんぶ1986年3月に撮りました。初めて香港に行ったときのものです。

 私が自分のサイトにアップしたこれらの写真は、香港の地元の人々のブログや掲示板、YouTube、そして流れ流れて蘋果日報や文匯報など香港の新聞でも流用されて使われています。


 当時の香港の映画館は本当に大きなものでした。

 街にあるほとんど全部の映画館が1000席以上。なかには1800席なんてのもあった。

 そんな大劇場の座席を埋め尽くし、いつも満員御礼の深夜の先行ロードショー。

 1000人以上の観客の大爆笑、ヤジ、拍手。

 まさに、シネマパラダイスの世界でした。

 ●元ページ http://cmizer.com/movie/15940
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