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 図書館で本を借りそびれ、読む本がないので本棚にあった『亜細亜ふむふむ紀行』群ようこ著)を電車の中で読みました。平成6年の刊行時に買って読んで以来、16年ぶりの再読です。

 香港に8人の仲間で行くその珍道中。著者と、仲間は関川夏央氏ほか男女総勢7名。著者はこれが初めての香港です。

 私は再読して思いました。

 たしかに旅先での仲間とのやりとりは面白く書かれているかもしれないし、それがこの本の肝というかすべてなのだと思いますが、肝心の、香港の街で見たり聞いたり臭ったりのことがほとんど書かれていないです。たしかにオビには「ご近所感覚で歩いたアジアの街」とありますが。

 紀行文は、やはり、著者のまわり360度が異文化の世界となる、一人旅のものに限ると、私は思いました。

 「深夜特急」も2人で行けば 「猿岩石日記」になってしまいます。 ……そんなことはないか(笑)。あれはあれで面白かったです。

 古い本を取り上げておいてこう言うのも少し気がひけますが、この本は香港ファンにとっては少々食い足りないのではないかと思いました。

 やっぱり、著者の感じた異文化を追体験できる紀行文が、私は好きです。

 この本は絶版になっているようでアマゾンでは古書しかありませんが、レビューが3つあります。
 アマゾン