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<緊急告知 この本がタイトルで非常に損をしている件について 報告:学芸員K>
「週末香港・マカオで ちょっとエキゾチック」(朝日新聞出版)を途中まで読みました。
毎日、電車の中で少しずつ読んでいます。途中までラッシュで混むので本が読めません。だから毎日少しずつ。
途中まで読んだ感想。
面白い。けれども、タイトルと合っていない。
本の題名が内容を表していない。
この本は、そもそも著者の下川裕治氏の「週末○○」シリーズの一環として出されたもの。
だから「週末アジアで~」「週末ベトナムで~」「週末バンコクで~」「週末台湾で~」と、タイトルには全て「週末」と付く。
普通、「週末」ときて「香港」とくれば、
ツアーで「飲茶」「ショッピング」「夜景」と、香港のステレオタイプな定番モノを思い浮かべてしまう。
しかし、この本の中に書いてあることは、まったく「週末」ではありません。
しかも、タイトルにはさらに「エキゾチック」。
いまどき香港に「エキゾチック」とは!
あえて付けたのか?
そうだろう、多分、シャレでわざと付けてみたんだと思う……。
そうじゃないとおかしい。
でも、書店で新刊本を見たら、客はたいてい、表紙の題名を字義通りに受け取るんじゃないのか。
(もし下川氏が付けたのなら、ゴメンナサイ)
「週末」と「エキゾチック」でダブルパンチ!!!
下川氏は、ベテランのアジア旅行者です。
いわゆるバックパッカーの日本での最古参の部類に入る人間でもあります。
タイに惚れ込み、タイ語を学ぶために妻と子どもを連れてバンコクに移り住んだこともある相当なツワモノです。
ところが、彼はそんなベテランの「アジアの滞在人」ではあるけれど、
彼がこれまでに書いた本には、いつも「アジアで過ごして困ったこと」「戸惑ったこと」が書かれています。
現地で滞在中に遭遇したアジアの人々の大らかな性格や習慣、システムなどに触れ、
「そんな彼らを見ていると、僕は頭をかかえてしまうのである」
みたいな感じのフレーズが、いっつも出てきます。
頭をかかえてはいるのだけれど、その書きぶりに、彼のアジアとアジアの人々に対する愛情が感じられる。
そこが面白い。
この本は「週末」と銘打ってはいるけれど、書かれていることは
そんな下川氏の「下川ワールド」が全開です。
だから、この本は、タイトルで大変損をしています。
読んでないけれど、シリーズの他の本も内容は「週末」の言葉から想像されるものではなくて下川節全開なんじゃないだろうか。
香港ファンはこの本を題名で避けぬように。
緊急のお知らせでした。
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