【香港映画】の記事

yajuudeka.jpg

 Yahoo動画でアンディ・ラウの『香港極道 野獣刑事』をやってます。ただし吹き替えです。1988年の作品。昨年の4月から配信していて来年の4月までやるという2年間のロングランです。いま昼休みに10分ほど観ただけですが、やっぱり私はこの時代の香港映画が好きです。

 http://streaming.yahoo.co.jp/p/t/00027/v01354/

 先日ヤフオクで200円で手に入れた、『香港国際警察』の絶版日本公開バージョンビデオですが、YouTubeにその日本公開版バージョンの映像と、香港公開オリジナルバージョンがありましたので、アップしておきます。すさまじく編集が違います。

【オープニング その1】
●香港劇場公開バージョン(ただしこのYouTubeの映像の音声は英語)

【オープニング その2】
●日本劇場公開バージョン

 このようにまったく違います。日本公開版では、物語の本題に入る前に、警察署内での笑いのエピソードが入りますが、香港公開版はそれがスッポリ抜けていて、いきなり本題から始まります。したがって映画の最初の雰囲気がまったく違ってきます。

 香港公開版は、タイトルバックが真っ黒で音楽もなく、観客はいきなり気持ちを緊張させて、タイトルが終わると今度はいきなりシリアスな本題の場面に入っていくことになります。日本公開版を先に観ている人はこれがすごく唐突でびっくりすると思います。

 しかし、日本公開版は、タイトルバックにジャッキー・チェンによる活気ある主題歌が入り、それに続いて警察署内でのオトボケな笑いのエピソードがあって、のちにシリアスな展開に徐々に移ることになります。警察を舞台にした娯楽映画の物語の進め方としても無理のない王道を行く手法になっていると思います。

 おおざっぱに言うと、細かい編集の違いはなおもありますが、この日本公開版の冒頭のエピソードのあとに、香港公開版が続くような形です。

 香港公開オリジナル版はこのように唐突でシリアスなのです。なお、タイトルに漢字の入らない「英語版」も存在します(過去にフジテレビで放映しました)。

 ちなみに上の香港公開版は、DVDからのダビングなのか、オープニングのタイトルがゴールデンハーベストではなく、同社から権利が譲渡された「Media Asia」のクレジットが入っています。

 で、エンディングも、次のように両バージョンは編集が異なります。

【エンディング その1】
●香港劇場公開バージョン(ただしこのYouTubeの映像の音声は英語)

【エンディング その2】
●日本劇場公開バージョン

 香港公開版は、これまた唐突にあっさりと終わります。日本公開版は、余韻を残してエンディングを迎えます。

 要は、香港公開オリジナル版は、日本公開版の頭とお尻の部分がない、ということです。

 どうでしょうか、日本公開版のほうがイイですよね? 私は断然、日本公開版がイイです。

 でも、どうしてここまで編集の違うものができてしまったのか。香港公開版は、オープニングが唐突でシリアスで、エンディングもまた唐突なので、冷ややかな感じがします。

 映画にとって大切な、オープニングとエンディングの雰囲気が全然違う編集バージョンの2つの存在……。

 香港の映画館で、あの情熱的な1985年当時の香港人が観るにしたって、日本公開版バージョンのほうがどう考えたって合っていたのでは、と、私は思うのですが。

 どう思われますか?

 2007.11.20追記:検索してわかったんですが、ここ最近(昨年?おととし?)、NHK衛星で日本公開版を放送したそうですね。そういえばたしか新聞のテレビ欄に載ってたような記憶アリ。日本公開版だったのか。こりゃきっとポニー版より鮮明画像だったに違いない。ヘタこいた~!

bettertomorrow2.jpg
 【参考】
 原題『英雄本色Ⅱ』 英文題名『A BETTER TOMORROW Ⅱ』 (邦題『男たちの挽歌 2』)

 ------------------------------

 先日の香港映画祭で上映された4作品のタイトル。

 『鐵三角』(英文題名:「TRIANGLE」)
 『父子』(英文題名:「After This Our Exile」)
 『男兒本色』(英文題名:「Invisible Target」)
 『天堂口』(英文題名:「Blood Brothers」)

 このように香港映画には、中文題名とは別に、昔から、ほぼ必ず、英文題名が付いています。

 ブルース・リー作品やミスターBOOシリーズを経て、ジャッキー・チェンが登場し、いろんな香港映画が日本にやってきた1980年代半ば。

 このころ、私は、香港映画に必ず英文題名が付いているのは、単に 「イギリス植民地だから、『習慣的に」付いている』 のだと思っていました。あるいは、言い方は悪いけれど、香港映画には英領植民地映画としての「英語かぶれ」もあるのかな、と。

 で、その後何度か香港に行くうちに、香港の各映画館のロビーの壁に、その作品の上映許可証みたいなA4サイズほどの紙が必ず貼ってあることに気が付きました。作品の上映を香港政庁とか日本の映倫みたいなところが上映を認可した許可証だと思いました。

 その許可証は、英文の書類でした。中文表記もあるバイリンガルの書類だったか、あるいはこの英文許可証とは別に中文の許可証も併せて掲示されていたかは記憶にないのですが、少なくとも、英文の許可証がロビーに必ず貼ってありました。

 その許可証にはたしか、「TITLE」という名称の欄があり、その映画の題名が英文で書かれていました。

 この許可証を見て、私は、「香港映画は、英語を公用語とするイギリス植民地香港内での映画館での上映認可を申請をするためには、英文タイトルが便宜上、要は 『書類上』 どうしても必要なんだな」 と思いました。

 で、そうだとすれば、香港映画の英文題名は、本来は、植民地香港での申請上どうしても必要だから付けられたことになります。

 ところが、そのわりには、すでにかなり昔から、英文題名には 「遊び」 があるというか、「 中文原題に添える 『副題』 」 としての意味合いがあるようにも思えます。

 上の写真は、日本でも香港映画のベンチマークとなり話題となった映画、『英雄本色』です(正しくは写真はその続編)。この原題 『英雄本色』 の意味は、「英雄とはかくあるべし」ということだと思いますが(自信ありませんので、ご指摘歓迎)、英文題名は原題とはまったく関係なく 『A BETTER TOMORROW』 です。直訳すれば『より良きあした』。

 また、たとえば1970年代前半のブルース・リーの『ドラゴンへの道』の中文原題は『猛龍過江』です。主人公が海を越えてイタリアにわたって活躍するのでこの題名なのだと思いますが、英文題名は『The Way of The Dragon』です。

 この記事の冒頭で挙げた、先日の香港映画祭の4作品では、中文原題を訳したものは『鐵三角』だけで、それ以外はすべて中文原題を訳した題名にはなっていません。

 こういうことを考えると、香港映画の英文題名は、「英文訳名」ではなく、装飾や副題としての役割を持っています。たいていの香港映画は、地元香港でのポスターに英文題名が「装飾的に」入っています。

 ここまで書いて、うまくまとめられないのですが、何を言いたいかというと、香港映画の英文題名は、実はけっこう微妙というか、作品によっては、相当アバウトに付けられているんじゃないかと思うのです。雰囲気重視というか。たとえば、『A BETEER TOMORROW』って、あの作品の「英文題名」としてどうなんでしょうか。独立したメインタイトルとしての、一個の「英文題名」としては「すごくビミョーな感じ」がします。どっちかというとこの英文題名『A BETEER TOMORROW』は、最初っから中文原題の 『英雄本色』 に添える 「副題」 として付けられたような感じがします。

 たとえば、というか、たとえとしては、これは特にどちらが「副題」というわけではないので適切ではありませんが、今ヒットしている日本映画を引き合いに出せば、

 『ALWAYS 三丁目の夕日』

 みたいな…。そういう見方でみてみると……

 『英雄本色 A BETTER TOMORROW』。

 こうみると、最初に挙げた香港映画祭の4作品のうち、『鐵三角』(英文題名:「TRIANGLE」)以外の3作品は、いずれも英文題名が中文のメインタイトルに添えられる「副題」のように思えます。『父子』に対する「After This Our Exile」しかり、『男兒本色』に対する「Invisible Target」しかり、『天堂口』に対する「Blood Brothers」しかり。これらは、皆、実質上、『ALWAYS 三丁目の夕日』 と同じような感じになっているのではないでしょうか。

 で、そうだとするなら、とどのつまり、香港映画というものは、香港返還後10年たってもなお、そのほとんどすべての作品に、最初から英文の「副題」が付いているという、ものすご~く 「特殊な状況」 になっていることになります。

 この続きはまた気が向いたとき書きます。

 ところで、さっき書いた、「上映許可証」。ハッキリと確かめたわけではないのですが、香港が中国に返還されたのちも、映画館のロビーに貼ってあるように記憶しています。しかし、「英文の許可証」が今もあるかはよくわかりません。どなたかお知りの方がいれば教えてください。

 香港の映画専門誌の記事によれば、として、こういう記事がありました。

 中国情報局NEWS エンタメ

 1997年から2007年というのは、ちょうど香港が返還されてからの10年です。
 

raymond-chow.jpg

 すでにご覧になった方が多いと思いますが、monicalさんがブログHongKongAddictBlogでレイモンド・チョウ氏の映画界からの引退の言葉を紹介しています。

 HongKongAddictBlog

 レイモンド・チョウ氏の引退は、悲しいですが、やはりこれも時代の流れです。もう彼も80歳です。しかし、言うまでもないことですが、彼と彼が築いたゴールデンハーベストが香港映画に遺した功績はとてつもなく大きいです。

 レイモンド・チョウさん、お疲れ様でした!

ここに今回の映画祭でのジョニー・トー監督のティーチ・インの映像があります。23分。
すみません、私自身、まだ中身を最後を見ていないのですが、報告まで。
当日参加できなくても、こうやって様子を知ることのできる
ネット社会に今さらながら驚愕と、感謝。

http://www.cinema.janjan.jp/0710/0710210329/1.php

 こういうニュースがあります。

 http://www.nikkansports.com/entertainment/cinema/f-et-tp1-20071101-277730.html

 ふたつめ。

 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=1101&f=entertainment_1101_001.shtml

 香港の地元での香港映画のヒット状況の表現として、「観客動員はハリウッド映画並の勢いがあり」というのが、いまやアリなのか……。ハリウッド映画なんて目じゃなかった香港映画黄金時代の80年代だったら考えられないです。

------------------------------

 以下、追記。記事タイトルも2行目を追記した。

 上の、ふたつめのことは、もう、このさいどうでもいい。

 いま、monicalさんのHongKongAddictBlogに行って驚いた!

 レイモンド・チョウが、ゴールデンハーベストを手放したとは!

 私は、きのうの記事に対するKatoさんのコメントに対して、こう書いたばっかりなのに!
 
 「私はいまだに「香港映画=GHのタイトル」という80年代のイメージから
 脱却できていません(笑)。」

 私がどれだけゴールデンハーベストが好きだったか。
 今年の夏、私が外出のときに一番多く着たのは、このTシャツだったんですから。

gh-tshirt-B-front.jpg

 アイロンでプリントした自作のやつ(苦笑)。

 嗚呼、ゴールデンハーベスト。嘉禾電影。たくさんの楽しい思い出をありがとう嘉禾電影。
 
 きょうはこれからヤケ酒だ。

 合掌。
 

 YouTubeに香港の映画会社・製作会社のオープニングタイトルばかり集めた映像があります、と以前の記事で書きました。

 そのときは、パート1~3までアップしてあって、パート4はカミングスーン状態でした。で、きょうYouTubeに行ってみたら、パート4がありました。コレ。

Hong Kong Movie Studios Idents Part One (8分35秒)

 パート3まで見てて、「あれ、アレがないな」と思っていたタイトルもけっこうこのパート4にありますね。

 この映像をアップした人、香港の「dire398」さんは、つい最近こういうのもアップしています。
 ゴールデンハーベストの歴代オープニングタイトル集。

 ダンダンダンダンの、音違いバージョンもアップされています。いかにも「シンセサイザー」風の音。この新しいバージョンのほうが音が軽くて、まさに改悪です。あと、2番目に流れた、黒バックに白いラインが描かれるタイトル。このタイトルのBGMは最後にコミカルな音楽になりますが、私がかつて見たブルース・リーの『ドラゴン怒りの鉄拳』では、さすがにこのコミカルな音楽は鳴りませんでした。

 私にとって、この「dire398」さんのアップする映像は、かゆいところに手が届くというか、見たい映像をアップしてくれています。
 同じ「dire398」さんがアップしている、ツイ・ハークの電影工作室の歴代タイトル。

 このこの「dire398」さん、パート3の映像の最後でちゃんと予告したことを守って、パート4をアップしたんですね。感動。このパート4では、次のパート5を予告しています。

 私は、この「dire398」さんの次にアップする映像に期待しています。

 映画祭に連日行かれた方は、お疲れ様でした。

 きのうまで書いた映画祭の自分のブログ記事を振り返ってみたら、なんか野暮なことばっかり書いちゃったなーと思いましたが、どうかお許しくださいませ!

 で、今回の香港映画祭で、私にとっての一番の出来事は、記事にも書いたように、映画祭開催期間中に渋谷の街中でツイ・ハーク御大に会ってサインをもらったことですなんですが、そのことを、いま映画館の本の刊行を控えている香港のWongさんにメールで報告したら、「あなたは本当に香港映画ファンなんですねえ」 という返事をいただきました。

 いや、そんなこと言われても、私は最近の香港映画にはとんと疎いライト級のファンなので恐縮したのですが、そのWongさんのメールには、使ってくださっていいですよ、ということで添付ファイルでこんな写真が添えられていました。コレ。

hongkongfilm-cover.jpg
 Wongさんのメールによれば、きょう買ったばかりの雑誌で、香港映画批評家協会によって刊行された新しい雑誌とか。その名もズバリ「香港電影」。創刊号のようですね。

 で、この表紙の人……。これは先日のレッドカーペット&オープンングセレモニーにいらっしゃった、ジョニー・トー監督じゃありませんか。

 大きなリボルバー拳銃のオブジェの上で、縞柄シャツの胸をはだけてサングラスかけて葉巻くわえてふんぞり返るの図(笑)。

 ジョニー・トー監督って、monicalさんのブログでも写真が載ってましたが、こんなわかりやすーいチョイ悪のイメージで売ってんでしょうか。っつーか、メチャ悪だなこりゃ(笑)。あ、monicalさんのブログの写真とおんなじサングラスかけてる(爆)。

 この表紙には、私たちにもおなじみの監督の名前が連なっています。どんな雑誌なんでしょうか。

 日本には、「日本映画」っていうようなストレートな題名で、日本の映画監督がふんぞり返る図の表紙の雑誌なんてないですよね。

 この雑誌の発展を切に祈る!

blood-brothers-poster.jpg

 ストーリーはココ

 租界時代の上海で天下を取り、崩壊する話。この設定の物語は特に真新しいものではないですよね。話としても単純な物語です。だから気分的に落ち着いて観れました。この映画はセリフが広東語ではなく国語でした。舞台が本土だからわかりますが、それでもこれが以前の香港映画だったら、多分広東語だったのではないかと思います。

 この映画は、後半、特にクライマックスに向かっては拳銃ドンパチです。今回の香港映画祭はまあ、たくさんの人が拳銃で死にました。別に、暴力映画反対というのでは100%ないのですが、映画祭最終日のこの映画のクライマックスで、どんどんどんどんテレビゲームのように人が拳銃やマシンガンで撃たれて倒れていくので、ちょっと辟易したのは事実。私はやっぱり素手のアクションのほうが好きです。

 ストーリー自体は真面目。なのに、クライマックスになると多勢に無勢なのに敵をテレビゲームのようにたやすくバンバンと、撃たれた人間の痛みを感じさせない描写で撃ち殺していくので、ちょっとウーンとうなってしまいました。これが荒唐無稽な物語や設定なら、ひとりで50人やっつけようがOKなんですが……。主人公のダニエル・ウーが、物語の中でいつ射撃の名人になったのかと思うほど華麗に拳銃をぶっぱなします。

 映画が終わって、2時間以上経ったのかな、と時計を見たら、たった1時間40分しか経ってなかったのでビックリしました。特に退屈したわけでもないのに、もっと長い時間観ていた感じがしたので。

 ホールの華として演じるスー・チーが、個人的な印象としては、あまり魅力的に見えなかったです。映画のなかでは誰もがボーっと見惚れる女という設定ですが、どうもそうには見えなかった。私は以前香港でたまたま『色情男女』のロケ現場に遭遇して、このときにスー・チーを見ましたが、このときのスー・チーはいい意味でエッチっぽくて (え? じゃ、悪い意味のエッチっぽいってあるのかよ?(笑))、言い換えれば男好きのする雰囲気で魅力的でした。でも、この映画のスー・チーはあまり魅力が感じられないです。こういう役には向いていないのかな、と個人的には思います。

 で、気になったのが、この映画の舞台となった1930年代の上海の繁華街のオープンセット。路面電車も走ります。これ、TBSドラマ『華麗なる一族』で1960年代の神戸として使われたのと同じセットなんでしょうか。題名は忘れましたが、同じく日本のテレビ番組の、1945年の広島を舞台にしたスペシャルドラマもこのセットだったと思います。この『天堂口』も、なんかこれらと同じセットのような感じがします。

 とりあえず以上ここまでの記事アップします。ちょっと検索してこのセットについて調べてみて、わかったら追記で書きます。

------------------------------

 結果、調べましたが、見つかりませんでした……。

 TBSドラマ『華麗なる一族』で「1960年代の神戸」という設定で使われたセットは「上海影視楽園」のオープンセットということはわかりました。けっこう有名なオープンセットのようですね。そういえば以前このドラマの番宣番組でこのセットが紹介されていました。

 しかし、結局『天堂口』の1930年代の上海の繁華街のセットについては不明です。上映のときエンディングのクレジットをもう少し注意深く見ておけばよかったですね。(でも、多分、同じこのセットが使われたと、私は、思います……)

 ●『天堂口』公式サイト
  http://www.bloodbrothersthemovie.com/

invisible-target.jpg
     【会場ロビーにあったポスター】

 この作品、すごく楽しみました~。香港映画ならではの突っ込みどころがたくさんありましたが、それでも 「香港映画、ここにアリ」 を堪能しました。ストーリーはココ

 すでにエキスパートの方々のブログでいろいろ語られていますので、この作品に対しては断片的になりますが箇条書きで。野暮な突っ込みもありますけど、ご容赦を。アトランダムに書きます。

 ●トラムを使ったアクションなど、香港街歩きファンには嬉しいシーンがたくさんありました。
  それを嬉しいとなぜあえて書くかといえば、香港映画祭出品作4本のうち2本が
  香港を舞台にしていなかったからです。
  今回の香港映画祭では、この『男兒本色』と『鐵三角』の舞台が香港ですが、
  『父子』はマレーシア、『天堂口』は1930年代の上海(オープンセット)でした。

 ●ジェイシー・チェンは、敵が幼稚園バスに仕掛けた時限爆弾がタイムリミットになっても
   爆発しなかったので、逃げなかったけど、そこでいきなり安心しちゃっていいの? 
   横に幼い園児もいたのに。

 ●幼稚園児が爆弾がらみで人質にとられ、それは解決し、警察署までジェイシー・チェンが
   バスを自ら運転して何事もない静かな警察署に帰ってきたけど、どうして園児の保護者は
   迎えに来ていないの?

 ●この映画ではいくつものすさまじい爆破シーンがありましたが、これらはCGの力も借りて
   いるのでしょうか。なかなか迫力がありました。

 ●香港島のトラムでのアクションシーンは大掛かりで楽しかった。
   さすがにあれはゲリラロケじゃなさそうだし、交通封鎖してやってるんですね。

 ●警察署として映画で使われたビルのエントランスがお洒落な全面ガラス張りでしたが、
   警察署としてはあまりリアルではなかったです。こんな無防備な造りの警察署はないです。
 
 ●私はニコラス・ツェーを見るといつも無意識に武田真治を思い出していましたが、
   今回はジェイシー・チェンに、元テニスプレーヤーの松岡修造の顔を重ねてしまいました。
   ひょっとしてこのジェイシー・松岡似てる説は以前から言われているのかな?
  
 ●ニコラス、ショーン、ジェイシーの3人のアクションがすごく良かったです。
   私なんか、いまだに80年代のゴールデンハーベストやD&Bやシネマシティ作品を
   基準にしてしまうので、それからしたら、彼らのアクションもそうですが
   アクションシーンの撮影技術の発展には目を見張るものがありました。

 ●警部役で出た、マーク・チェン、私は最初はマーク・チェンだとは気づきませんでした。
   けっこうなオッサンになっていて感慨深いです。私も年を取るわけだ(笑)。
   最初に彼を見たのは『刀馬旦(北京オペラブルース) 』(1986年)だったかなあ……。

 ●クライマックス近く、敵のボスのウー・ジンへのとどめの一撃のシーンで、
   ショーン・ユーの(あるいはニコラス・ツェー?)のパンチが寸止め状態のゲンコツアップの
   場面になってどういう状況かよくつかめない不自然な場面が一瞬あったように思うのですが、
   あれはどういう意味の描写なんでしょうか? 私の見間違いかもしれませんが。
   また、それまでの数々の華麗で派手なアクションを展開したのに、ニコラスとショーンの
   クライマックスのそのゲンコツの一撃シーンはあまりに凡庸に感じました。

 ●最後にニコラスが、敵のボス、ウー・ジンを、床で上を向いているガラスの破片を使って
   絶命させようとウー・ジンの身体を押し倒し、ウー・ジンの首に刺さりましたが、その後、
   今度はショーン・ユーがウー・ジンを棒で刺し殺そうとしたら、
   ニコラスが 「やめろ、俺たちは警官なんだ」って、それって、少しおかしくないかな?
  
 娯楽映画に屁理屈で突っ込むのは野暮というものですが、私は、香港映画にはハリウッド映画に比べて、やはりまだまだ「隙」があるのではないかとあらためて思いました。娯楽作品こそこの隙はなくしたほうがいいのではないか。大局的には荒唐無稽でも、細部の辻褄を合わせておいたほうが、娯楽作品として手放しで楽しめるからです。

 でも、『男兒本色』は香港映画のアクション娯楽作として、私自身にとってはひさびさに存分に楽しめました。面白かったです。もう一度大きな劇場で、今度はスクリーンの近くで観てみたいです。

 日本語字幕はHongKongAddictBlogでもおなじみの水田菜穂さんです。昨年の映画祭の『I'll Call You』に引き続き、水田さんの字幕で楽しませていただきました。

 ●『男兒本色』公式サイト
 http://www.invisibletarget.com/

after-this-our-exile.jpg
    【会場ロビーにあったポスター】

 この映画は去年の東京国際映画祭で上映され、最優秀アジア映画賞を受賞しています。今回はそれを記念しての上映。私は去年見逃したので今回観ました。この映画は香港電影金像奨作品賞ほか、監督・脚本・助演男優・新人賞の計5部門も受賞しています。

 ストーリーは、すみませんがココを。

 【以下、ネタバレあります】
 数々の賞を獲得した作品ですが、その出来はともかく、私は観ていて辛かった……。いや、観ている途中は、まだ未知の結末に希望を持てるからいいのですが、その望みがついえて最終的には結局子どもが救われず、この作品をすべて観たあとは、気分が重くなりました。

 ひとつだけ救いだったのは、あれだけのすさんだ幼少期を過ごした子が、十数年後のラストでは善良で良識ある青年に育っていたことでした。

 結婚していない父と母とひとり息子、BOY。やがて母は苦しみながらも結局BOYのもとを去り、新しい男へ走り、赤ちゃんを産み幸せに暮らしている。父はBOYに泣きながら「俺にはお前だけしかいない」という。そんな父は生活のためBOYに泥棒をさせ、発覚したら助けると約束していたのに、いざそうなるとBOYを置いて逃げてしまう。BOYは養護院に預けられる。

 そして、映画では最後の数分間のエピローグ。十数年後。BOYは青年となり、父をたずねていく。うわさでは、父は新しい家庭を築き、幸せに暮らしているという。妻であろう女性と歩くその父を、誰知ることもなく青年は静かに遠くから眺める。ここで物語は終わります。

 結局ストーリーを書いてしまいましたが(汗)、要するにBOYはそんな状況で育った。それがどのようにしてあのような立派な青年になったのか。映画の最後の最後に見せる、立派に育った青年のりりしい顔と、自分の子どものころの罪をつぐなう彼のささやかな行動。私はそこにのみ、この物語の絶望的な結末に希望の光を見ました。

 父と断絶して青年になるまでの、彼の精神の成長の物語がどんなものだったのか、この映画はその部分を飛ばして我々には語りません。しかし語らないことによって、その間の彼の人間としての成長を、各々の観客の想像に任せ、それによって観る者各々に静かな感動を呼び起こさせる、ということをこの作品は意図したのかな、とも思いました。

 疑問に思ったのは、母のチャーリー・ヤンがアーロン・クォックから逃げて走った先の新しい男を、メガネをして身なりを整えた同じアーロン・クォックが二役で演じていたこと。新しい男を同じ役者で配役するのは、どんな意味があるのでしょうか。いくつか凡庸な推測をしてはみましたが、でも、別の人間でOKだったような気もするのです。バカな私は一瞬、身なりの立派なアーロンを見て、夫が真面目だった若いころの、妻の回想シーンなのかなと思ってしまいました(笑)。二役として配役した監督の意図を知りたいです。昨年の映画祭ではこの作品のティーチインはあったのでしょうか。あったならそこでは監督に対してどんな質問や意見がありどんな回答があったのか、おおいに知りたいです。

 BOYが育ったのちの青年役の俳優が、アーロンの息子という設定にはぴったりな風貌なので、すごく良かったです。あの俳優は誰なんでしょうか? 私はほんとに最近の中華系俳優はノーマークの人が多いのですが、有名な俳優なのかな?

 うーん。それにしても……。この映画は重かった。香港特別行政区設立10周年記念と銘打った香港映画祭に、おバカな昔みたいなウォン・ジン映画もないでしょうけど、でも、今回の4本のうち1本は大爆笑喜劇が欲しかったなあ。

 追記:この記事を書いたあと、写真のポスターの父の背中と子ども風車を見たらたまらなく切なくなってきました。この映画は、再度じっくり観ると、監督の意図がより感じ取れるのかも……しれません。

 追記:書きそびれましたが、この映画、アーロンやチャーリーの熱演も良いですが、やはり最大の功労者はBOY役で主演した9歳のン・キントー君です。香港電影金像奨の助演男優賞と新人賞をダブル受賞しています。

●『父子』の公式サイト:不明です。
香港ヤフーで「父子」で検索してヒットした映画解説ページMOV.3.COMに行ってみたら、この映画の英語原題をドメインにした「www.afterthisourexile.com」というリンクが張ってあったので行ってみたら、「セキュリティ警告」が出たので「はい」をクリックしたらいきなりアドレス欄のURLが変わり、怪しいカジノのページに飛んでしまいました。皆様お気をつけください。(MOV.3.COM自体は普通の映画紹介サイトです)

triangle-poster.jpg
     【会場ロビーにあったポスター】
     こういうオリジナルポスターを売店で即売すれば、それこそ、
     飛ぶように売れると思うんですけど、どうでしょうか。
     映画祭ではグッズを売るのは似合わないのかな?


 23日の初日、オープニングセレモニーにつづき上映されたのが『鐵三角』です。ストーリーについてはは他力本願ですが映画祭公式サイトのココを。
 
 3人の監督によって作られた映画ですが、いわゆるオムニバスというやつではなく、一本の物語の前半をこの企画の言いだしっぺであるツイ・ハーク、真ん中をリンゴ・ラム、後半をジョニー・トーが演出するというもの。時差のあるジャムセッション製作映画とも言えます。

 この作品、すごく楽しめました。けど、主人公ら3人の行動がなんか必要以上に流されていく感じが強かったような。これがジャムセッション製作の結果なんでしょうか。

 そもそも、この映画の製作手法は、言ってしまえば 「お遊び」 です。それ以外にはありません。だって、物語のスタートとなる前半担当の監督が、中半以降の演出はもちろん物語の展開を考えずに撮って、それ以降は、別の二人にお任せというのですから。

 映画は最後の最後で納得させてくれれば、半ば良し、というものでしょうから、最後を担当したジョニー・トーが事実上のこの映画のカギを握っていたことになります。ジョニー・トーにその意識があったかどうか知りませんが、映画としてきちんと完成させるには、すべての辻褄合わせを自分のパートでしなくてはいけないのです。で、その辻褄が果たして十分合っていたのかどうか、恥ずかしながら、私はイマイチわかりませんでした……。

 ラストに展開される、ある種のバカらしさ。ここに、私は古くから連綿として通底する「香港映画」を見ました。個人的に、このラストの展開は、香港映画だから、「許せる」。

 ところで、大好きな香港映画を観てときどき未だにとまどうのは、シリアスなシーン、それも人の生死にかかわるシーンで笑いを誘う演出があることです。仲間の瀕死の妻をクルマに載せて病院に行こうか迷ってロータリーをくるくる回るシーンでは、ここで笑っていいものかどうか、今回のオーチャードホールの会場の笑いは明らかに戸惑いがあったような雰囲気でした。

 日本人の観客にとって、こういうときのシーンには、ふたつのパターンがあります。

 まずひとつは、香港の製作者サイドが、最初から笑わせるつもりで演出したが、しかし、日本人の感覚からすれば、そのシーンはシリアスな状況の場面だからその笑いには戸惑って引いてしまうというもの。

 ふたつめは、製作者はきわめてまじめな場面としてそのシーンを作ったのに、日本人にとっての映画上のルールとしては滑稽だから笑ってしまうというもの。

 私は、ふたつめのパターンを、ゴールデンハーベストの『奇縁』という作品で経験しました。私が香港の映画館でこの映画を観たさい、完全にシリアスな場面として香港の観客に静かに鑑賞されていたあるシーンが、東京の映画祭では、「そんなのあるワケねーよ!」というノリで大爆笑されたのです。

 その映画祭での日本人の笑いは、香港映画のそんなノリを、ファンが肯定的に認める良いニュアンスの笑いでした。しかし、そのとき客席に出品者のレイモンド・チョウがいたので、香港の映画館での同じシーンに対する観客の静かな様子を知っていた私は、人知れずハラハラしてしまいました。

 で、今回の映画 『鐵三角』 のシーン、ロータリーくるくるは、ひとつめ、前者のパターンというわけです。このシーンに会場の笑いは微妙でした。控えめに「笑っていいのかなー」という感じでクスクスと。ちなみに日本映画 『海猿』 を、アメリカでは後者のパターンで観客がゲラゲラ笑ったとか。

 ●『鐵三角』公式サイト
 http://www.trianglethemovie.com/

 いまさらながら香港映画祭初日のレッドカーペットについてです(『天堂口』についてははやはり一番最後に書きます)。一応写真を撮ったのですが、会場に行くのが遅かったので、たいしたものはありません。オープニングセレモニーの詳しい模様と写真は、
monicalさんのHhongKongAddictBlogに詳しいので、そちらをどうぞ。

 当日、レッドカーペットなんてものは私の頭にはなく、開場時間ギリギリ、オンタイムで会場のオーチャードホールに行こうと思っていたので、それまではブックファースト渋谷店で時間をつぶそうか、と行ってみたら、ブックファーストのほうが閉店してつぶれていたのでビックリしました。で、仕方なしに予定より早くオーチャードホールに行ったら、すごいファンの人々がいて、またビックリ。そこで初めてレッドカーペットのことに気づいた次第。

 ということで、レッドカーペットの周辺を。

videocrew.jpg
 待ち構える放送関連の報道陣、といっても最近の機材は素人の使うビデオカメラと同じなので、あまり報道陣としての凄みがないですよね。私の推測では、雰囲気からこの人たちの多くは香港のマスメディアではないかなと勝手に推測。(間違ってたらすんません)


shakehand.jpg
 ルイス・クーを迎える、映画祭主催者である駐東京経済貿易代表部の首席代表ジェニー・チョックさん。ルイス・クーの顔の色の黒さが際立ってました(笑)。


triangle-dc.jpg
 オープニング上映の『鐵三角』の監督たち。左からジョニートー監督、ルイス・クーをはさんでその右がツイ・ハーク監督、そしてリンゴ・ラム監督。リンゴ・ラム監督って、いままで写真なども注意して見たことがなかったのですが、なんだか私はもっと若い雰囲気の方かとイメージしていました。真面目なお役人風の感じなのが意外でした(あ、monicalさんもブログで「どこかの企業の重役さんみたいでした」って書かれている(笑))。そうかあ、この人がジャン・クロード・バン・ダムにさんざんに苦労させられた監督かあ……。お疲れさまでした。私はジャン・クロード・バン・ダムがあんまり好きじゃありません。


louis.jpg
 ファンに向かって手をふるルイス・クー。

nicholas.jpg
 先陣の『鐵三角』の面々と同じく 『男兒本色』組も、泣く子も黙るアメリカのオフロード車ハマーのストレッチリムジン改造車に乗って会場入り。黄色い矢印がニコラス・ツェー。周辺の様子を撮ろうと広角レンズに交換したのでニコラスが小さくなってしまいました(笑)。


fan.jpg
 ドアの向こうに見えなくなるまでファンのカメラは監督とスターを追います。腕を持ち上げデジカメや携帯電話を頭の上にかかげて写真を撮る様子は、撮影にファインダーというものを覗く必要がなくなった現代ならではの風景ですね。


hall.jpg
 会場のオーチャードホール。2階席から撮影。3階席まであります。17mmの超広角で撮ったので、実際よりスクリーンが遠くに見えます。実際はもっと近い。でも、私はゆったり観られる2階席よりも、観づらくてもいいからスクリーンまん前の前から5列目あたりの方が好きです。たとえ舞台挨拶がなくても。次回はプレリザーブでスクリーンに近い席を狙おうと決意。
 オーチャードホールは、本来はコンサートホールなので、映画を観る環境としてはベストではないですが、でも、たくさんの人々が一緒になって映画を観る会場としては得がたいものがあります。総座席数2150ですが、一部画面が切れてしまって見えない席があるので、それらの席は使用しません。
 座席はシネコンなどに比べたらかなり貧弱。長時間座るのはキツイです。昔の香港の大映画館を思い出します。

 ということで、23日の香港映画祭初日、たまたま仕方なく早く行ったら見られたレッドカーペットの周辺レポートでした。本筋レポートは冒頭でリンクを張りましたmonicalさんのブログやエキスパートの方々のブログに行ってみてくださいませ。

 また映画祭レポートの本筋からはずれますけど……。

 初日のレッドカーペットは、私も期せずして現場にいましたが、香港のマスコミ関係者には、こんなことがあったそうです。

 「香港映画祭でメディア、美形の高官をスターと勘違い」(中国情報局)
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=1024&f=entertainment_1024_007.shtml

 たしかに、この女性はキラキラしていました。一番最初にレッドカーペットをこの女性が歩かれたとき、いまどきで言うところの、いかにもセレブな感じがしました。「パーティ慣れ」しているというか、身のこなしが堂々としてしなやかというか、いかにも「豊かな」感じがする女性に見えました。

 私は、その顔立ちから、「香港セレブだな」と思ったのですが、この記事によれば香港の取材陣は取材陣で 「日本のスターだ」 だと思ったようですね。つまり、あそこの現場にいた我々一般日本人にとっても香港マスコミ陣にとっても(そして日本の取材陣にとっても?)、彼女は謎の女性だったということなのかな?

 正直なことを言うと、そのとき、私は、彼女のことを、私だけが知らない香港の有名人かなにかと思い、少しだけですが、なんかこう「取り残された」気持ちがしてました。私はてっきりストロボをたいていたのが日本の一般紙とか経済誌のカメラだと思ってました。でも記事のいうとおりなら、ストロボの主は香港マスコミだったんですね。

 でも、とにかくレッドカーペットにしょっぱなに現れた人に対して、バシバシとストロボがたかれたので、映画祭の始まりとしては、かなりいい景気づけになってたことは確かです(笑)。

 あとでこの謎の女性だった、ジェニー・チョックさんという方が、オープニングセレモニーの口火を切って一番最初に舞台に登場してスピーチしたので、へえーっ! でした。彼女は駐東京経済貿易代表部の首席代表だそうです。流暢な英語がキマってました。

 ジェニー・チョック氏

 ところで、『天堂口』ほか各作品のことは、次の記事で書きます。ブログは速報性が大事なのに、これじゃあ遅すぎますけど。 なに、結局、私が書く内容はやっぱり本筋からはずれると思いますので、記事の早い遅いはあまり気にしておりませぬ……。

 追記:この記事、一番下にある理由で修正しました。

 香港映画祭とは関係ないですが。(映画祭レポートその3は次回にします)
 
 きのう書いた「香港のスピルバーグ」のことで、思い出しました。これに似た形容の仕方で「次の○○」というのがありますよね。「香港の…」が所属場所の違う人物を入れての形容なら、「次の…」は時代の違う人物や前任者を入れての形容です。(似たものに「第二の…」とか「平成の…」など)

 で、ちょっと記憶がうろ覚えなのですが、何年か前、日本のテレビで、ニコラス・ツェーのことをやっていました。その番組内でのことです。2004年版の『香港国際警察』の宣伝がらみだったかな。いやもっと前の『ジェネックス・コップ』の特集だったような気もします。

 その番組は、ニコラス・ツェーの実力の高さを紹介する意図で、ニコラスのことを語るジャッキー・チェンのインタビューVTRを流しました。ジャッキーはニコラス・ツェーのことを、「彼こそは香港映画界の次代を担う俳優である」と褒め称え、こう言いました。

 「ニコラス、彼は次のジャッキー・チェンになるよ」

 私はジャッキーの偉大さはもちろん認めますが、でもテレビを見ていて「ウーン、本人が自分の名前を使って褒め称えるのか…。さすがはジャッキー御大だ」とちょっとジャッキーの言い方に微妙なものを感じました。(まあ、言ってしまうと、少々鼻についたのです)

 そしたら、ニコラス・ツェーは、その自分を褒め称えるジャッキーのVTRを見て、こう言ってのけました。

 「僕は、次のジャッキーではなく、ニコラス・ツェーです」

 私は、「この青年、たいした自信家だけど、こりゃ大物になるな」と思いました(笑)。

 ニコラス・ツェーはこういう形容に対して反発を感じて 「俺は俺だ」 と口に堂々と出した少ない例だと思います。

 こういう「香港の○○」とか「次の○○」という形容に対して、ヘタに反発して否定したら、屈辱的になってしまうので本人は口に出さないことが多いと思います。あるいは大人の対応をして「不問に付す」とか。しかしニコラス・ツェーの場合は違った。これは、当然本人の性格もあると思うけど、もしかしたら、名実ともにそれこそ明確にかけ離れた位置にいた超御大のジャッキーの名前だったからこそ、逆に屈辱を伴わずに口に出して反発できたのかもしれませんね。

 でも、そうは言っても御大による、自分に向けられたある意味「最大の褒め言葉」だったのに、それを切り捨てて否定するなんて、ニコラス君、キミは大物だ!

 小ネタでした。

 (追記:今記事中の「次のジャッキー・チェン」の「次の」の部分、当初は「第二の」だという記憶で記事を書いてアップしましたが、記憶をさらによみがえらせて、おそらく実際は「次の」だったはず、ということで、修正しました。もし、正しいところをご存知の方はお教えください(汗)。)

 「香港映画祭レポートというか雑感 その2」として、またカウンターから書かせていただきます。このままでいくと個々の作品についての感想にいつ行けるかわかりませんが。

 tera-chanさんのブログ「我愛香港電影」を拝見して知ったんですが、きのう、東京国際女性映画祭で、『女人本色』というジジ・リョン主演の映画もやってたんですね。東京国際女性映画祭は、香港映画祭と同じく東京国際映画祭との提携企画らしいですが、私はまったくのノーマークでした。ノンキなもんです。すでに本祭と同じく20回を数える映画祭です。

 観ていないから、逃した魚だから余計に思うのですが、この『女人本色』、観たかった……。

 というのは、今回、香港映画祭で4本の作品を観終わって、きのう、ふと思ったのですが、結局、4本のうち3本が拳銃ドンパチの映画だったな~ということです。

 だから『女人本色』みたいな作品もラインナップにあったならな、と。あるいは、なんか、私がかつての香港映画に固執しているのかもしれませんが、『食神』みたいな、オーチャードホールの大会場でみんなが大爆笑できるような喜劇作品も、今回の香港映画祭で1本あれば良かったのになあ、と思ったのでした。出品に適当な1本がなかったのかもしれませんが。

 きのう香港映画祭の『天堂口』を観たのですが、そのことは、また次回に書きます。多分、また本筋からははずれるとは思いますけど。

 時系列でもなんでもなく、気がついたことを書きます。一発目なのに映画祭の本筋には直接関係ないことですが。

 初日のオープニングセレモニーのことです。

 司会者の方が舞台にひとりひとり登場するゲストを紹介するとき、ツイ・ハーク氏を 「香港のスピルバーグとも言われている、ツイ・ハークさんです!」 と紹介したのには、私はかなり違和感を覚えました。

 当のスピルバーグが現在、かつてのステイタスやポジションにいないこともありますが、それはともかく、だいたい人を紹介するときに、こういう形容でやるのは、どんなものかと思うのです。ツイ・ハーク氏自身は、屁とも思ってないかもしれないけど。

 こういう形容での紹介には、言うまでもないですが、暗黙の共通認識があります。「香港のスピルバーグ」などというときの、「香港の××」「日本の××」の「××」の部分に入るのは、紹介する人物と比較して、「明確にかけ離れて高いところに位置している人物」であることが前提となりますよね。

 今回の場合、「香港のスピルバーグ」と紹介するからには、紹介する側の意識として、「ハリウッドの世界的大御所のスピルバーグ」>「香港ローカルで大御所のツイ・ハーク」、という図式があったと思います。

 その意識は別に問題ないし、OKなのですが、事実として「スピルバーグ」がツイ・ハークの位置から完全にかけ離れて高いところに位置していなければ、「香港のスピルバーグ」という紹介の仕方は、ツイ・ハークに対してとんでもなく失礼になってしまいます。

 たしかに、かつて、ツイ・ハークは 「香港のスピルバーグ」 という言い方で形容されていました。本人もまだまだ新進気鋭のころだったでしょうし、当時のスピルバーグは絶大な人気と圧倒的な商業映画を創る力を持っていたから、比較されるツイ・ハーク本人もそれを良しとしていたかもしれません。

 しかし、すでに30年近いキャリアを持つベテラン監督・製作者になっているツイ・ハークをつかまえて「香港のスピルバーグ」って、アンタそりゃないだろうって思います。そもそも、「スピルバーグ」という名前を使って「○○のスピルバーグ」というのは死語に近いのでは?(そういえば、かつて日本の大森一樹監督が「日本のスピルバーグ」と言われていました…。)

 こういう紹介をするときは、司会者(が話す原稿を書いた人)には、ゲストを称える意図があるのでしょうが、しかし、紹介された当人にはいい迷惑なのではないか。たとえば市井の私が取るに足らない自主映画を撮り、その出来がたまたま素人の世界で良い評価を受け、舞台挨拶で 「自主映画界のスピルバーグ、学芸員Kさんです!」と紹介されるのとは訳が違うのですから。

 かつて、これも香港映画でしたが東京ファンタスティック映画祭で、舞台挨拶のため来日したゲストのロレッタ・リーを紹介するとき、司会者が「香港の薬師丸ひろ子ともいわれる、ロレッタ・リーさんです!」と言ってました。ロレッタ・リーはこう紹介されてどう思ったのか。これなんかホスト国である日本の司会者が 「わが国日本の芸能人」 の方を高みに置くという図式なので、余計に始末が悪い。だってもし、日本の女優○○さんがアメリカの映画祭にゲストで呼ばれて、舞台挨拶でアメリカ人の司会者に「日本のキャメロン・ディアス、○○さんです!」とやられたら、あまりイイ気がしないと思うもん。

 以前、クイズ番組で司会の関口宏が、京大の学生チームに対して、「西の東大、京大ですね!」という、アチャーなことを言ったら、京大生が「いえ、京大は、西の東大ではなく、京大です」と、言ってました。つまり、紹介された側は時と場合と形容の仕方(たとえで持ち出す人物・事物のレベル)によっては、そういう反発を感じるのではないでしょうか。

 私はスピルバーグの映画が好きですし、『未知との遭遇』の歴代編集バージョンDVDセットも欲しいし、『E.T.』は泣きました。でもいまさらツイ・ハークの紹介で 「香港のスピルバーグ」 はないです。

 しかし、ネットで検索してみたら、私がよく行くウィキペディアはじめいろんなサイトで、ツイ・ハークのことを「香港のスピルバーグと呼ばれている」と今でも現在形で紹介しているものが多いんですよね。

 ウーン。私だけなんでしょうか。違和感を持っているのは……。

 私は、アメリカ映画に対抗してことさらに香港映画を持ち上げるつもりはないのです。でも、国際映画祭という場で、海外からのゲストを迎えてホストを務める司会者のアナウンスの原稿内容は、私はやはりもうちょっと表現に慎重なほうがいいと思います。

 映画祭の本筋とは関係ありませんが、少し突っ込まさせていただきました。

 本来は、きょうの記事は、きのう書けなかった香港映画祭のオープニングセレモニーや、上映された映画 『鐵三角』 の感想を書こうと思っていたのですが、きょう、思わぬハプニングがあったので、そのことを。

 タイトルにあるとおり、ツイ・ハーク氏に会ってしまいました。

 きょうの香港映画祭の上映は午後3時の『父子』です(そのあとが 『男兒本色』)。用事があって時間ギリギリになったので、足早に会場のオーチャードホールに向かって、渋谷109の横、文化村通りをズンズン歩いていたら、雑踏の前方に、銀髪&サングラスの人が……。

 最初は 「似た人」 だと思って私はさらに会場に向かってズンズン歩いていきましたが、この人物とすれ違うころには 「ああ、こりゃ多分、ツイ・ハークだ!」 と心の中で叫びました。

 すれ違って私は10メートルほど進んでしまいました。で、背中にツイ・ハーク氏がいることをドキドキ意識しながらもそのまま行ってしまおうかと思ったのですが、ここで私の心は自分が渋谷にいることを忘れ、「香港モード」にカチッとスイッチが入ってしまいました。「このまま行ってしまったら、後悔する…」。

 香港モードとは、「香港の街中で有名人に遭遇したら、躊躇せず前に進んで、サインをもらって写真をお願いする」ことです。これは、結果としては啓徳空港で見かけたとき怖そうだったので足が前に進まなかったアンソニー・ウォンさん以外には実行してきました。

 私は意を決してくるりと回れ右して、その銀髪&サングラスの人物に向かってズンズン進みました。

 すると、5メートル手前くらいで、銀髪&サングラスの人は、私の顔を見て、「ウン?」―――「あ、ファンかな?」という感じ。私の勝手な推測ですけど―――と微笑んでくれたので、私は、「ああ、こりゃホンモノのツイ・ハークだ!」と確信して、彼の前に進み、ここで私の心は香港にいるモードに完全に入って、

 「すみません、ツイ・ハークさんですか?」

 と、聞くと、

 「YES!」

 とのことでした(!)。で、この写真。OKをいただいたので撮影させていただきました。ツイ・ハークさん、プライベートの時間にスミマセン!

mr-tsuihark.jpg

 で、握手してサインしてもらいました。
 紙がなかったので、きょう上映される2本 『父子』 と 『男兒本色』 の合間に時間つぶしで読むために持参していた本のカバーに。ジュンク堂書店のカバーです。

sign.jpg
 私は、ツイ・ハーク氏にお礼をして会場に向かったのでした。

 で、下は香港映画祭会場のオーチャードホールのロビーにある、サインの書かれたパネルです。昨日のレッドカーペットでゲストの面々が書いたサインがここにあります。私は、あらためて、昨日ツイ・ハーク氏が書いたサインがどこにあるか探しました。すると……。

bord.jpg

 あ、サインの筆跡が一致した! やっぱり、さっきの銀髪&サングラスの人は、ホンモノのツイ・ハーク氏だったんだ。いや、実は、さっきの銀髪サングラスの人が99%ホンモノのツイ・ハークだと思っていたのですが、サングラスだったので、一抹の不安があったのです。でも、一致した~! これ、一致してますよね?(笑)

sign-match.jpg

 香港映画祭については、以前の記事ですでに書いたように、オープニングセレモニーの舞台挨拶で生ツイ・ハークのお顔を拝見することが、私の今回の一番の期待でした。きのう、それは遠く2階席からでしたが実現できました。が、まさかあくる日、街中でじかにツイ・ハーク氏とお会いできるとは思ってもみませんでした。

 遭遇したとき、彼の横に広東語を話す方が何人かいらっしゃったのですが、その雰囲気から、お仲間と渋谷の街中を散策していたような感じでした。

 いやー、でも、まさか御大と街中で遭遇するとは思ってもみなかったので、さすがに足が震えました。

 香港映画祭から今帰ってきました。

 渋谷に着いて時間があったので、会場近くのブックファーストに行って時間をつぶそうとしたら、閉店していてびっくりしましたが、仕方ないので会場のオーチャードホールに行きますと、「入り待ち」のファンがすでに多数いて、またびっくり。

 やがて、ファンが待つなか、ハマーのリムジン(!)が到着。ツイ・ハーク、リンゴ・ラム、ジョニー・トー監督、そしてルイス・クー、ニコラス・ツェーの面々が登場しました。

 ……これから夕食なので、以降は、また書きます。スミマセン!

triangle.jpg

 香港映画祭で上映される『鐵三角』関連の記事です。

 中国情報局

 私は個人的には舞台挨拶で生ツイ・ハークを見られるのが楽しみです。だけど、私の席はムチャクチャ舞台から離れている! カメラの望遠レンズ越しに御大のお姿を拝もうと思います。

 ヤフオクを見たら、このチケットが5600円で落とされていたのでビックリしました。チケットぴあで、プレリザーブでメアド変えて良い席を10枚ゲットできたとしたら、これはいいカネになりますなあ。でもこれって、ダフ屋の違法行為かな??

 ウィキペディアで「ダフ屋」を見たら(最近こればっかり)、転売目的で買うこと、公の場所で売ること、のいずれかが該当すればダフ屋行為にあたるいうことです。ヤフオクは 「公の場所」 になるんでしょうか? ネット社会に則した法整備が急がれます。(と、ワイドショーの中盤でやるニュースの気のないアナウンス口調で)

runrunshaw.jpg

 ショウブラザース創設者にして、香港TVBオーナー会長、邵逸夫(ランラン・ショウ)が、まもなく満100歳を迎えるということです。

 http://eiga.com/buzz/show/8970

 へーっ!!

 先日の記事でも書きましたが、同氏は、アメリカ映画 『ブレードランナー』(1982年) の出資者でもあります。

 おととい、昔の東宝東和の宣伝に関することにちょっと触れてみて、思い出したことを書きます。

 これは東宝東和だったかどうかも記憶にないし、香港映画のどんな作品だったか忘れましたが、1980年代の半ば、ある香港映画の日本での宣伝の文章で、こんな感じのがありました。

 「この映画は、地元香港では、ハリウッド映画 『○○○○』 を抜くヒットを飛ばしている」

 みたいなことが書いてありました。○○○○が何の映画だったかは忘れました。

 「香港で1位を獲得した」、というのではなくて、単に「ハリウッド映画を抜いた」という現地香港での興行成績をアピールして宣伝材料としています。

 でも、当時の香港では、香港人はアメリカ映画の大作よりも香港映画の、それも2週間で入れ替わるような普通の映画のほうを選んで観ることなんて、珍しいことではなかったと思います。だから当時は香港映画がハリウッド映画の興行成績を凌駕するなんて驚くことではなかったと考えられます。

 もしかしたら、当のその香港映画以外にも、同時期に上映している多数の香港映画が、そのハリウッド映画の「○○○○」を抜いていたということも十分あり得たのでした。

 思い出したので書きました。

 あー、でも、つくづく想う、あのころ。香港映画黄金時代。

 当たり前だけど、当時、「今が香港映画の黄金時代だ!」なんて、その時代の渦中にいるときは、思わなかった。黄金時代というのは、どんなことでもそうですが、過ぎ去ってから「あのときが黄金時代だった」と気づくものですもんね。景気とかといっしょ。韓国映画だって、いまがピークの黄金時代かもしれないし、この先もっと発展するかもしれないし、ちょっと好調らしい日本映画は実は今が第二の黄金時代かもしれない。この点で黄金時代というのは青春時代より、より不確かなものですね。

eigasai2007.jpg
 第20回東京国際映画祭の提携企画として開催される「香港映画祭」の一般チケット販売がきょうの午前10時から開始されたので、チケットぴあにアクセス。

 しかし、アクセスが集中してエラー続出! なんとかならんかなあ。この状態。サーバーを強力にして解決できないんだろうか。

 実は映画祭にはここ数年無頓着で過ごしてきました。昨年は久しぶりに1本だけ予約して無事入手して行ってきたのですが、これは比較的手に入れやすい作品だったので、ネットでのチケット争奪戦の状況はよくわからず、完ぺきに浦島太郎状態です。

 何回クリックしてもエラー、を何度も繰り返し、なんとか『鐵三角』ほか4つの作品のチケットを手に入れましたが、画面に出た席の列を見たら、あまり私にとってはいい席ではなさそう。

 映画を観るときは、私はなるべくスクリーンに近いほうがいいと思うくちの人間なのです。ふつう、映画館では、自由席の場合、真ん中と真ん中から後ろから席が埋まっていきますけど、私のベストは前から数列目~10列目まで。大きな映画館でも、10列目より前が好きです。

 かのスピルバーグは映画を鑑賞するときは、前から5列目(曖昧です)くらいで観るのが好きだとか言ってました。スピルバーグと一緒にするのはおこがましいですが、うしろでゆったりスクリーンを眺めるよりも、前のほうでスクリーンが全視野に埋まるほうが、いいと思っています。

 ところで東京国際映画祭の本祭のほうも、きょう同じく10時に予約販売開始でしたよね。でも、私は完全に忘れていてノーマーク。こちらの香港映画2本はチケット入手にチャレンジすることもなく逃しました。ノンキでなもんです。

 香港映画祭は、会場が座席数2150の大きなオーチャードホールのためか、まだチケットに余裕がありそうな感じです。(じゃあ、けさのあのサクセスの混雑は何?)

 香港映画祭
 http://www.int-acc.or.jp/hkff/

 東京国際映画祭
 http://www.tiff-jp.net/ja/
 
 電子チケットぴあ

 13日は、11月に行われる中国映画祭のチケットが販売されます。香港映画も出品されますが、これはスルーかなあ、どうしよう……。

 以前、ちょっとだけ紹介した夏休み映画の 『電影版 獣拳戦隊ゲキレンジャー ネイネイ!ホウホウ!香港大決戦』。現在テレビ朝日で放映中の戦隊シリーズ 『ゲキレンジャー』の劇場映画版です。香港を舞台にしていいます。

 夏休み、タダ券も手に入ったので息子を連れて行こうかと思いましたが、結局私は行かず、カミさんが行きました。面白かったそうです。

 で、それはもう1ヶ月以上も前のことなんですが、きのう、ネットでこんなことを知りました。

 この映画は東映の作品です。ですが、映画の冒頭、東映の三角マークが出てくるとき、バックにダンダンダンダンの、ゴールデンハーベストのオープニングの曲をパロディにした音楽が流れるというではありませんか!

 カミさんに聞いたら、「そうだったかなあ」と記憶にないそうです。

 この映画、観た方はいますか? なんか本編中にもものすごいマニアックな70年代香港映画の数々のパロディが出てくるらしいですが、本当なんでしょうか? もうこれは対象観客の子どもどころか、保護者の観客も無視してます(笑)。『帰ってきたドラゴン』のパロディもあるといいますが、いまどきそんなパロディされても私ももうわかりません。観客のいったい何人がこれらのネタ元を知っているというのだろう。

 映画館に行って観て狂喜でのけぞりたかったですが、それはもうできませんので、DVD発売あるいはレンタルまで待つことにします。

policestory-vhs.jpg
 妻に頼んでヤフオクで落としてもらった 『ポリスストーリー/香港国際警察』(原題:警察故事/1985年)のポニー版VHSビデオが届きました。

 この映画には編集違いのバージョンがあります。

 「『ポリス・ストーリー/香港国際警察』 ウィキペデイア」

 複数のバージョンを観た方は同じ感想を持っているのでは、と思いますが、私が今まで観た中では、一番最初に日本の映画館で観たバージョンがもっとも良いと思っています。このバージョンは現在売られているDVDには収録されておらず、絶版になっているポニー版のVHSビデオにしか入っていないらしいです。

 私が香港で買ったVCDは香港公開版なのだと思いますが、オープニングもエンディングもどちらも唐突な展開で、ガッカリしました。テレビで以前英語版をやったのを観ましたが、それもこの香港公開版と同じ編集バージョンのようでした。

 ということで、これまで街で中古ビデオ屋さんを見かけると、このポニー版のVHSがないかとたまにチェックしてました。が、なかなか見つからないので、今回ヤフオクで手に入れた次第。200円で落とせました。ただし送料が340円です。

 パッケージのプラスチックケースはサイズ違いですが新品のものに交換されていて、ジャケットもキレイで背の部分の日焼けもまったくなくラッキーでした。さっそくHDDにダビングしながら中身をチェックしましたが、ノイズもほとんど皆無に近く、良かったです。

 いやー、でも、ひさしぶりに見ましたが、ビデオテープの画像って、こんなに粗かったとは…。もちろんレンタル落ちの中古なのですが、ビデオ本体の透明窓のツヤから推測するに、そんなに回数多くレンタルされた感じでもないのです。DVDに見慣れてしまった目から見ると、VHSビデオの画像の粗さを感じました。

 ところで、この映画の日本公開版ですが、これって、当時、日本の劇場公開にあたって、配給の東宝東和がゴールデンハーベストに冒頭の編集を変えさせたんでしょうか。と、いうのは日本公開版は、当時「アイドル」であったジャッキー・チェンの歌が冒頭に入ってたしかに「豪華」なのですが、タイトルバックの絵柄が単に香港の街並みを撮ったもので、それはそれでありあわせの簡素な雰囲気なので。そこらへんの事情をご存じの方、いますか?

 この 『ポリス・ストーリー/香港国際警察』、私はジャッキー・チェンの映画の中では 『プロジェクトA』 に並ぶ傑作だと思います。

 またYouTubeから。最近いろいろ検索してみたので。で、こんなもの見つけました。

 香港の映画会社のオープニングトタイトル集! どっひゃ~!
 延々とオープニングタイトル(正しくは 「映画会社のクレジットタイトル」?)だけが流れます。
 長いので覚悟してください(笑)。

 Hong Kong Movie Studios Idents Part One (10分22秒)

 Hong Kong Movie Studios Idents Part Two (6分06秒)

 Hong Kong Movie Studios Idents Part Three (5分58秒)

 香港映画ファンなら誰もが知っているあの有名なものから、あ、そういえばこんなやつもあったなあと思い出す、香港映画黄金時代のなつかしい製作会社のものまで、オンパレード!

 かつて私は、香港映画のビデオを借りてきては家でダビングしていましたが、本編とは別に、わずか10社くらいですが、各映画会社のオープニングだけをつなげてオープニングタイトル集を作ったことがあります。私はオープニングタイトル・フェチなので(笑)。

 香港映画じゃないけど、映画館に行って観る、封切りの『スターウォーズ』シリーズは、最初の20世紀フォックスのファンファーレの鳴るオープニングとジョン・ウィリアムスのメインテーマが流れる場面を見終わった段階で、気持ちとしてはこの作品の映画鑑賞の8割がそこで終わっています。私の場合。それだけ私にとっては映画会社(配給会社・製作会社)のオープニングタイトルは大切です。

 それにしても世の中にはマニアックなことをするひとがいるもんですね。

 ちなみに、PART3には、9月16日の記事で紹介したゴールデンハーベストの古いオープニングとはまた別の、黒バックに白い旧ロゴが出てくる、30年前のゴールデンハーベストの旧タイトルも出てきて涙モノです。

 いまのところPART3まであって、PART3の最後で、「4 はまもなく…」と出てきます。検索してみたところ、まだアップされてないようです。

 ちなみに私の好きなオープニングタイトルは、「ゴールデンハーベスト」や「ショウブラザース」は別格として殿堂入りさせておくとして、それ以外では、「BOB」です。あの掛け声のようなタイトルコールが泥臭くてイイ味わいがあります。映画 『古惑仔』でもおなじみのものです。

 「ダンダンダンダン タタタタ~タ~タラ~ターン!」、が、私たちにとってもっとも慣れ親しんだゴールデンハーベスト(嘉禾)映画のオープニングタイトルでしたが、それより以前はこんなオープニングでした。

 YouTubeにアップされていました。
 「Golde Harvest Logo (1972)」
 http://jp.youtube.com/watch?v=wITV1hBszis&mode=related&search=

 バックにあるのは麦畑か? 「ゴールデンハーベスト」を、表しているんですね。

 以前、このオープニングが、テレビで放送されたブルース・リーの 『ドラゴン怒りの鉄拳』(1972年)の冒頭で流れたことを覚えています。このYouTubeの映像もこの映画の冒頭のものかもしれません。(ちなみにこの 『ドラゴン怒りの鉄拳』 には、また別のオープニング・バージョンもあり、冒頭で真っ黒な画面にアニメーションで「GH」のロゴが出てくるものもあります)

 一方、こちらが私たちがいちばん慣れ親しんできた、ダンダンダンダンのオープニング。80年代の香港映画黄金時代を象徴するオープニングでもあります。香港映画ファンでなくても、当時の一連のジャッキー・チェン映画をつうじてこの「ダンダンダンダン」を見た人は多かったと思います。
 http://jp.youtube.com/watch?v=18uxxNNDNiE

 そして英語版のフィルムで流れるオープニング。漢字の 「嘉 禾」 が取れています。私の見たなかでは、ジャッキー・チェン主演の 『プロテクター』や、彼のハリウッド進出第1作にして失敗作と本人も認める『バトルクリーク・ブロー』 、英語版が日本劇場公開となった 『サンダーアーム』 などのオープニングで、この漢字ロゴなしバージョンが流れました。
http://jp.youtube.com/watch?v=XIpzw84QvG8&mode=related&search=

 これが現行のオープニング。と、いっても現在ゴールデンハーベストは映画制作はやっていないので、一部の配給作品の冒頭で流れます。(ただし、私の見た経験では同じ配給作品でもゴールデンハーベスト院線じゃない映画館ではこのオープニングが流れない場合もあるようです)
 http://jp.youtube.com/watch?v=Ebbro7DMXOE&mode=related&search=

 オマケ。こちらは、ゴールデンハーベストが一世を風靡する前の香港映画界の盟主、ショウブラザース(邵氏兄弟)のオープニング。ゴールデンハーベストの社長、レイモンド・チョウは、もとはこのショウブラザースの制作部長でした。
 http://jp.youtube.com/watch?v=IVEWGINMtHc

 ショウブラザースのオープニングのファンファーレは、アメリカの20世紀FOXのオープニングと似ています。そして会社のロゴマーク 「SB」 はワーナーブラザースの 「WB」 のそれとソックリ。ちなみにショウブラザースのオーナー、邵逸夫(ランラン・ショウ)は、香港のテレビ局、TVBのオーナーでもあります。以前、中文大学に行ったら、彼の名前の付いた校舎があって、へーっと思いました。寄付したんですね。香港城市大学にも彼の寄付による図書館があります。中国本土のいくつもの大学にも彼の寄付による建物があるようです。

 そしてこちらが、香港映画オタクのタランティーノが、自分の映画 『キル・ビル』 (2003年アメリカ)の冒頭でそのまんま使ったショウブラザースのオープニング。思わずのけぞります(笑)。『キル・ビル』 の本編とはまったく関係ないのに、こんなものを入れてしまったタランティーノのオタク度の高さに脱帽です。
 http://jp.youtube.com/watch?v=EaWHPn-x4Gs

 昔の映画のオープニングはベタベタでコッテコテだけど、味わいがありますね。

magicgourd.jpg

 HongKong Addict Blogで、『魔法小葫蘆』という映画が紹介されていました。いま、JP銅鑼灣、GH旺角、元朗戲院ほか香港の映画館でやってます。予告編を見てみたら、けっこう楽しそうです。

 ●公式サイト http://www.disney.com.hk/magicgourd/
 <トップページの右にある「睇片」をクリックすると広東語版の予告編が見られます>

 ディズニーと香港のCG会社、そして中国の映画会社の3者による合作。香港のCG会社はあの 『少林サッカー』 で名を馳せたセントロです。

 まず、こんな合作の「ディズニー作品」というのがあるのが驚き。ほかにもこういう他国との合作の、知られていないディズニー映画があるんでしょうか。

 実写とCGアニメの合成で、ジジ・リョンが出演。広東語バージョンではラウ・チンワンが声をやってます。

 香港の映画館で、香港のお子達の笑い声の中でこの映画を観てみたかったな~。きっと幸せな気分になれたことでしょう。日本での公開予定はなさそうとのことですけど、DVDが出たら息子と観てみようっと。

 ちなみに中国本土では6月にすでに公開済み。タイトルは香港とは違って『宝葫芦的秘密』です。興味ある方は検索してみてください。

 ●中国本土での公式サイト http://www.disney.com.cn/hulumimi/index.html
 <こちらでは國語版の予告編が見られます。(うまく再生できないかもしれません。画像が粗いですがこちらのブログでも見られます。)>

『魔法小葫蘆』関連
YouTube『魔法小葫蘆』関連

 ※この記事は香港映画『I'll Call You』(中文原題 『得閒飲茶』)のお笑いのシーンのネタバレを含んでいます。この映画は日本でもDVDでリリースされるかもしれません。まだご覧になっていない方で、素の状態でこの映画をご覧になりたい方は、この記事を読むのを控えたほうがいいかもしれません。

 10月26日の記事 「映画祭 『I'll Call You』 ティーチ・インでラム・ジーチョン監督に直撃質問をしました!!」 の 「続報」 です。

 26日の記事の最後で書いたように、10月24日に行われた第19回東京国際映画祭出品作品 『I'll Call You』 の第1回目のティーチ・インで、監督のラム・ジーチョンが質問に答える形でこう語りました。
  「この映画で流れる演歌は、歌手がうたっているのはなくて、実は私の友人の、映画製作配給会社ギャガコミュニケーションズの社員の方がうたいました」。
 半年前の3月に、学芸員Kは香港に行ってこの映画をすでに観ていました。その際、現地の新聞に載った同映画の広告から、その人の名前を把握していました。その方の名は、「阪井洋一」さんです。この人が歌手ではなくて、ギャガの社員だということを、今回のティーチ・インでのラム監督の言葉で学芸員Kは初めて知りました。

 この「阪井洋一」さんの名は、映画のエンドロールでもしっかりクレジットされています。今回の映画祭でも見ました。しかし今それは確認しようがありません。そこで、手元にとってある新聞、「蘋果日報 」 3月17日付の 『I'll Call You』(『得閒飲茶』)の一面広告を再び見てみると―――

IllCallYou-ad.jpg

 青い矢印のところにキャスト、スタッフがクレジットされています。アップして見てみると―――

mister-sakai.jpg

 いちばん右、「主唱:阪井洋一」となっています。で、今回もう一度よく見たら、作詞にもこの「阪井洋一」氏が名を連ねているではありませんか。この映画のために作詞された曲なのか? 曲のタイトルは 『死狗』 。「死の犬」って、すごい題名(笑)。負け犬ってこと? それとよく見たら、この曲、挿入曲じゃなくて「主題曲」ってクレジットされています!

 作曲/編曲は「黄英華」となっています。なんとなくペンネームっぽい名前ですが、この人が日本人ではなく、香港人、あるいは中国人など日本人以外であるならば、つまりこの曲 『死狗』 は 「異国人のイメージにより作曲された日本演歌」 ということになります。

 そういえばラム監督が、24日の第1回目のティーチ・インで、「ギャガのサカイさんに電話して、歌ってくださいとお願いしたら二つ返事で 『いいよ』 と言ってくれました」 と語った際、たしか 「この映画のためにこの曲を作りました」 とも言ってました。だからこの演歌 『死狗』 は、『I'll Call You』 のためのオリジナル曲なのでしょう。

 さて、阪井洋一さんのことが知りたくなり、試しに「ギャガ 阪井洋一」で検索してみました。すると出てきました。ところが、たどっていくと、「阪井洋一」さんではなくすべて「坂井洋一」さんとなっています。

 坂井洋一さんは、ギャガコミュニケーションズで映画 『平成刺客伝 鉄』の製作や、映画『 19 (ナインティーン)』の企画、映画『DRUG GARDEN』の音楽プロデューサーをしたりしている方です。

 検索してわかったのは、「阪井洋一」さんは、実際は「坂井洋一」さんという お名前の方ではないかということです。学芸員Kの勝手な推測ですが、おそらく、検索で出たギャガの「坂井洋一」さんと、『I'll Call You』でクレジットされラム監督が語るギャガの「阪井洋一」さんは、同一人物ではないかと思われます(もし別人物だったらこのブログ記事は意味がなくなり撃沈します(笑) )。

 では、どうして 『I'll Call You』 の新聞広告では「坂井」でなくて「阪井」になっているのか?  「阪井」が今回限りの芸名や雅号みたいなもなのとも考えられますが、あるいは、ひょっとしたら単純に香港のスタッフが字を間違えたのかもしれません。香港映画のスタッフロールでのそういう表記ミスは、過去に見たことがあります。または、当然ですが、広告だけにこの誤字があったのかもしれません。映画本編でのエンドロールが「阪井」さんだったのか「坂井」さんかだったのかは、今、確認できません。(ここでは、以下とりあえず「阪井洋一」さんでいくことにします)

 ギャガは以前より香港映画とは関係が深く、最近では 『頭文字D』 なども配給/提供しています。そして、ズバリ、あの 『少林サッカー』 はギャガの配給です。この映画に出演したラム・ジーチョンとギャガの阪井洋一さんは、『少林サッカー』 の仕事を通じて出会ったのだと思われます。

 で、ここからは、学芸員Kの完全なる妄想。

 2002年、『少林サッカー』の日本での劇場公開の仕事で、出演のラム・ジーチョンさんと配給会社ギャガの阪井洋一さんが、出会った。

 2002年春、東京。 『少林サッカー』の日本でのプロモーション活動が成功のもと無事終了したある日。ギャガ側から 「じゃあ、今夜は食事でもどうですか。用意させていただきました。ドカンと打ち上げといきましょう」 とごく当然のお誘いがあった。そしてチャウ・シンチーら香港側メンバーと阪井さんほかギャガのスタッフが集まってみんなで繰り出し、楽しい食事でおおいに盛り上がり、そして場所を移して3軒目くらいでカラオケボックスかクラブ(平坦に発音するいまどきのクラブではなくて従来のクラブ)へ。いずれにしてもカラオケのできるお店。

 なぜか最初のお店から波長が合って意気投合したラム・ジーチョンさんと阪井さん、並んで席に着く。盛り上がる香港と日本のスタッフ、キャストの会話が飛び交うなか―――

阪井さん 「ラムさん、なにか歌われますか?」
ラムさん 「いやあ、ここは日本ですから、まずはサカイさんの方からどうぞどうぞ!」
阪井さん 「じゃあ、歓迎の気持ちを込めて。お先にいきます! サザンの『TSUNAMI 』から
      いこうかな」
ラムさん 「どうぞ!」

 阪井さん、マイク持ち熱唱。うまい。
 続いてラムさん、香港か日本の歌を気持ちよくうたう。うまいかどうかはわからない。

ラムさん 「次、サカイさん」
阪井さん 「じゃあ、こんどはひとつ日本の心、演歌うたってみようなかな」
ラムさん 「どうぞ! 私、香港でも昔から紅白歌合戦で演歌は聴いてきました!」
阪井さん 「ホント? そうなんですか! じゃあ山本譲二の 『みちのくひとり旅』 、いいですか?」

 と、阪井さん、みちのくひとり旅、大熱唱。メチャクチャうまい。
 ラムさんが演歌では森進一のファンだと言うと、阪井さんは続けて 「冬のリビエラ」 も熱唱。ラムさんも途中からいっしょに歌う。

ラムさん 「サカイさん、あなたすごい!うまい!」

 このカラオケで日港双方の人々は大いに盛り上がり、ラム・ジーチョンさんはここでギャガの阪井さんの歌のうまさを知るところとなる。

 時は流れ2005年の秋――。ラム・ジーチョンさんは初めての監督作として映画 『I'll Call You』 の企画を進めている。ある日、ふと、「このシーンでなにかパンチがほしいな。そうだ、主人公の心象をあらわすのに演歌を流したら面白いかも。......あ、思い出した、歌はギャガの阪井さんに頼めないかな。あの人メチャクチャうまかったし。引き受けてくれるだろうか」 と思い立つ。そして、デスクの受話器を取り、東京の阪井さんに国際電話。

ラムさん 「......もしもし、ラム・ジーチョンです。ご無沙汰しています!」
阪井さん 「.........あぁ! ラムさん! お久しぶりです! 香港から?」
ラムさん 「そうです! 『少林サッカー』では本当にお世話になりました。ありがとうございました。
      あの映画がきっかけで、いろんなチャンスがめぐってきた感じなんです。
      あの、実は僕、監督やることになったんです」
阪井さん 「やりましたね、そりゃ本当におめでとう!」
ラムさん 「どうもどうも! で、今、初めて監督する 『I'll Call You』 という映画の企画を進めて
      るんですけど、ストーリーは(中略)...、で、女の子にフラれた主人公がトボトボ街を
      歩くシーンがあるんですけど、そこで演歌を流したいんですよ、――― そうです、
      日本語です。それで、お願いなんですが、その演歌、もしできたらサカイさんに
      ぜひとも歌ってもらえないかなと思って......」
阪井さん 「は? 私? 私でいいんですか? やらせてください!」

 と、ティーチ・インでラム監督が語っていたように、二つ返事で阪井さんはOK。

ラムさん 「え! ありがとうございます!」
阪井さん 「曲はなんですか? なんなら私が作詞もしてみましょうか?」
ラムさん 「は? ええ、では是非! いやあ、ありがとうございます!」

 そしてのちに 『I'll Call You』 』(中文原題 『得閒飲茶』)主題曲 オリジナル演歌 『死狗』
(作曲/編曲:黄英華、作詞:謝杰 阪井洋一、主唱:阪井洋一)が誕生する。

 学芸員Kの妄想終わり。

 以上、あくまで妄想ですよ、妄想。でも、こんなエピソードに近い感じのものがあったのではないか。あるいは、もしかしたら、まず阪井さんの歌のウマさがはじめにありきで、あの演歌のシーンが発想されたのかもしれません。

 オリジナル曲でしかも「主題曲」とクレジットされるくらいだから、もし 『I'll Call You』 のサウンドトラックCDが出ていたら、メイン曲としてこの 『死狗』 が入っていたことでしょう。香港映画はサントラ盤があまり出ないですけど。

 作詞に関しては、クレジットで連名で出ている香港側の謝杰さんという人がまず映画の内容に合わせて中文で作詞してみて、それを阪井さんが日本語の演歌調にうまく翻訳、アレンジしたということなのかもしれません。

 香港映画に「日本」が出てくると、日本人の学芸員Kはすごく楽しい気分になります。香港映画に「日本」が出てくるとき、それは旧日本軍とその蛮行の場合もあり、そんなときは気分が重くなりますが、しかし、日本の文化やグルメなどが出てくるとその作品にやっぱりグッと親しみを覚えます。

 ネットで検索してみると、坂井洋一さんはなかなか活躍されている方のようで、雑誌などにも露出されています。学芸員Kは存じませんでしたが、けっこう有名な方なのかもしれません。

 なお、最後に付け加えておきますと、阪井洋一さんは、この映画では演歌の歌声だけでの出演です。画面に現れて派手なアクションで熱唱した人は、香港人と思われる別の人で、阪井洋一さんの歌声に合わせて口パクをやっています。

 きのう、六本木TOHOシネマズで行われた第19回東京国際映画祭「アジアの風」出品作品
『I'll Call You』(中文原題 『得閒飲茶』)上映に再び行き、映画終了後のティーチ・インで学芸員Kはラム・ジーチョン(林子聰)監督に質問をぶつけてみました。

 ※ここに書いてあること(<★★★>から下の文)は、映画 『I'll Call You』 の直接のストーリーのネタバレにはなっていませんが、笑いのシーンのネタバレになっていますので、この映画を素の状態でご覧になりたい人は読むのを控えたほうがいいかもしれません。

 ※ご参考に「香港なんでもケンショウ堂」の「机上のクーロン」の「アレックス・フォンという人、知ってます?」をご覧ください。(ただし上と同じ笑いのシーンのネタバレがあります)

 ※大変文が長くなり、またこの映画を観ていない方にはほとんど意味を持たない記事ですが、自分のための記録の意味もあって書きましたのでご了承ください。

IllCallYou-poster.jpg
     【上映映画館入り口にあった英文ポスター】
     「アレックス・フォンという人、知ってます?」にこのポスターと
     同じ写真を使った中文版の新聞広告を載せています。
     (このポスターの写真、一見すると何か神経質そうな内向的な
     雰囲気の映画に思えてしまう。ちょっと損をしているのでは?
     学芸員Kは香港の地下鉄駅でこのポスターを見たとき、
     少なくともまさかこれが喜劇とは思いませんでした)


 25日午後8時すぎ――。『I'll Call You』 の上映が終わりました。学芸員Kが座った席は、前から7列目のど真ん中で、フロアの傾斜から考えて映画を観るにはベストとも言える席でした。スクリーンの前では、監督のラム・ジーチョンを迎えてのティーチ・インのセッティングが行われています。

 学芸員Kはすでにきのうの24日、『I'll Call You』 を観てますので(香港で観た2回も含めるとこれで4回め)、きょうの目的はただひとつ、香港でこの映画を観たときから不思議に思っていたことを、このティーチ・インでラム監督に質問して、その疑問を解くことです。質問できなければきょう来た意味がなくなります。質問の要点を書いたメモもポケットに準備してきました(笑)。

 きのうのティーチ・インの時間の様子からみて、質問できる人は数名だとわかりました。また、もし近くの席に座っている人が先に当たったら、そのあとで学芸員Kが手を挙げても当たることはもうないとも思いました。司会者は会場をまんべんなく当てるものです。だから質問するなら最初に当ててもらわないとチャンスが激減するな、と考えました。また、内容はまったく違っているが微妙に似ている質問だったり、あるいは内容は違っても同じキーワードを含む質問が先に出たら、もうそのあとにはマナー上から似た質問はできないな、とも考えました。というようなわけで、とにもかくにも勝負となるのは一番最初です(必死)。――こんなことを映画館に向かう地下鉄の中であれこれ考え巡らせていました。

 きのうのティーチ・インでは、質問の手を挙げる人がやや少なめだったと思いましたが、映画館に入って場内を見回すと、きょうは映画館も大きめで、また、今回は気分が高揚する夜の時間帯でもあり(ホントか?)、多くの人が手を挙げそうな予感がしました。ティーチ・インはわずか30分間です。「質問するなら、やっぱり、しょっぱなから手を挙げて、なんとか最初に当ててもらうしかない」 と思いました。

 しかし、学芸員Kの質問の内容が、映画の根本的なテーマについてではなく、ちいさ~なことなので、最初の質問には向かないかもしれない......と、ひるむ気持ちもありました。

 さて、前置きが長くなりました。

 <★★★>以下、ネタバレに入ります。
 この映画 『I'll Call You』 には、主人公が女の子にフラれて夜の街をトボトボ肩を落として歩くシーンがあります。このシーンでいきなり日本語の演歌が流れ、その歌の進行に合わせて文字の色が変わる日本語のカラオケ字幕が画面に出てきます。さらにその演歌を歌う歌手が登場して主人公の後ろを付いていきます。この演歌は、映画のエンドロールにも流れます。

 質問の要点はこうです。
・香港の映画館では地元の香港映画にも中文と英文の字幕が必ず付くが、この作品では
 日本の演歌のシーンだけ、他のシーンとは違って字幕が付かなかった。それはなぜ?
・字幕が付かないのに香港の映画館ではこの演歌のシーンに観客が大ウケしてみんな笑って
 いた。それはなぜ?

 こんな感じの、映画のストーリーやテーマには直接関係ない質問なので、最初の質問としてはキビシイかなと思ったのです。

 ところが司会者の女性が現れて開口一番、ニコニコしながら 「みなさん、いかがでしたか? 映画が終わっても、まだ皆さんの頭の中にはあの演歌が流れているのではないでしょうか(笑)?」 と言い、これに対して会場がウケたので、学芸員Kは 「しめた!司会者が前フリをしてくれた。ここはもういくしかない」 と、腹を決めました(笑)。先手必勝です。

teach-in2.jpg

 ラム・ジーチョン監督が拍手で迎えられ、ティーチ・インの始まりです。広東語の通訳の方、英語の通訳の方、司会の女性が着席しました。そして上に書いた司会者の前フリがあって―――

 以下、記憶をたどって再現。

 司会者 「――― それでは皆さん、いろいろ監督にお聞きしたいことがあると思いますが、
      お聞きになりたい方、どうぞ手を挙げて......」

 司会者が言い終わらないうち、ここで、きのうよりも多い数の挙手する人に混じって、学芸員Kは席から腰を浮かせ気味にして高く高く高く手を挙げました。もう挙手の勢いで目立つしかありません。

 司会者 「わあ、そちらの真ん中の席の方、ものすごく手が高く挙がってますね(笑)。それでは
      真ん中の男性の方」

 学芸員K 「(え、オレ? ほんと? やった!)」

 席が司会者からほどよく離れた位置だったので当てやすかったのかもしれません。しょっぱなに当たるなんて、学芸員Kが地下鉄の中で描いていたシナリオどおりになってしまったのが逆に意外でした。係の人から、マイクを受け取りました。マイクを持って席から立ちました。

 学芸員K 「ちょっと質問のメモもってきました。大変面白い作品で楽しかったです。
       あの、私、日本人なんで、やっぱりあの演歌のシーンについて聞きたいんですが、
       私、実は3月に香港でこの映画を観たんですが―――」

 ここで、隣に座る広東語の通訳の方に耳を寄せて聞いていたラム・ジーチョン監督が、急に目を丸くして驚いた表情でこちらを見て、いきなり立ち上がり、ニコニコしながらドーモドーモと学芸員Kに向かって何度もお辞儀! そんなリアクションはまったくの想定外だったので学芸員Kは正直、嬉しかった。会場もこのラム監督のコミカルな動作に大ウケでした。

 学芸員K 「で、香港の映画館では、地元の広東語の香港映画にも中国語と英語の字幕が必ず
       付きますよね。ところがこの映画では、他のシーンは中国語と英語の字幕が付いて
       いるのに、あの演歌のシーンだけ、日本語のカラオケ用字幕が出てくるのに中国語
       と英語の字幕が付いてませんでした。それはなぜですか?」

 ここで、英語の通訳の方が会場に向けてこの質問を英語で通訳し始めたので、思わず学芸員Kは 「あ、あ、もうひとつ質問です!」 と、それを制止してしまいました。通訳の方、どうもすみませんでした。

 学芸員K 「もうひとつの質問は、その演歌のシーンに字幕が付いてないのに、香港の映画館で
       私のまわりに座っていた香港人の観客が大笑いしていたのですが、日本の演歌って
       なにか面白いとか、こっけいだとかそんなことがあるんですか?」

 メモを用意しましたが、結局、ほとんど見ないまま、だいたい上のようなことを話しました。広東語の通訳を聞いて、これに対してラム監督が次のように答えてくました。

lam2.jpg
 ラム監督 「私は子どものころからテレビで(NHKの)紅白歌合戦を観てきました。森進一などを
       聴いてきました。日本の演歌はすごく余韻があって、独特の雰囲気があります。
       今回は雰囲気を重視して字幕を付けませんでした。また、もうひとつの理由は、
       紅白歌合戦で森進一が出てきて、彼だけが歌い、ほかの歌手はズラッと後ろに
       並んでいるだけというシーンを見たことがあるのですが、本人以外はいっさい歌え
       ない雰囲気というか、そんな厳粛な雰囲気がそのときの演歌にはあって、そんな
       雰囲気も、字幕を付けないあのシーンで出したかったのです。
       また、もうひとつの質問の、なぜ香港の観客がこのシーンで笑ったかというと、あの
       シーンは最初は歌だけが流れて、途中から歌手が出てきますが、香港人が笑った
       のは、それは演歌がおかしいから笑ったのではなくて、あの演歌に合わせて、
       演歌歌手が歌いながら主人公にくっついて歩いたのがウケたのだと思います」

 と、おおよそ、ラム監督は以上のようなことを回答してくれました。ただし正直に言うと、学芸員Kは質問したあと、気持ちが高揚していて、回答の内容について記憶がちょっと曖昧になってしまいました。(なにい!?) だから肝心なところがスッポ抜けてるかもしれません。ご了承のほど。

 たしかに、ひらがなの多い日本語のカラオケ字幕は、香港の観客にとってはまったく意味不明なもの。日本人が漢字の中国語字幕を見て何となく推測できるのとは訳が違います。最近、香港の方のブログ上で、コメントのやりとりをしたのですが、そのとき、香港人の方が、「日本人は漢字をふだん使っているのだから中国語の文は意味がわかるはず」 と言うので、学芸員Kは 「知らない漢字が多いから私は全体の60%から80%しかわからない」 と答えたら (いや、今考えたら実際は50%以下だな)、彼は 「60%から80%ならいい。私は日本語の文を見ても5%以下しか読めない」 と言ってました。たしかにそのとおりなのだと思います。
 あのシーンで香港人には意味不明な日本語カラオケ字幕を出して、本来ならそれに添える中国語や英語の字幕を付けなかったのは、付けなかったからこそ、香港人にとっては歌声の音声と独特の音楽、その余韻だけが伝わり、面白いものになったのでしょう。一方、日本人がこの映画を観れば、このシーンでストレートに演歌の歌詞の内容が耳と目から伝わってきて―――その歌詞の内容が映画の意図するところとはズレていたとしても―――主人公の心境を表すひとつの道具となります。
 この映画はもともと国際性の高い作品ではないでしょうし、日本人が観ることを特に前提としないで作られたと思いますが、いずれにせよ、あの演歌のシーンでは、香港人ほか日本人以外が観る場合と、日本人が観るのとでは、演歌の内容がわかるかどうかで明らかに受け取る情報量が違います。本来、映画というものは文化の違うそれぞれの国で、ギャップを生じつつ鑑賞されるものだと思います。そんなことをこの演歌のシーンで思い知りましたが、ただ、通常なら字幕などでそのギャップを埋めるのが普通なのに、この演歌のシーンは日本人とそれ以外の人が観た場合に得る情報量のギャップを意図的に広げてあるのでした。
 香港の映画館でこのシーンを観たとき、まわりの香港人観客といっしょに笑いながら、学芸員Kは 「この場内で今、歌の内容が耳に入ってくるのオレだけ? いやでも歌詞の内容がわかってしまうんだけど......。オレだけこのシーンを違う目で観てしまってるんだな」と思いました。だからこの映画、香港で香港人の友人なんかと観たら、鑑賞後に話がはずんでもっと面白かったかもしれません。贅沢を言えば、一度、香港人の眼でもこのシーンを観てみたいです。

 ところでもうひとつの質問への、ラム監督の 「日本の演歌に対してではなく、歌手が歌いながら主人公について歩いたから、香港の観客が笑った」 という回答。これは、もしかしたらラム監督が、学芸員Kを含め会場の人々に誤解を与えないように配慮した回答だったのかもしれません。というのは、たしかに歌手役の人が画面に登場したのは笑えましたが、やっぱり、あの演歌のシーンは、演歌自体の持つ雰囲気が、あの場面においては笑える、と思えるからです。それは異文化としての面白さ、語弊を恐れずに言えば、おかしさです。
 このティーチ・インは時間もそれほど長くなく、日本語と広東語の通訳、また一部の来場者のために英語の通訳を介して行われました。もし言葉を尽くせるだけの時間が十分あって、異なる言語という壁を解消できるなら、さらに、異国の人間同士の誤解がもし生じた場合にそれを解くだけの時間があったとしたなら、ラム監督の回答は違ったものになったかもしれません。これはあくまで学芸員Kの推測です。

 あと、印象に残ったのは、ラム監督の 「紅白歌合戦で森進一が出てきて、彼だけが歌い、ほかの歌手はズラッと後ろに並んでいるだけというシーンを見たことがあります。本人以外はいっさい歌えない雰囲気というか、そんな感じがそのときの演歌にはあって―――」という言葉です。
 学芸員Kは記憶が薄いのですが、香港の歌番組やチャリティ番組なんかだと、たとえば大物歌手のジャッキー・チュンなどが歌っているときでも、後ろのほかの歌手はいっしょに歌ったりするのが普通なのでしょうか。香港のテレビ番組でそんなようなシーンを観たような気もします。だとすれば、ラム監督の眼には紅白歌合戦のそのシーンが新鮮に映ったのでしょう。

teach-in.jpg

 ラム・ジーチョン監督は、学芸員Kの質問に本当に丁寧に答えてくれました。学芸員Kの質問とそれに対するラム監督の真摯な回答で10分くらいを使ってしまったので、ほかの質問者の方に対して少しばかり恐縮に思いました。

 半年前に香港でこの映画を観たときは、まさかあとになって日本で監督に作品のことを直接質問できるとは思ってもみませんでした。この映画 『I'll Call You』 は、香港で観た3日後に主人公のアレックス・フォンに香港の街なかで遭遇して話をしたり(記事はココ)、今回は監督に疑問点を直接質問できたりで、学芸員Kにとっては特別な1本となりました。

 あと、この演歌について、24日の第1回目のティーチ・インでは監督の口から出て、翌日25日の第2回では語られなかったことを書いておきます。あの演歌の歌声の持ち主で、エンドロールにも名前が出てくる「阪井洋一」なる人は、歌手ではなくて、実はラム監督の知り合いの、日本の映画製作配給会社ギャガコミュニケーションズの社員だそうです。
 ......それにしては歌がウマかった。

 きのう、10月24日、第19回東京国際映画祭出品の香港映画 『I'll Call You』 を観に行きました。

 映画の上映のあとには監督のラム・ジーチョン氏を迎えてのティーチ・インがありました。質問で手を挙げた観客の何人かと監督による質疑応答がありました。彼らの質問と監督の回答は、学芸員Kにとっても興味ある面白い内容でした。

 ところが、きのう家に帰って夜、寝ながら、

 「半年前に香港でこの映画を観たときから疑問に思っていたことがあった。なのに、きょうのティーチ・インでは監督に質問することを忘れてた!…というより、そもそも質問することすら考えてなかった!」

 ということに思い至りました。布団の中で後悔しきりでした。

 で、きょう、朝起きたとき、ふと、

 「きょう夕方上映する 『I'll Call You』 の当日券はあるのか? あるなら、もう1回行って、上映後のティーチ・インで太っちょラム・ジーチョン監督に質問するぞ!」

 と思いたちました。

 ネットで見てみたら、東京国際映画祭では、各作品とも、当日券を設定しているという。そこで、映画館のサイトに行き、『I'll Call You』 の当日券の様子をみてみました。すると、すごくいい席が残っているではありませんか!

 ということで、いきなり自分でも予想していなかった、本日の 『I'll Call You』 のチケットを、きょう、当日の朝9時過ぎにゲット。しかも、映画を観るのに良さそうな、真ん中の列のど真ん中の席が手に入りました。

 香港でのロードショーの2度の鑑賞から数えて、きょうで4度目の 『I'll Call You』 です。自分でも予期せぬことでしたが、結局、以上のような経緯で、きょうまた 『I'll Call You』 に行ってきました。

 そして上映後の、観客と監督を交えてのティーチ・インで、監督のラム・ジーチョン氏に、学芸員Kが香港でこの映画を観たときから疑問に思っていたこと(すご~く小さなことですが)を質問してみました。

 詳細は追って書きます。

 第19回東京国際映画祭に出品された香港映画『I'll Call You』を観てきました。場所は六本木ヒルズにあるTOHOシネマズです。
 (前回の記事はココ。「香港なんでもケンショウ堂」で書きました関連記事はココ。)

 上映後には監督のラム・ジーチョン(写真)が出席してのティーチ・インが行われました。学芸員Kが知らなかった、作品中に流れる日本演歌のことも監督の口から聞くことができました。ラム・ジーチョンは映画 『少林サッカー』や『カンフーハッスル』でその太った身体で熱演しているので、俳優としてご存じの方も多いと思います。彼の初監督作がこの 『I'll Call You』 です。

 いま、少し時間がないので、詳細は追って書きます。とりあえず写真です。
lam-interview.jpg
 ティーチ・インのあとしばらくたって映画館の外に出てみたら、六本木ヒルズの森タワーのふもとで、ファンが取り囲むなかラム・ジーチョンが香港のケーブルテレビ「娯楽新聞台」の取材を受けていました。『少林サッカー』で見たときには気がつかなかったけど、エクボがあるんですね。

lam-sign.jpg
 その取材が終わるのを見計らって、群がる他のファンといっしょになって学芸員Kも彼からパンフレットにサインをしてもらいました。「林子聰」(ラム・ジーチョン)と書いてあります。

 映画は女性の観客が圧倒的に多かったです。

 ●東京国際映画祭の公式サイトはココ
 ●『I'll Call You』公式サイトは、ココに行って、
  画面下の「FILMPROJECTS」→「PROJECT2 HONG KONG」で行けます。

 学芸員Kがよくお邪魔する、香港映画の字幕でおなじみの水田菜穂さんのブログ「HongKong Addict Blog」で、嬉しい記事を発見。

 なんと3月に香港で観た映画『I'll call you』(中文原題:『得閒飲茶』)が、第19回東京国際映画祭に出品されるという。しかも、字幕を水田菜穂さんがやられるとのこと。拍手ッ!!

 この映画と主演のアレックス・フォンに関しては、学芸員Kが香港から戻ったあとでサイト「香港なんでもケンショウ堂」にも書いたので、こちらを参考に。ただし、けっこうキモの笑えるシーンのネタばらしがあります。もし、この映画を観に行かれる予定の方は、記事中盤の『I'll call you』の部分を飛ばして読むか、映画を観終わった後にでもお読みください。

 実は、かつてはよく行っていた東京国際映画祭なのですが、ここのところ、小さい子どもがいることもあり、同じく香港映画好きの妻を置いてひとりで行くのも味気なく、だからまったくのノーチェックなのでした。

 でも、この映画が来るなら話は別。3月の香港はひとりで行き(ハ? 香港へひとりで行くのは味気なくないのかよ?(笑) )、そのときちょうど封切られた『I'll call you』を観たのですが 面白かったのでぜひとも妻にも観てほしいなと思ったのでした。もしDVDでも出たらTSUTAYAで借りて二人で観ようかなと考えていたのです。ところが、映画祭に来るという!  都合がいいことに、2回ある上映のうち、昼にやる回は、子どもが幼稚園に行っている間に観に行って帰ってこられる! ということで、映画祭の公式サイトで確認したらチケットがまだ残っていたので、予約しました。

 監督は『少林サッカー』でおなじみのおデブさんの、ラム・ジーチョン。彼がこの上映にゲストでやって来るとサイトに載っていたので、会えるかもしれない。香港ではうかつにも彼が出席したプレミアショーを見逃したので、予定どおり来日して会場でお顔を拝見できればラッキーです。

 この映画、小さな作品ですが、学芸員Kはけっこう楽しく笑えました。サイトでも書きましたが、特に日本人ならちょっとのけぞるお笑いシーンもあります。興味のある方は、まだチケットがあるようですので、映画祭公式サイトの『I'll call you』のページをご覧ください。

 ちなみに、この映画祭公式サイトはリンクが極めて不親切というか、不可解です。上記の『I'll call you』のページに行ってチケットを予約するには、10月24日、25日の回のいずれの予約の場合も、「10月25日」のほうの「前売券購入」をクリックします。ここから「ぴあ」の該当ページにいけます。ところが「10月24日」の「前売券購入」をクリックすると、なぜかいったん、「ぴあ」の映画祭トップページに行ってしまい、迷子になってしまいます。この場合はこのトップページの真ん中に並んだリンクから「第19回東京国際映画祭/アジアの風」をクリックすれば行けますが、初めて行くと非常に戸惑います。どうして並列に並んだリンクの片方だけが直接行けて、片方が迂回させる構造のリンクになっているのか不可解です(映画祭さん、こういうリンクは非常にストレスを感じさせて、予約寸前でお客を逃しますゼ)。他の映画も同じみたいです。ということで、念のため、ぴあの該当ページにリンクをはっておきます。ここです。

 ところで、「香港なんでもケンショウ堂」の記事を読まれた方もいるかもしれませんが、学芸員Kは、この映画を観た3日後に、セントラルの街をトボトボ歩いていたら主演のアレックス・フォンにばったり遭遇したのでした。そのてん末はサイトの記事をご覧ください。ただし、こちらもややネタばらしに近いキーワードが入ってますので、素の状態でこの映画を観たい方はご注意ください(写真もあります。写真だけなら映画を観る前でも大丈夫です)。記事はこちらです。

 久しぶりの東京国際映画祭、楽しみだワイ!

robbhood.jpg

ハリウッドに進出して、「世界のジャッキー」になったとはいえ、
本人のみならず、我々香港映画ファンにとっても
不本意なアクションシーンの映画が多かったジャッキー・チェン。
学芸員Kにはやっぱり香港映画でのジャッキー・チェンのほうが輝いて見えます。

9月に香港で公開されるというジャッキーの新作香港映画『寶貝計劃』の情報が
水田菜穂さんのブログ「HongKong Addict Blog」に載ってます。

地元香港でこんな映画に出ることを知り、学芸員Kは何かホッとした気持ちになりました。
なんというか 「おかえりなさい」 という感じですかね。

かつてのジャッキー・チェンの映画は、肩の力を抜いて観ることができました。それは香港映画
黄金時代のあの不朽の名作 『プロジェクトA』(1984年)や 旧 『香港国際警察』第1作(1985年)
であってもそうでした。これらは一級のアクション作品でありながらも肩の力を抜いて観られる
楽しい映画でした。そんな 「ジャッキー・チェン映画」 を恋しく感じていた人は多いと思います。
日本で公開されるのはいつなのかわかりませんが、久々に肩の力を抜いて観れそうな
ジャッキーの新作、この 『寶貝計劃』 を早く観てみたいものです。

『寶貝計劃』公式サイト
http://rob-b-hood.jce.com.hk/main.html

松竹映画『ゲゲゲの鬼太郎』実写版が2007年4月の公開めざして制作されるようです。
目玉おやじなどの各妖怪キャラクターがCGで描かれる模様ですが、
このCGを担当するのが香港映画『少林サッカー』や『カンフーハッスル』やアメリカ映画
『キル・ビル』を手がけた香港の大手CG製作会社「セントロ・デジタル・ピクチャーズ」。
ということは、かなり派手なCGになりそうです。

詳しくはコチラをどうぞ。SANSPO.COM

きょうテレビ東京系でチャウ・シンチーの『少林サッカー』が放送されます。

この映画が日本でロードショーされたとき、まだ息子が小さかったので
カミさんと交代でひとりづつ、今はなき大映画館の渋谷パンテオンに行って観ました。

この映画、もちろん観た人は多いと思いますので説明は野暮ですね。オモシロさ抜群!
……だが少し、気持ち悪いというか、しっくりこないところがある。
それはこの映画の舞台。香港ファンなら気が付いた人も多いと思いますが、
あの映画の舞台は香港じゃない。でも、なんかそこはかとなく香港風の景色。
タイムズスクエアが出てくるけど、香港の銅鑼灣のタイムズスクエアじゃない。
中国本土でも香港でもない、なんというか「無国籍」な状態なので、そこんとこがどうも
気持ちがよくない部分があった。映画館でこの映画を観ながら、
「中国本土だろうが、いったいどこだ?」と頭の片隅にひっかかりながら観てました。
このことはきのう挙げた『香港映画の街角』という本でも書かれています。チャウ・シンチーを取り上げた章で、彼と、彼の映画が香港から外に飛び出ていく過程を、一連の作品を通して評論しているのですが、『少林サッカー』についてこんなことが書かれています。

映画『男たちの挽歌』(原題「英雄本色」)の挿入音楽について
その後ネットであたってみたら、
T社の「『英雄本色』オリジナルスコア盤CD」の
セカンドエディションに、『バーディ』の音楽も福建語歌謡曲『免失志』も
新たに加えられていることがわかりました。
学芸員Kが持っている最初のエディションには、この2曲は入ってません。

写真は学芸員Kが持っている最初のエディションのCDです。
ジャケットが自主制作っぽいですね。
honshokucd.jpg

ある掲示板に、セカンドエディションで追加された収録曲の音楽ファイルが
2曲アップされていました。クリックして聞いてみたら、まさしく、『バーディ』と『免失志』です。
おそらく、それぞれのオリジナルCDからのダビングによるコピーではないかと思われます。
そもそも『英雄本色』のCDは、版権がクリアされていないと推測されますが
セカンドエディションはさらに大胆にやってますな~。

学芸員Kが香港の廟街で偶然見つけたり、図書館から借りたりして
なんとか集めてきた『男たちの挽歌』の挿入音楽ですが、
あっさりと、『英雄本色』オリジナルスコア盤のセカンドエディションが、
最初の版で欠落していた箇所を入れて再リリースされていたんですね。
このセカンドエディションが出ていたことは知っていたのですが、
欲しかった2曲が入っているとは知りませんでした。
ファンからの要望が高かったらしいのですが、やはり皆さん
同じ箇所の音楽が欲しかったというわけです。

版権的にはヤバめと思われる『英雄本色』のCDですが、
学芸員Kとしては、セカンドエディションも欲しいところです。
このセカンドエディションは2002年に出て現在は絶版のようです。

きのう、『男たちの挽歌』(原題「英雄本職」)の挿入曲の話を書きましたが、
書いてて思い出しました。
きのう書いた銃撃戦の場面の前に、料亭「楓林閣」で流れる中国語の歌謡曲があります。
これから始まる銃撃戦の前の、場違いな料亭での享楽を、スローモーションの映像と
陽気な歌謡曲の音で印象的なシーンにしています。
これは『英雄本色』のオリジナルスコアCDには入っていません。
しかし、香港でたまたまこの曲の入った歌謡曲CDを手に入れることができました。

これです。
fukken.jpg
福建語歌謡のヒット曲集です。ということで福建語の曲だったのです。
タイトルは「福建暢銷金曲(一)」です。このCDは廟街で手に入れました。
あるとき、香港の廟街の露店を冷やかして歩いていました。
すると、この曲が聞こえてくるではありませんか。
曲の流れる方へ向かっていったら、中国の歌謡曲CDを専門に売っている露店でした。
店のオッチャンに「今流れているこの曲のCDはどれ?」と聞いて買ったのがこれです。
曲名は「免失志」。歌っているのは小陳雲という人です。
根拠はないのですが、海賊盤ではないと思います。

もし、探している人がいたら、この曲名で探してみてはどうでしょうか。

きのう、図書館から『バーディ』というアメリカ映画のサウンドトラックCDを借りてきました。
しかし、学芸員Kはこの映画のことはまったく知りません。
では、なぜ借りてきたか?

ピーター・ガブリエルの作曲した『バーディ』の音楽が、
香港映画『男たちの挽歌』(1986年 原題「英雄本色」。写真はVCDジャケット)で
流用されている!ということを、知ったからです。
eiyuhonshoku.jpg

芸術選奨で文科大臣賞を受けた洋画家による盗作がワイドショーを賑わせています。
盗作だという匿名の投書により発覚したらしいですね。
さて、この匿名の投書の主、彼あるいは彼女は、この洋画家の作品がイタリアのスギ氏という
画家の絵とあまりに酷似していることを最初発見したとき、きっと「げげーッ!?」と相当驚いたに
違いありません。

学芸員Kも似たような経験があります(ホントか?)。
それは、ブルース・リー主演映画、『ドラゴンへの道』(1972年 原題「猛龍過江」)で。
waydragon.jpg

きょう夜9時からテレビ朝日系列でフランス映画『トランスポーター』(2002年)が放送されます。
学芸員Kはこの映画に出ている女優、スー・チーに香港で遭遇したことがあります。

96年7月末から8月はじめまで10日間香港へ行ったときのことです。よく晴れた蒸し暑いある日、
尖沙咀のプラネタリウムの前で映画のロケをやっているのに出合いました。
現場に置いてあったカチンコを見たら、「製片名」のところに 『色情男女』 と書かれていました。
ロケ現場にはあのレスリー・チャンがいました。
そのレスリーにケンカ腰でからんでいる役の女性がいました。
それが後で知るスー・チーでした。

sikijou.jpg

きのうから、サイト「香港なんでもケンショウ堂」へのアップをめざして、
ゴールデンハーベストのページを作り始めました。

で、その最初のページに、ゴールデンハーベストのクレジットタイトルに似せた画像を
載せる予定です。このクレジットタイトル、香港映画ファンだけではなく、
ジャッキー・チェンの旧作などをビデオで見た方にもおなじみではないでしょうか。
現在、この画像をフォトショップやホームページビルダーの添付ソフトを使って製作中です。
四角い「G」マークは描くのは簡単です。問題は「嘉禾」のロゴ。これををどうやってトレース
するか迷いましたが、ちょうど、手元に嘉禾戲院のチケットの半券が残っているのを
思い出し、この半券に印刷されたロゴを借用して加工することにしました。
ゴールデンハーベストのページは近日公開します。お楽しみに。

さて、現在作っているこのクレジットタイトル、どうせなら色具合もホンモノに近づけようと、
手持ちのVCDの中から適当な嘉禾作品の映画を選んで
ゴールデンハーベストのクレジットタイトルを改めて見てみました(写真)。

gh-credit1.jpg

my desk
このブログは
アジアの片すみの小さな家の
地下室のデスクから
    香港迷同志へ発信しています    

Tsume Houdai  Slide Show
photo by Gakugeiin-K    

Keng Show Do  CM
※ブラウザのJavaScriptをONにして、Flash Player9以上をインストールしてください。
Get Adobe Flash Player

嗚呼、いまはなき香港の大映画館たちよ! by 学芸員Kさん

下の「コマーシャライザー」を
クリックすると
大きな画面で見られます。

カンタンCM作成サイト コマーシャライザー

ウェブページ


Powered by Movable Type 4.27-ja
プロフィール
香港なんでもケンショウ堂

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち香港映画カテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリは香港おみやげスライドです。

次のカテゴリは香港本です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。


BLADERUNNER
1982年 Ladd Company

香港クレージー作戦
1963年 東宝映画

得閒飲茶 ill call you
2006年 Focus Films