「私の本棚」、連載の第1回目。
毎回、香港本の背表紙の写真を載せていきます(写真はクリックすると拡大します)。
まずはこの段。
手前のスライド棚ふたつのうちの、左のスライド棚の上から2段目。
ここにはソフトカバーの本が入っています。
この中で有名なのは、左から6冊目の、山口文憲の古典的名著「香港世界」(筑摩書房/1984年)。
私が香港にハマるきっかけともなった本です。
この本を読んで、当時まだ行ったことのない香港への妄想でパンパンに頭がふくらみました。
のちに有楽町西武で行われた香港イベントでの山口氏の講演に行った私は、山口氏にこの本へサインをしていただきました。
個人的に面白いと思ったのが、右から9冊目の「食べ物が語る 香港史」(平野久美子/新潮社/1998年)。
屋台から高級レストラン、地元やアメリカ資本のファストフード、街のパン屋、そして家庭料理など、香港のあらゆる食についての歴史です。
読んだのは刊行されたとき一度きりで、細かな内容は忘れてしまったのですが、「食は人なり」というか、「食を通して香港と香港人のことをさらに深く知ることができたなあ」、と読んだときに思ったのを記憶しています。時間があれば再読したい一冊です。
右から4冊目の「香港街歩き術」(藤木弘子/草思社/1993年)は、読んだ方も多いと思います。これもなかなか良かったです。
この本によると、藤木氏は旺角の彌敦道沿いにあったグランドタワーホテルにもよく泊まっていたそうです。
グランドタワーホテルは、私がこれまで泊まった中で一番好きなホテルでした。しかし残念なことに廃業して改装され、今はお店やオフィスが入っています。
もしこのホテルが今でもやっていたとして、ここに最近泊まったとしたら、今回の民主化要求の学生達の占拠の様子を部屋の窓から見下ろすことになったでしょう。
占拠されていたのはこのホテルの入ったビルの真ん前でした。
日本のニュース番組で伝える占拠の映像でも、背景にこのホテルのあったビルが何度も写っていました。
左から3冊目の「香港黒社会 日本人が知らない秘密結社」(石田収/ネスコ・文藝春秋/1994年)は、あまり知ることのなかった香港の黒社会のことがよく分かる貴重な本です。
黒社会が映画産業をはじめどんな業種に進出してきたか、香港の街の各エリアのどこをどの組がナワバリとしているかなど、かなり詳しく書かれています。
この本を読んだとき、「うわ、こういうところにも黒社会が関わっているのか」と驚いたのを覚えています。
ところで、実は、この連載では、毎回、各段から2、3冊をピックアップし、それぞれについてもっと詳しくその本の内容を書こうと思っていました。
しかし、今、最初の10行目あたりまで書いてみて分かりました。
そんなことをしたら膨大な量の文章になってしまう。
それはまた別の機会に気が向いたとき、1冊ずつ紹介する形でやってみたいと思います。
とりあえずこの連載では、私の本棚に並ぶ香港本の背表紙を、写真で見てもらうことをメインにします。
まだお持ちでなく興味のそそられた本があったら、amazonで検索すると詳細が分かるかもしれませんので、そちらへどうぞ。
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