オープンしたばかりのGoogle「ストリートビュー香港」に行ってあちこち街を歩いてみて思い出しました。
これ。プレイステーションのゲーム、「クーロンズ・ゲート」(ソニーミュージック)。
「九龍城」、すなわち九龍城砦(九龍寨城)の中を巡り、風水のなんたらかんたらを集めて、進んでいく、というゲームです。
このゲームは1997年に出ました。1997年は香港返還の年。世は香港ブーム。上の写真は発売初日に買った初回限定版で、写真にある黒いものは、限定版特典のクロス張り表紙の立派な分厚いオールカラーのブックレットです。
たしか記憶では発売日前に朝日新聞などで見開き2面広告で派手に宣伝していたので、それもあって私は、もしかしてドラゴンクエストとかそういうゲームみたいに前の晩から並ばなきゃ手に入らないんじゃないかと馬鹿なことを考え心配しましたが、そんなことはなく、当日行ったら店頭に普通に置いてありあっさり簡単に手に入りました。
これがオープニング。
すごくおどろおどろしい雰囲気で実際の九龍寨城のことが曲解されそうな感じですが、明らかに架空の設定というのは分かるし、このゲームソフトがリリースされる数年前にすでに本物の九龍寨城は消滅しているので、まあ、問題はなし。
このゲームを製作するにあたり、スタッフは相当に香港や九龍寨城の、歴史や背景も含めて研究したらしいので、ゲームの中で、「九龍城砦/九龍寨城」を、お定まりの「九龍城」としているのも確信犯だと思います。「クーロン」という呼び方も、分かった上で、一番日本人に通りのいい呼び方にしたのだと推測。
13年前の、初代プレステ時代のゲームなので、CGの粗さやゲーム進行中の動きのレスポンスの遅さには時代を感じます。しかし、当時の水準を考えるとかなりの出来だったと思います。
私は買ったゲームを最後までやることはほとんどなかったのですが、このゲームは珍しく最後まで全部クリアしました。でも、どんなゲームだったのか、いまだによくわかりません……。そういうゲームのようです。セリフも雰囲気重視のような。概略はウィキペディアを。
なんかストーリーらしきものがありますが、理解することを私は放棄していました。
とにかく「九龍城」の中を巡ることを楽しみにゲームをしました。もちろんウソの架空の「九龍城」だけど、映像の中の小物が凝っています。
上のサムネイルの画像を見ても分かるとおり、看板が「劇場」となっています。もし映画館なら「戲院」としてほしかったところです。
赤い三角のどれかを選択してクリックして進んでいきます。ストリートビューにそっくりです。
「九龍城」内の路地にいくつも置かれているモニタを覗くとこんなものが流れています。(コチラ)
もう13年も前のゲームなので古いですが、当時はなかなか楽しめました。
YouTubeでこの方がたくさんの動画をアップしています。(コチラ)
ソニーミュージックのサイト内に、公式サイトが残ってました。
http://www.sonymusic.co.jp/Amusement/kowloonet/menu/index.html
「クーロンズゲート」には「九龍風水傳」という副題も付いていて、香港ではこちらのタイトルで知られていて校略本も出ていたそうです。
こちらは本家日本のソニーマガジンズの校略本。
この本は復刊ドットコムで復刊を望むコメントが多いです。(コチラ)
この本は、後略のガイドとしてよりも、最初の方に30ページほど載っている香港や九龍寨城のことや映像の製作の裏話が面白い本です。
このゲームは再販されたあと、絶版となったようです。amazonにはいくつかレビューが載っています。(コチラ)
このゲームをしていたとき、
「いちいちクリアしないと次に進めないというんじゃなくて、単に九龍城砦とか香港の街をブラブラ歩くだけのヤツがあればいいのに」
と、思ってましたが、私の願いはストリートビュー香港で「実写」という形で実現してくれました。
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