switch1.jpg  1996年から1997年にかけて、香港返還を前にしての「香港ブーム」がありました。

いま思えばそんな騒ぐこともなかったのに、と思いますが、私自身もこの頃は返還が近づくほどになんか気持ちが高揚していったし、テレビや新聞、雑誌でもいろんな特集が頻繁に組まれたりしました。

そのころ私は、女性ファッション誌とか月刊文藝春秋とか小部数の美術雑誌とか、普段は見ないような雑誌でも、「特集 Hong Kong」と名が付けば片っ端から買っていました。

当時は今ほどネットも発達していなかったので、雑誌の新刊情報は直接店頭から。足繁く書店に通って香港の2文字が表紙に躍る雑誌や書籍を見つけては、煽られるようにレジに直行したのでした。

だから、香港特集を組んだ、たいていの雑誌は玉石混淆はあれど持っていると思っていたのですが、そんなはずもなく、やはり取りこぼしはあります。

そんな取りこぼしていた雑誌のひとつをおととい偶然ネットで知り、きのう、いつものように神保町の古書店に行きましたところアッサリ見つかりました。それが上の写真の

「SWITCH 1996年11月号 Vol.14 No.9 香港に還る」

です。

SWITCH。当時も今も、「香港」の文字が付いていなければ私には縁のない雑誌……。

世界でいちばん古書店が集まった街、神田神保町にはおよそ180店の古書店が軒を連ねていますが、そのなかにはいくつか雑誌専門の古本屋さんがあります。

今回もいつものようにまずは3軒のお店を巡りました。「@ワンダー」と「ヴィンテージ」と「ブンケン・ロック・サイド」。この3軒は同じブロックに飛び飛びに並んでいるので助かります。

結果、在庫はつぎの通り。カッコ【 】内は今回探した「SWITCH 1996年11月号」の在庫の有無と価格。

@ワンダー 【なし】
●ヴィンテージ 【有り 500円
(ここで購入)
●ブンケン・ロック・サイド 【有り 500円】

今回はそれともうひとつ、三省堂書店本店の裏、すずらん通りに新しく雑誌専門の古書店がオープンしているのを発見! 「magnif」という、ちょっとオシャレな雑貨屋さんのような店構え。
なかに入ってみますと、

●magnif 【有り 500円】

でした。10年以上も前の雑誌が4軒のうち3軒でヒットですから確率が高いです。いずれのお店もサブカルチャー雑誌が主要品目のひとつだからなのだと思います。値段はどのお店も500円でした。当時の定価は680円です。

例によってまだ中身は読んでいないので感想が書けませんが、その代わり気になる人のために目次のページをスキャンして載せておきます。

switch2.jpg 在庫のあった3軒のうち、ヴィンテージとブンケンは雑誌がビニール(実際にはビニールではなくパリパリのセロファンのようなヤツですが名前知りません)でパックされているので店頭で中身を確かめることはできませんが、magnifはそのまま書棚に雑誌が入っているので中身を見ることができます。

この4軒の雑誌専門古書店に共通のことで、すごく感心してしまうのが、その陳列の整理整頓の良さです。各雑誌別にわけて置かれているのは当然としても、それぞれの雑誌が乱れることなく古い順に左から右へきちんと並んでいるのです(たとえば下のリンクのブンケン・ロック・サイドのサイトに行って、店内の写真を見てみてください)。

だから、探している号が何年の何月号とか「No.」や「Vol.」があらかじめわかっていれば、その雑誌の置かれているコーナーさえ行けば、その雑誌が店頭にたとえ400冊並んでいても(実際に店頭にはそういう雑誌もある)、順にたどれば探すまでもなく目的の号がすぐに見つかります。

ネットで一発検索で見つけての通販も便利ですが、店頭で発見して手に取る楽しさに勝るものはないと思います。

いちおう各お店のサイトを貼っておきます。ブンケンとmagnifにはまだ今回の「SWITCH」の在庫はあるんじゃないでしょうか。そんなに買っていく人もいないと思います。興味のある方はどうぞ。

●@ワンダー http://www.atwonder.co.jp/
●ヴィンテージ http://www17.ocn.ne.jp/~vintage/
●ブンケン・ロック・サイド http://homepage2.nifty.com/bunken/
●magnif http://www.magnif.jp/

ところで、上の「SWITCH」の表紙。こういうのをクールっていうんでしょうか……。

「香港に還る」の文字、特集のメインタイトルなのに、サブタイトルの英文「Wild at Heart」と逆転してやたら文字が小さいです。これでは当時本屋さんで表紙が目に入っていながら見逃してた可能性大です。実際、見逃していたのかもしれません。
やっぱり特集なんだからスポーツ新聞の見出しみたいに「香港に還る」ってドドーンとこう大きくしていただかないと(笑)。

気づくべき目印はカレン・モクだったのか。でも彼女のお顔を私は取りこぼしてました。

英文ってそんなにカッコイイものなのか? やっぱり私には縁遠い雑誌です。