【写真:山水電気の全面広告のトラム(1986年撮影)】
香港のトラムファン、Joseph先生からメールが来ました。「香港トラムの株がVeolia Transportに譲渡されましたよ」という内容でした。
Veolia Transportってなんだ???
調べたらこういう記事がありました。
【レコードチャイナ】 九龍倉集団=香港トラムの運営権50%を仏企業に売却
【ファイナンシャルリサーチ】 ワーフが香港トラムを合弁化、仏ヴェオリアに株式50%売却か
【Railway Insider】 Veolia Transport takes over 50% of Hong Kong Tramways
視点をどっち側に置くかで表現が異なるけど、言い方を変えれば、要は、フランス系の大交通会社(Veolia Transportation)の中国法人(威立雅運輸集團)が、九龍倉の持つ香港電車公司の株式の50%を取得して経営に乗り込んで来たということです。
こういう記事もあります。
えッ? 新路線? 移動博物館?
「新公司甫成立,即公布新構思。易志明表示,經過初步研究,認為在中環灣仔新海濱設立新線可行,路線將連接天星碼頭及會展,屬循環線(見圖)。公司亦擬重新製造多代舊式電車行駛,短期內向政府提出申請,「有雙層有單層,就似移動博物館一樣」」
古い代々の電車を新しく再現して中環のスターフェリー乗り場から灣仔の会議展覧中心まで走らせるということなんでしょうか? これはアトラクションなんでしょうか? こういうとき、おのれの中文の苦手なのが恨めしく思います。
「有雙層有單層」、これはわかります。「單層」は、大昔あった単層デッキの1階建てトラムのことです。これも再現する構想があるのでしょうか。
もしそうならこんなもの作って走らせることが実現できるのかどうか(採算合うのか&遊園地じゃなくて街なかでこれはキテレツすぎるんじゃないか)と疑わしく思いますが、でも、やってくれたらすごく面白そうです。今でもそうですが、香港の街が今よりもっと「乗り物遊園地」になります。
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しかしオフィシャルな街の空間を、こんな大がかりに玩具化するようなこと、できるのでしょうか。観光客としての私はやってほしいですが。
構想はあくまで構想としてそれはそれとして、でも、つくづく思います。変化の激しい香港の街のど真ん中を、あんな古いデザインの古い車両のチンチン電車が未だに走っているのは、奇跡です。東京の銀座を今でも都電の半世紀前のデザインのチンチン電車が走っているようなものです。
香港のトラムは私たち香港ファンの旅行者にとってもあまりにも当たり前の存在、あって当然の存在になってますが、いつなくなってもおかしくないと思います。
もし、なくなることが決まって、その情報が世界に知れ渡ったら、最後の姿を見よう、乗ってみようと世界中から観光客が押し寄せるでしょう。私が考えるに、いま香港からなくなって一番寂しくなるのは、やっぱりトラムです。あの姿、音が香港島の街からなくなったら、ショックです、寂しすぎます。
今回の「半分身売り」がいい結果となって、香港トラムが生きながらえてくれることを、本当に本当に本当に本当に本当に、本当に願っています。
こちらの記事も参考に。
【参考】
維基百科「九龍倉集團」
ウィキペディア「Veolia Transport(ヴェオリア・トランスポート)」
ウィキペディア「威立雅運輸集團」
ウィキペディア「香港トラム」
維基百科「香港電車」
香港電車有限公司 公式サイト(スピーカーの音量に注意)
九龍倉集團 公式サイト
Veolia Transport 公式サイト
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