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 先日からお知らせしていました 『現代の香港を知るKEYWORD888』 を買ってきました。神保町にある東方書店で。さすがに中国関連書籍の専門店だけあって、レジの前にこの本が平積みで置かれていました。
 「魅力尽きない香港のすべてをキーワードで読み解く!」 と帯にありますが、家に帰ってよく見たら、これは帯ではなく最初からカバーに「帯風に」デザインされたものでした。帯を巻いたようなデザインを施して、帯自体は省略。つまりコストを考えた装丁というか体裁です。少しチープな感じもしますが、まあ気になりません。帯って邪魔なことが多いから。
 この本の前身とも言える同じ編者(小柳淳氏)による 『新 香港1000事典』 と比べると、今回の 『KEYWORD888』 が格段に良くなっていることがあります。それは読みやすい紙質の本文ページ。めくりやすいのです。 『1000事典』は紙が硬くて非常に読みづらかった。本文ページに厚い紙を使って分厚い本にして、書籍としての商品性アップを図るのは、本の体裁としては理解できますが、でも、前回の『1000』は、「事典」を謳っているのに、極めて読みづらかった。厚くても柔らかい紙を使ってほしかった。でも、今回の『888』は柔らかい紙なので読みやすい。嬉しい。単純に、ペラペラとめくって読もうという気分になります。
 内容についての紹介を書こうと思いましたが、巻末に専用のホームページのURLが載ってましたので、こちらを見たほうが早いです。ご覧あれ。
 http://www5f.biglobe.ne.jp/~hongkong/888.html
 888すべてのキーワードも載ってます。
 http://www5f.biglobe.ne.jp/~hongkong/888-02.html
 この本を通読すれば、香港について結構な量の知識を得られると思います。短い解説文の集大成という構成なので、通学や通勤の電車の中で少しずつ読む、というのもいいかも。
 税込み2,940円は書籍としては少々値が張る部類に入りますが、相当な情報量があるので決して高くはないと思います。
 12名からなる執筆陣により手分けして書かれたそれぞれの項目の解説は、主観や個人の経験を述べたものも多いので、一部に真剣にツッコミを入れたくなる部分もありますが、だからこそ、香港ファンには楽しいオススメの一冊ではあります。
 最近出た2冊目の『香港歴史漫郵記』のほうは、まだ買おうか迷ってます。店頭でペラペラめくってみましたが、家に同じ著者の似た内容の『切手が語る香港の歴史』があるので、買うかどうかいまだ検討中。
 3冊目の『香港雀仔街』は、まだ店頭で見かけません。実は、今回の新刊3冊のうち、この写真集『香港雀仔街』にいちばん期待しているのです。かつてこの写真集の舞台であるバードストリートと同じエリアにあったグランドタワーホテルを定宿にしていたので、雀仔街はすごく親しみがあるのです。
 追記。ところで上の写真、カバーの写真はいったい何? どこかのビルのトイレの「男」「女」の表示なんでしょうか?
 さらに追記。写真の解説、カバー見返しに載ってました。「新しいスターフェリー埠頭のトイレサイン」だそうです。そうなんだ。でも、私は、スターフェリーの乗り場が新しくなってからは行ったことがないから知らんよ(涙)……。しかし、こんなある意味「瑣末な風景」のよくわからん写真をカバーにもってくるというのは、本を売ることを考えたらかなり冒険なんでは……。この写真は編者の小柳氏の選択のようにも思えるのですが、これを許した版元の編集者の心意気(?)を買いたい。