enter_bluray.jpg 『燃えよドラゴン』の廃盤ブルーレイ、届きました。

 ネットで見つけた中古屋さんにあった新品のものです。

 届いたのは、きちんとワーナーホームビデオのシールが貼られた未開封のパックがしてありましたので新品だと思います。値段は1480円と定価より1000円ほど安かったです。ただし送料が340円かかりました。

 これでウチにある『燃えよドラゴン』の映画ソフトはVHS時代から数えて10本目です。

 この『燃えよドラゴン』のソフトには、本編の映画の倍以上の長さの特典映像が付いています。

 こちらのサイトで、米国本国盤の中身を見ると、たしかに再発売のもの(日本版は12月7日発売)は、特典映像のドキュメンタリー4本のうち1個が欠けています。権利切れとなって収録できなくなった「A Warrior’s Journey」というドキュメンタリーです。

 これまで発売されていた廃盤

 再発売盤(リパッケージ盤)

 ちなみ私はここのサイトで、本国盤の『ブレードランナー』(1982年 アメリカ/香港合作)のコレクションBOXブルーレイを買いました。注文したら、ニューヨークから届きました。(コレ

 

 やっと手に入った『燃えよドラゴン』のブルーレイ。

 でも、テレビが届くのは来週だしブルーレイレコーダーもないので、見ることができません。

 『燃えよドラゴン』のソフトが手に入っているのにプレーヤーがないから見られない、

 というようなことが以前にも1度ありました。

 で、私は、こんな過去を思い出した。

 初めて買った『燃えよドラゴン』のビデオソフトはアメリカ製。VHSです。いまはなき映画雑誌「ロードショー」の通販広告を見て、いたいけな少年は大枚はたいて買いました。

 おそらく『燃えよドラゴン』の世界初のビデオソフトです。仰々しくすごく大きなB5サイズの雑誌くらいの紙のパッケージに入っていました。

 やっと届いた『燃えよドラゴン』のビデオ。

 私はビデオを手にとって、「この中に映画が詰まっているのか。何度も観られるのか」という新鮮な感覚を持ちました。今じゃそんなこと当たり前ですが、当時は「すごいことだ!」と思ったのです。

 しかし、ビデオテープは手に入ったものの、家にはビデオデッキがありませんでした。このビデオソフトは私にとっては先行投資だったのです。

 見たい! なんとしても見たい!

 で、どうしたか。

 私は、電気屋さんに行って、展示のビデオデッキにかけて見ることを思いつきました。

 それからしばらくして、ある日、友だちと映画を観に行くことになり、私は、

 「映画を観る前に、電気屋さんでこの『燃えよドラゴン』のビデオを見てみようよ」と誘い、デパートの家電売り場に行きました。

 デパートに家電売り場があったのですから時代を感じます。

 店員さんにたのんで、展示品のビデオデッキで『燃えよドラゴン』を再生しました。

 再生ボタンを押してから、かなり長い時間真っ黒な画面。で、「WARNING」の警告文。

 そして、おおっ、ついにワーナーブラザースのオープニング。ブルース・リー登場。

 私と友人「おおおおーッ」

 音声が英語なのはもちろんですが、輸入盤ですから字幕もなしです。

 いまでは電気屋さんのテレビ売り場でハリウッド映画のデモ映像が流れているのは当たり前の光景ですが、当時はちょっと「異様」な光景でした。

 当時、テレビの画面に映る外国映画は、まずほとんどが「洋画劇場」の日本語吹き替えですから。

 テレビから流れる英語音声に「おや?」と気が付いて足を止める人々。画面を見たら、ブルース・リー。

 今とちがって、これはかなり特殊な雰囲気でした。

 『燃えよドラゴン』が流れるテレビのまわりに、「なんだこれは?」と、ひとり、またひとりと、立ち止まって画面を観る人が出てきてしまいました。

 人が人を呼んで、まるで高校野球やオリンピックの中継放送を観るような、あんな感じの家電売り場の光景になってしまいました。

 誤算でした。

 友人と観る予定の映画の始まる時間が迫ってきてしまったのです。

 最初は私といっしょになってビデオを楽しんでいた友人が、だんだんそわそわし始め、早くビデオ止めて映画館に行かないと間に合わないよ、と言い出しました。

 しかし、止めようにも10数人の人々が真剣にブルース・リーの闘いに見入ってしまっています。

 迷っている間にだんだんストーリーは盛り上がってきてしまい、さらに止められなくなってきてしまいました。

 けっきょく、ギリギリの時間になって、『燃えよドラゴン』のアクションも最高潮になりかけた頃に

 「すみません! 時間がないので! ごめんなさいッ!」と言って、私はストップボタンを押してブルース・リーの「アチョー」の絶叫をプツンと消しました。

 あっけにとられる人々の様子を、背中に感じて痛かった。

 私たちはそこから逃げるように映画館に向けてダッシュで走って行きました。

 とまあ、そんな過去の思い出でした。チャンチャン。