「圖説雲咸街滄桑 1840年代-1960年代 AN ILLUSTRATED STORY OF WYNDHAM STREET, HONG KONG 1840S-1960S」が香港でめでたく刊行され、この本の著者、王鋼(Wang Gang)先生から航空便で送られてきました。
中環の雲咸街(Wyndham Street)の歴史を写真や各種資料でつづった本です。香港の文化を語るうえで雲咸街は極めて重要である、としてこのストリートにスポットをあてています。
雲咸街はここ。
届いた本のページを開いてうなりました。この雲咸街の歴史が、それこそタイトルどおり、各時代の写真、ポスター、新聞、レコードのレーベルなど、この通りにゆかりのものが、本文269ページにわたって、満載されています。
でも、そのなかでも、特にどこにいちばん「おおッ」と、うなったか。それは、コレ。
各写真に、撮影したカメラの位置とカメラが向けられた方向が地図上で示されているのです。
奇しくも現在、当ブログで1枚のモノクロ写真をめぐって、たまたま私がその写真がどこで撮影されたのかお伺いしたところ、皆さまから、大変熱いご推理をいただいておりますが、この本では、掲載された古い写真の一つ一つに、撮影者の立ち位置とカメラの向けられた方向が図で示されているのです。私は文字通り、本当にうなりました。
前回の記事で「撮影場所」を質問したのが、この本の紹介のための前フリみたいになってしまいましたが、違うのです。そもそもあの記事のメインで書いたことは、「モノクロ写真に写っている50年前の「No.130」のトラムは、私の撮った写真にも写ってました。現在のトラム「No.130」はコレだ!」というものだったのでした…。それに関してはサッパリ、いっさい反響ありませんでしたわ~(笑)。
で、今回届いた本がこれです。1枚の写真について皆さまとの「撮影場所どこだ?」のやりとりがあったので、この本には将来、資料的な価値があるのではと、実感した次第。
この本は、タイトルどおり、1840年代から1960年代にかけての歴史をたどったものですが、それ以降現在までの雲咸街についても言及されています。そこに、1986年に私が撮影した写真も掲載されました。これです。おおおッ!
掲載されている各写真の下には、提供元に対する「感謝」の文字と提供者の名前がひとつひとつ明示されてます。私の場合、「感謝日本学芸員K先生(実際は本名です)提供照片」となってます。また、必要に応じて、写真の内容に関して、丁寧に注釈が付いています。別項でその解説が載っています。私の写真にも注釈が入っていて、別項で、写真に写っている映画館の看板の映画の作品名や製作年、製作国(香港/台湾)などが記されていました。
この本の発行は中華書局です。中華書局は上海に1912年に設立され、のちに香港に分局ができた、由緒ある出版社です。
いやあ、この本、私の写真が載ってなくても、香港の書店の店頭で見かけたら、レジに直行してました。
店頭で平積みになっていないと、探しにくいかもしれませんが、もし香港に行かれて目に留まったら、ぜひページを開いてみてください。
背表紙の写真も載せておきます。店頭で棚にささってる場合もあると思います。この背表紙を目印に、お時間のある方は見つけていただければ幸いです。判型はほぼB5サイズです。
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「圖説雲咸街滄桑 1840年代-1960年代」
発行:中華書局
著者:王鋼
頁数:272頁
定価:HK$168
ISBN 978-962-8885-00-8
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王鋼:文化史学者、出版人。現任海燕出版総編集、研究員。著述有『關漢卿研究資料匯考』、『中国戯曲史編年』、『徐渭』、『全元曲』、『校訂録鬼簿三種』等
(この本のカバー見返しのプロフィールより)
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なんども言ってしまい恐縮なのですが、生まれて初めての海外旅行の香港で、観光客として気の向くままに撮った写真が、20年のときを経て、昨年の『憶記戲院記憶』に続き、香港で刊行される本に載るとは、撮影当時は思いもよりませんでした。
ネット、おそるべしです。
あと、全然関係ありませんが、我が家のパソコンが絶不調です。記事ひとつ書くのにレスポンスが悪くてもう限界です。6年ぶりにPCを購入することにします。でも、Vistaって、使い勝手はどうなんですか? いまだにビジネスモデルのPCでは「XPにダウングレード」というモデルがありますが、これはいったいどうして?
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