私事で多忙な日々を過ごしていたのですが、2月に入って何とか良い結果を得ることができ、ようやく落ち着きましたので久々に更新します。


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 ただいま、香港電影資料館(上写真=Googleストリートビュー)で、

 企画展として

 「《舊日戲院昔日情》展覽
 (Down Memory Lane: Movie Theatres of the Olden Days)」

 というのをやっています。

 今はなき、古きよき時代の香港の映画館を懐かしむという、感涙の企画です。

 香港の映画館研究家・黄夏柏(Wong Ha Pak)氏経由で、同館からの依頼を 受けて、私はこの企画展に写真を提供しました。

 

 企画展の様子です。(写真は全て黄夏柏氏からの提供 照片提供:黄夏柏先生

denei_ex01.jpg ショウブラザースを模したマーク。向こうに見えるのはコイン式の体重計か。香港の映画館のロビーに、よくこれが置かれてあったのを記憶しています。

denei_ex02.jpg パネルの右上の写真は、私が1989年の4月30日に撮ったものです。

 これが元写真。

1989_ad.jpg 手描きの大看板です。「神勇雙妹嘜」という作品。左でにらみあっているのは、マギー・チャン(張曼玉)とドゥドゥ・チェン(鄭裕玲)。

 予告編がYouTubeにありました(こちら。ただし当時のオリジナルではありません)。
 こちらで全編が見られます(こちら)。

 この看板がかかっている建物は、映画館ではありません。彌敦道と佐敦道が交わる交差点。われわれ旅行者にもおなじみの場所。中華系デパート・裕華國貨の向かいにある、1階にワトソンズの入ったビルです。かつて、ここにはこの写真のように映画の看板がかかっていました。

 同じ場所をストリートビューで見ると……。


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 それが今じゃこれかよ! なんとも味気ない風景になってしまった!!


 かつての香港には映画館じゃないところにも、あちこちに映画の看板がありました。

 街には「映画」があふれていました。

 作品の公開のサイクルに合わせて、だいたい半月に1回の割合で看板も差し替えられていたと記憶しています。

 だから当時、香港の街を歩く人々は、通りを行き来しながら、日々、目の端で看板の更新を感じていたはずです。変化ある楽しい風景が当時の香港の街にはありました。


 そしてこれは、かつて香港にあった「一戸建て映画館」のマップ。

denei_ex04.jpg こんなにもあったのか! 香港の「一戸建て大映画館」!

 今はもう全部なくなってしまった。

denei_ex03.jpg 上の写真の、真ん中の「總統戲院」と「碧麗宮戲院」が私の写真です。いずれも1986年3月に撮ったもの。これらの写真は香港のテレビ番組でも使われました。

 
denei_ex05.jpg 企画展の協力者として私の名前もクレジットされています


 この企画展は3月2日までやっています。

 香港電影資料館での案内
 <中文> http://www.lcsd.gov.hk/CE/CulturalService/HKFA/b5/3-4-6.php