きのう夕方6時半のTVBのニュース。

 私は広東語がダメですのでよくわかりませんが、男の人のコメントで「ハクセーウイ(黒社会)」という言葉が出てくるので、デモの学生とトラブルになっているのは黒社会だということなんでしょうか。

 きょうやったTBSの「サンデージャポン」でも

 「デモを襲撃しているのは、実は市民ではなくて、中国と仲のいい連中がマフィアをやとって、襲撃したら7000円、テントを壊したら5000円みたいなことでやっている」

 ということを現地リポートから帰ってきた記者が言ってました。

 日本や香港のテレビ報道の映像を見て分かるのですが、座り込みは、日中は閑散としていて、夜になると人であふれかえっています。

 同じ記者が

 「香港は今、日中は気温が30度を超え暑いので、いったん家に帰り、夜になると野宿にもちょうどいいと、また集まってくる」

 と言ってました。 「サンデージャポン」というバラエティ番組の中でのリポート報告なので、「野宿」などとあえてのんきな言葉を入れてみたようにも思えましたが、タイのバンコクでときどき起こるデモでも、中国本土の反日デモでもそうですが、デモというものは、学生やシンパの市民の中にも、イベント感覚で参加している人も多数いるのは、参加者の笑顔やのんびりした表情を見ても分かります。

 
 香港に行きたいです。この現場に。

 純粋に旅行者として。

 よく考えれば、日本の報道でこれだけ連日香港の様子を伝えるのは、1997年の返還直前以来です。

 あのときは、私は、返還の5日ほど前から香港に行ってました。

 そして銅鑼湾で返還を迎え、何も変わっていない香港の街を歩き、あちこちで配られる号外をもらったりして、いつのまにか地下鉄の始発の時間になり、ホテルに戻って昼まで寝てました。

 多分、今度のデモは、いずれにしても学生が要求する行政長官の辞任は絶対にありえないし、そんな屈服はするはずがないし、だんだん尻すぼまりになって、自然と治まっていくと、私は予想します。

 返還のときは「一国二制度50年間」の「50年」がはるか彼方のことに思えましたが、すでに17年が過ぎました。あっというまに3分の1が過ぎました。

 中国は、香港に対して、これからさらに引き締めに入っていくことはあっても、手綱を緩めることはない。そんなことは自明の理。

 ときどき緩めても、それは将来より引き締めるためのアメ玉。

 中国が、2047年の香港完全吸収までのシナリオをきちんと作っていないはずがない。

 
 無責任な旅行者を自覚して言いますが、私は、

 ホテルや役所の前でユニオンジャックのはためいていた英領香港の時代が懐かしい
 
 です。