sand.jpg 何故かは分からないが、どうでもいいことの方が、あとになって記憶に鮮明に残ることがあります。

 香港で、その日の目的地とかイベントの場所に着く前に、ふと入った、冷房のガンガン効いた茶餐廰の窓越しから見た、陽光の照りつける九龍の何の変哲もない往来の風景とか、そんな些細なことの方がなぜか、当の目的地の風景やイベントの思い出よりも、記憶に残っていたりして不思議です。

 ガイドブックで選びに選んで行った有名なレストランの一品よりも、名もない茶餐廰に適当に入って適当に選んでたのんだサンドイッチのほうが、鮮明にその食感や味を覚えていたりします。

 あと、これは記憶ではなくその場での感覚なのだが、わたしはいつも、香港のレストランでトイレに行ったとき、街の喧噪やレストラン内の喧噪が耳から消えたときに、ふとトイレの中で、ああ、ここは日本じゃない香港にいるんだなあ、と何故か感じてしまいます。