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 本日夕方、ついに『憶記戲院記憶』が届きました。
 著者の黄さんから何冊か送っていただくことになっていたのですが、黄さんは郵送中の万一の事故による紛失を考えて、郵送代がかさむのに、あえて1冊1冊、別々に送ってくれたのでした。
 消印を見たら、本日届いたうちのひとつは10日の日付、もうひとつは11日の日付です。わざわざ、あえて日にちをずらして送ってくれたのだと思います。黄先生、多謝!
 いやあ、やっと手にすることができました。感慨深いです。
 本日届いたのは、ふたつある装丁のうちの、「特別版」の方です。表紙の右にあるスリップのようなものを引っ張ると、真ん中のスクリーンのところに、ありし日の「娯楽戲院」の写真が現れます。凝ってます。(こんな感じ
 以前の記事で特別版は「ハードカバーだ」と書きましたが、現物を見ると、いわゆる日本の書籍でいうところのハードカバーではありませんでした。日本の書籍の装丁の分類でいえばソフトカバーですが、硬めの表紙の紙をそのまま折り返しにしているところが特徴です。(ご存じの方も多いと思いますが、日本にはあまりないこの装丁は、香港の書籍でよくみられるものです)
 本文182ページでオールカラー。まさしく、今はなき大映画館についてのありし日の記憶が語られています。黄さんから依頼されて私が提供した嘉禾戲院など9つの映画館の写真のうち、8つが採用されています。 (訂正・追記 : あとでもう一度見ましたところ、9つ全部の写真が採用されていました)
 各館の開館、閉館の年月日や、それまで私には不明だったいくつかの映画館の座席数も明記されていているので、資料としても役に立ちます。
 これから慣れない中文を、少しずつ読んでいこうと思います。
 まずは現物が届きましたのでご報告でした。
 特別版の残りはおそらく来週届き、そして通常版は船便で年が明けてから届くと思います。
 ここでまた言ってしまいますが、初めての海外旅行で行った香港で、気の向くまま興味のあった映画館をいくつか写真に撮っておいたものが、めぐり巡って、およそ20年後、かの地の香港の書籍に載ることになるとは、本当に本当に思いもよりませんでした。