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 格安航空会社(LCC=ローコストキャリア)が日本にも参入が相次いで、エア・アジアXという会社は、キャンペーン価格とはいえ、羽田~クアラルンプールで5000円とか。

 一部の航空会社は、立ち席の導入も検討しているらしい。上のイラスト。うわ……。

 普通の座席の一番うしろの席に座った人は、自分の背後にどんな雰囲気を感じるのだろう。

 ふと後ろを振り返ったら、立ち席の人たちが無表情で並んで立っている……(笑)。

 なんか、機内の全部の座席が立ち席ならいいけど、一部だけ立ち席というのは、「格差」を感じてしまいます。映画で見た豪華客船タイタニック号の一番下の船底の客室みたいです。

 実際に立ち席を導入したら、従来のエコノミー席とはカーテンで仕切るのでしょうが、それにしても立ち席はちょっと異様な雰囲気です。

 こういう座席の発想はヨーロッパ的なんでしょうか。JRは国鉄時代から座席のクラスを1等、2等とは呼ばず、普通席、グリーン席と呼んで格差を隠してきました。

 いずれにせよ、早く成田 or 羽田~香港でもLCCに参入してほしいです。

 ところで、すでに多くのLCCでは、機内食は有料になっているそうですが、私は、以前より、

 日本~香港便に機内食はなくていい

 と思っていました。

 ずっと前に、niftyのパソコン通信(古い…)の香港関連フォーラムの「会議室」でも、私は「香港便機内食不要説」と唱えてました(笑)。

 わずか数時間の飛行時間です。香港に着けばそこは食のパラダイスなのだから、機内食などいらないです。
 

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 上の画像は「キャセイパシフィック 機内食」の画像検索結果(ココ)。

 そもそも、私は、機内食は好きです。

 悪食の私は、エコノミークラスの機内食もおししくいただけます。全部残さず食べます。

 機内食は旅の楽しみのひとつです。

 以前、私は、香港旅行の日まで好きなビールを1ヶ月断って、香港に行って屋台で海鮮料理を食べながら1ヶ月ぶりにビールを飲んでプハーッと感激、という計画を思い立ち、なんとかめでたくビールを1ヶ月断って香港行きのキャセイ便に乗って離陸してそこではたと気がつき愕然としました。

 機内でビールが出る。それを、すっかり忘れていました。

 では、私は、香港の屋台での感激のビールのために、その機内でビールを飲まなかったか。

 いいえ、飲みました。

 私は、ビールを、飲みました。

 離陸直後に出るスナック菓子や機内食をつまみにビールを楽しくいただきました。

 「当機は都合によりドリンクのサービスができなくなっております、ご了承ください」とでも言ってくれればよかったが、そうはいきませんでした。

 運賃に入っているのなら、きちんといただきます。

 
 でも、機内食も、ドリンクも、無いならば無いでイイ。

 いや、香港便なら、むしろ、機内食が最初からないなら、そのほうがいい。

 あるいは、機内食が有料ならば、私は機内食を食べずに、空腹で香港に乗り込む。

 香港でおいしいものを食べられるのですから、その感激のために、機内食などいらないです。

 全然関係ない話ですが、飛行機に乗っていて、前から思っていたことがもうひとつ。それは機内のアナウンスです。

 離陸後、ひととおりのアナウンスが終わるときの締めくくりに、

 「それでは香港までのフライトをお楽しみください

 というのがありますが、飛行機での移動を、航空会社が自ら「特別なもの」と位置づけているようにも思えてしまいます。JR東海が新幹線の車内アナウンスで

 「それでは新大阪までの走行をお楽しみください」とは言わないと思います。

 
 乗る側のこっちとしては飛行機での旅行は今でも非日常だし、飛行機に乗ること自体が楽しいです。離陸するときに滑走路で走り出す直前のフルスロットルの爆音に私は毎度、鳥肌立てて感激します。

 十分こっちは「フライト」は楽しんでいます。心では香港に早く着きたいのに、着陸すると、「ああ、もう着陸してしまったか」とも思う。フライトは楽しい。

 でも向こうから「フライトを楽しんで」と言われても、どうも不思議な感じがします。

 飛行機は移動の手段でけっして乗ること自体を楽しむアトラクションではない。たしかにこっちで勝手にアトラクションとして楽しんではいる。しかし乗務員のほうからアナウンスで「フライトをお楽しみください」と言われると、私には不思議な感じがするのです。

 いま参入が相次いでいる格安航空会社の方向性は、「フライトをお楽しみください」という姿勢に立たない、それとは正反対の、移動手段としての、ある意味、しごく真っ当な考え方ではないかとも思ってしまいます。

 ということで、機内食は、出るならOK。出るなら食べる。しかし、機内食なしで運賃が安くなる選択肢があるなら、私は機内食なしを選ぶ。

 エコノミークラスのその下の、はらぺこクラスを選択。

 そして、香港までの数時間くらいなら、私は立ち席でもぜんぜんオッケーです。