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 北京オリンピックの開会式、大掛かりでしたね。なかなか良かったです。これまでの開会式で一番凝った内容だと思いました。統制がとれていて、こういうときに国家体制がやっぱり反映されるのだとも思いました。ただ、開会式の途中で五星紅旗が揚がり、中国国歌が流れたときは、ちょっとうなってしまいました。オリンピックの開会式の途中に、開催国の国旗を揚げて国歌を流すということはこれまであったんでしょうか。もしあったとしても、印象が薄く記憶にないです。アテネもシドニーも国旗掲揚や国歌が流れた記憶がないです。今回は、その演出がそうさせたのかタイミングが絶妙だったのか、国旗掲揚と国歌に「国家の威信」を感じてすごく印象に残りました。

 日本と香港の選手団入場のときは拍手を送りました。加油!です。日本人選手団が入場のとき、日本の国旗とともに中国の国旗も手にもって振っていたことが印象的でした。

 で、今回、個人的にすごく惜しかったことがあります。開会式というより開会式中継についてなのですが、一番楽しみにしていたことなのに、果たせませんでした。それは何かといえば、テレビの中継で各国選手団の入場のときに、プラカードがアップにならず国名がよく読めなかったことです。

 私は、今回の開会式でプラカードにある国名の、漢字の当て字を読むことを楽しみにしていたのでした。

 普通、オリンピックの開会式の中継のとき、プラカードの文字がきちんと読めるほどくらいには大写しになりますよね。でも今回はレンズの寄りが小さかったのか、プラカードが小さかったのか、そもそもプラカードを写す気がなかったのか、ほとんどのプラカードの国名が読めませんでした。画面にはっきりとは出てきませんでした。(上の写真のプラカードはリハーサル用のものなのか、きのうテレビに映っていた本番のものとは違うようです。)

 漢字の当て字を「楽しめる」のは、漢字を使う日本人の特権です。普段から漢字で国名を読む中華圏の人々は、当然のことですが漢字の国名を読むこと自体で楽しむことはないと思います。でも、日本人はそれを「当て字」として楽しめます。香港に行って、街なかの看板の漢字の当て字を読むことは、私にとって楽しみのひとつです。

 ああ、私は当て字を読みたかった。簡体字だから読みにくいかとは思うけど。どんな漢字で当てているのだろう、とネットで検索したら、ウィキペディアにありました。ここに今回のオリンピックの全出場国の漢字(簡体字)による国名がリストになってます。

 ウィキペデイア「北京オリンピックの開会式」

 ……え? もしかして、ウチのテレビの画面が21インチと小さいからプラカードが読めなかったということなのでしょうか? 2年ほど前にテレビが壊れたので、デジタル放送完全移行までのつなぎで一番安いテレビをヨドバシカメラで買ったのです。皆さんのお宅の大画面テレビではプラカードの文字は読めましたか?

 いや、ここ最近、この21インチのテレビでNHKとか観ていると、画面下に出る字幕がこのごろやけに小さくなったので、「ああ、大画面テレビに合わせて字幕を小さくしたんだ」と悲しくなったばかりなので。

 ところで、各国選手団の入場行進、もはや、あれは「行進」とは呼べないものになりましたね。軍隊式に行進することが嫌いな人も多いとは思います。でも、私はきっちりした折り目正しい入場行進を見たいです。みんなが思い思いにニコニコ顔でラフに歩くのは、すべてが終わった閉会式でやってこそ、荘厳な開会式の入場行進との対比で生きるのであって、だからこそお別れの閉会式もまた楽しいものになっていたと私は思うのですが、こういう考え方は、もう古いのでしょうか。