taiwan_yatai_book.jpg ここ最近、本屋さんに行くと、どうも台湾関連の新刊本が魅力的に見えてしまいます。

 特に屋台関係の本。写真の2冊もそうです。最近出たばかりの台湾関連の本。

 屋台に関して言えば、香港よりも台湾の方が数段上だと思います。

 隣の家の芝生は青く見えるというが、こと屋台に関していえば、実際に隣の芝生は青い。

 まだ地下鉄が走る前に台北に1度だけ行ったことがあります。そのとき台北の屋台に関して感じたことが3つあります。

 それは、値段が明瞭、衛生的(に見える)、そして種類が豊富、です。

 値段が明瞭ということ関しては、串モノのような、どんな小さなものでも値段の紙がお店に貼られていたのを私は記憶しています。たぶん行政指導とか法律か条例などルールがあって金額が表示されているんだなと思いました。

 衛生的かどうかは見た目には分からないけど、香港に比べて店構えや様子にアングラな感じの薄いのが、衛生的、と思わせるのかもしれません。

 そして、台湾の屋台で一番うらやましいと思うのは、やっぱりその種類の豊富な点です。屋台を目的に台湾に行く人はかなり多いだろうと思います。

 ふりかえって我らが香港の屋台はどうか。少なくとも小販はすでに壊滅しました。また、いわゆる固定屋台の大排檔は、私は大好きですが、どうも衛星面で気になるところが、正直なところ、あります。

 台湾がうらやましいなら、屋台が好きなら台湾に旅行に行けばいいのです。しかし、香港ファンとしては、香港の空の下で屋台を堪能したい。

 だから、香港のどこかに台湾屋台を集めたスポット、あの台北の士林の香港版を作ってしまえばいい!

 メニューのほか、ルールも台湾式を採り入れます。値段明瞭、衛星面もバッチリ、種類も豊富、とくれば、ハードルが低くて海外からの観光客にもウケると私は思います。

 バラバラに店があちこちに自然発生的に出るのを待つんじゃなくて、人工的と言われようとも一気にスポットを作ってしまうのがいい。台式屋台ストリートです。九龍の西側の埋め立て地、たくさん土地あるんだから、あそこがいいです。無味乾燥な高層マンションの建設は中止です。あんなもの1本や2本なくてもいいです。

 そもそも香港と台湾の、屋台をめぐる環境が決定的に違うと思わせる象徴的なことがひとつあります。

 それは、観光協会(観光局)の屋台に対する態度です。

 香港政府観光局は、前身の香港観光協会の時代から、香港の屋台に関しては、「無視」を決めこんできました。

 固定屋台の大排檔は衛生面でおすすめできないということなのかもしれませんし、移動式の小販は、さらに厳しい衛生面もさることながら、それが街中に無数にあった頃からほとんどの店が無許可(ライセンス無し)の違法な商売でしたから、公の機関である観光協会や政府観光局としては無視するしかありません。

 私の記憶では、紙媒体の観光案内のパンフレット類が全盛だった時代から、香港観光協会のガイドで屋台をグルメのひとつとして紹介している記事はいっさいなかったように思います。

 一方、台湾のほうはといえば、台湾観光協会の公式サイトを見れば、協会の屋台に対するスタンスがすぐ分かります。

 台湾観光協会はきちんと夜市のことを紹介し、台湾のグルメとしてオススメしています。

 台湾観光協会サイト 「夜市の小吃」
 http://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0011926

 曰く、「台湾への理解を深めるには、各地の夜市を巡って、地元の人々に混じって屋台で小吃を食べるのが一番かもしれません。」(台湾観光協会 サイトより)
 
 こういう点からも香港と台湾の屋台の環境の違いを実感します。香港の屋台にはどことなくアンダーグラウンドな感じがしてしまいますし、社会的な認知として実際のところもアンダーグラウンドなポジションに置かれていると思います。

 ということで、

 ・台湾スタイル(価格表示や衛星面、種類の豊富など全部)の屋台を香港で展開する。
 ・往来の道に派手に展開するのは無理だろうから、新たにスポットを作る。
 ・観光局も自信をもって積極的にグルメとして屋台を観光客におおっぴらにアピールする。

 私は香港の観光の発展のためにも、地元の皆さまにも観光客の皆さまにも、けっこうこれはイケるのではと思います。

 いや、単に台湾のイイトコ取りをして、私が香港で屋台を堪能したいだけです。