henna_tram01.jpg 中国は広州に在住のisolaさんから、

「1月2日に、変なトラムに乗りました」とのメールをいただきました。

年末年始にご夫妻で香港に行かれて命の洗濯をされたとのこと。

その「変なトラム」の写真をいただきました。上の写真。

場所は湾仔。上環方面に走るトラムです。行き先表示は「Western Market 上環(西港城)」となっています。

このトラムのどこが変なのか、分かりますか?

isolaさんに答えのメールをいただくまで、私は分かりませんでした。

香港のトラムは、香港での自動車の通行と同じく、左側通行です。

だから、上の写真では、左側の線路に乗っかっているこのトラムは手前から奧の方へ向かって進んでいます。屋根から伸びたポールが手前に倒れていることからも、このトラムが手前から奧に向かって走行しているのが分かります。

一方、よく見ると、このトラム、車両番号「110」と書かれた「箱」が上に付いています。

この箱が付いている方が、トラムの車両の頭になります。

だから写真のトラムは手前が「頭」、向こうが「お尻」になります。

ということは、つまり、このトラムは、「逆走」しているのです! バックオーライ!

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こんな「逆走トラム」があるのかと、「叮叮傳奇 香港電車知趣 Amazing Ding Ding」の著者でもある、香港地元屈指のトラムマニア、Josephさんにメールで聞きました。

すると、「乗ったことがあります」と返事が来て、こんな写真も送ってくれました。

両方とも、こっちを向いています。

本来なら、左のトラムは、こちらにお尻を向けていなくてはなりません。

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isolaさんは、逆走とは知らずに銅鑼湾で乗車され、湾仔で降車後、写真を撮った後に、そういえば今乗ったトラム、「変だった」と、気づかれ、

●コーズウェイベイで乗る時にいつもとドアが違った
●階段が逆についていた
●小銭を払っている音が沢山聞こえていた
(降りる時に運転席の横には小銭の箱しかなく、
オクトパスを握りしめていた私はかなり焦りました)

としています。

Josephさんのメールにも、逆走のトラムでは「運賃の支払いはコインのみとなります」と書かれてありました。

isolaさんは2階席には上らなかったそうですが、もし、2階席に上っていたら、全部シートが進行方向に対して後ろ向きなわけですから、さぞかしビックリすることになったろうと思います。ちなみに同行されていたisolaさんのダンナさんは「逆走」に気づかれていたとのこと。

ウィキペディアの「香港トラム」を見てみました。すると、

「折り返し運転の場合は、2階の乗客は後ろ向きで座る事になる。」

という記述があります。

同じく、

「全車、2階建て構造で定員115名の、車体前後に運転台持つ両運転台車である。
但し、終点がループ線となっているので、通常は一方向にしか走行しない。
その為、常時使用される運転台は片側のみとなっており、車体構造も一方向のみの走行に
適した形になっている。但し、事故等で途中折り返し運転となる場合は、もう片側の
運転台を使用する
為、運転台機器は、同じ機器 が装備されており、通常はカバーで
覆われている。」(ウィキペディアより)

isolaさんが乗られたこの「逆走トラム」は事故やなんらかの事情で折り返し運転になったため、前後逆になったのでしょうか。

私は「折り返し運転」の車両に乗った記憶がありません。

「逆走トラム」に私も乗ってみたいです。

【参考】 ウィキペディア 「香港トラム」 <車両-車体の特色>