king_kowloon.jpg いま、こんなイベントをやっているそうです。回顧展という感じか。

 http://www.designerhk.com/date/5574

 すでに「香港郊野遊行・續集」など何人かの方がブログで紹介されています。きたきつねさんは行かれたそうです。うらやましい。

 九龍皇帝のあの落書きは、私が香港に行き始めたときには、すでにたしかに香港の街のあちこちで見かけた記憶があるのですが、注意してはよく見ていませんでした。あんまり気にとめてなかったです。

 目に入ってたというのは記憶がある。なんだかおどろおどろしいというのはあった(笑)。

 まだ九龍皇帝の存在を知らなかった頃、私はこれらの落書きが「単独犯」によるものだとは思いませんでした。

 日本の街なかで、スプレーで書いたアルファベットのような記号のような意味不明な落書きをよく目にしますが、私はてっきり香港のあの落書きもそんな「香港における落書きの定番パターン」だと勝手に思ってました。複数の、それもそれぞれがつながりのない人たちが書いたものだと思ってました。

 その後何かの本か雑誌(「香港通信」かな?)で「九龍皇帝」なる人物の存在を知りました。そして落書きで書かれた内容が、「訴え」や「主張」なのだということは分かりました。

 しかしそれを知っても私から見ればやっぱりあれは落書きで、私は「ああ、単独犯だったのか」くらいに思った程度でした。

 私の頭の中では、「単なる落書き」 から 「著名な落書き」 に格上げされましたが、それでもやっぱり落書きに過ぎませんでした。

 でも、これが東京のガード下やお店のシャッターに書かれた落書きだと不快なだけだが、九龍皇帝の落書きは、これまで私が香港に旅行に行って街を歩くと何となく目に入ってくる、街歩きの景色の重要なスパイスとなってきましたので、私にとって、あの落書きは、「イイ落書き」です。

 しかし香港の世間は、あの落書きをそれ以上のものに格上げしました。九龍皇帝の落書きは、書いた本人がいなくなってから今や「アート」になってしまいました。

 でも、やっぱりあれってほんとは単なる落書きなんじゃないかなあ、と思ってしまいます。

 彼のは、アートでなく「味のある落書き」です。

 とか、言いつつも、私の場合、「皆が認めるんなら、私もアートとして認めようかな?」という弱腰のスタンスであります。

 九龍皇帝の今回の回顧展に行けないので、その代わりに、当ブログのヘッダー画像を九龍皇帝バージョンにしておきます。表示期間は「九龍皇帝文字的楽園」の開催期間と同じく5月31日まで。いや、やっぱり飽きたら差し替えます。
 
 このヘッダーの写真は尖沙咀のスターフェリー乗り場で撮ったもの。人が行き交うメジャーな場所なだけに、九龍皇帝の落書きが希少なものになってからは、この「作品」が彼の落書きの中では特に有名なもののひとつになったようです。

 で、いま、この落書きはどうなってるんでしょうか。ウィキペディアにこの尖沙咀の「作品」がガードで囲われた写真が載ってるが、永久保存なのか? 旅行者にとっては「イイ落書き」なんだから、永久保存してもらいたい。

 大昔の人が書いた落書きも時がたてば遺跡になるし。

 「九龍皇帝文字的楽園」の関連記事
 http://www.cnngo.com

 維基百科(ウィキペデイア中文)
 ココ
 
 当ブログ「九龍皇帝」関連記事
 ココ